Vlog カメラとして登場した「ソニー VLOGCAM ZV-1」と「パナソニック LUMIX G100」。どんなところがVlog向きなのか、実際に使ってみて、Vlogカメラとしてのイイところを探ってみた。「VLOGCAM ZV-1」に続いて、今回は「LUMIX G100」を検証する。
いま話題のVlogカメラを使ってわかったイイところ
- ソニー VLOGCAM ZV-1
- パナソニック LUMIX G100
パナソニック LUMIX G100V (Vキット)
スペック
[イメージセンサー] 4/3 型Live MOS センサー [有効画素数] 2030万画素 [最大動画記録サイズ (MP4)] 4K (3840×2160) 30p記録 100Mbps (センサー出力 30コマ/秒) [レンズ] 交換式 [画像処理エンジン] ヴィーナスエンジン [動画時手ブレ補正] 電子式 5軸補正 (レンズ仕様、撮影条件による) [クリエイティブコントロール (動画)] ポップ、レトロ、オールドデイズ、ハイキー、ローキー、セピア、モノクローム、ダイナミックモノクローム、インプレッシブアート、ハイダイナミック、クロスプロセス、トイフォト、トイポップ、ブリーチバイパス、ジオラマ、ファンタジー、ワンポイントカラー [動画記録機能] 4Kライブクロップ 、スロー&クイックモード、インターバル撮影、コマ撮りアニメ [入出力端子] micro USB端子 (High-Speed USB Type-B)、micro HDMI端子、マイク端子 (3.5mm)
LUMIX Gシリーズと共通の操作性が生む安心感
「LUMIX G100」の魅力は、大きな赤い動画撮影ボタン以外、LUMIXシリーズ同様の操作性となっていること。メニューから撮影まで、LUMIXユーザーなら違和感なく操作できるだろう。
また、録画開始のタイミングを設定できる動画セルフタイマー設定もポイントが高い。モニター左上にカウントダウンの数字が表示される。
難点を挙げるとすれば、キットレンズが沈胴式なこと。ズームリングを回してレンズを繰り出さないと使えない。また、ズーミングも手動なので、フレーミングを決めて撮影するまでにひと手間かかるのがちょっと残念だ。
■動画撮影ボタン
ボディ上部に設けられた動画撮影ボタンは、大きく見やすい赤色を採用する。これだけ大きければ、押し間違いの心配はない。
動画撮影時には、モニター画面が赤い枠で囲まれて表示されるので、録画したつもりで押されていなかったということもない。
■内蔵マイク
NOKIA社製のOZO Audioを採用した指向性のあるマイクを搭載し、内蔵マイクだけで臨場感あふれる音声記録が可能だ。録音レベルはカメラが自動的に調節するオートモードが搭載されている。外部マイク用の端子ももちろん装備されている。
■5軸ハイブリッド手ブレ補正
再生時に気になる細かいブレをしっかり補正してくれる5軸ハイブリッド手ブレ補正。機能的には十分な性能で、ブレはほとんど気にならない。カメラを持っての手持ち撮影が多くなりがちなVlogでは、欠かせない機能の一つ。
■動画セルフタイマー
録画開始のタイミングを設定することができる動画セルフタイマーが意外と便利。撮り始めのムダな映像編集を減らすこともできる。
■多彩なフォトスタイル
クリエイティブコントロールは22種類。シーンガイドモードには23種類が搭載されている。インテリジェントオートプラス (iA+) なら、おまかせ機能に少しだけ、自分の好みをプラスすることもできる。
■ファンクションボタン
デフォルトでスマートフォンへの画像転送機能が登録されている「Fn4 ボタン」をはじめ、よく使う撮影機能などを割り当てることができるファンクションボタンがカメラ本体に4つ、タッチエリア内に5 つの合計9つを搭載する。自分好みにカスタマイズできるのは便利だ。
■トライポッドグリップ
カメラの機動性を損なわない手ごろなサイズのトライポッドグリップ。トライポッドグリップを装着したままでもグリップを握るのにケーブルがじゃまにならない。また三脚にもなるので、テーブルフォトにも活躍するが、自由雲台タイプなので、水平を出すのにちょっと苦労する。
■キットレンズ
キットレンズの「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」は、コンパクトで「LUMIX G100」とのバランスもいいが、沈胴式でレンズを繰り出さないといけないのが難点。シャッターチャンスを追いかけるわけじゃないけれど、撮りたいときにすぐ撮れるのがベスト。
動画機能だけでなくデータの取り扱いやすさも重要なポイント
Vlogカメラに求められるのは、動画撮影機能と思われがちだが、それだけではない。動画では、画質とともに音声やBGMも重要な要素となってくる。そのため、録音性能も重要なポイント。音質や外部マイクの接続のしやすさなど、通常の写真撮影では気にならない点が重要視される。
また、セルフィー向きの機能も重要だ。バリアングル液晶モニターや手ブレ補正機能などの機能や性能は重要になる。シューティンググリップに対応しているかどうかも忘れてはいけない。片手で持てないような重いカメラでは、グリップに装着しても撮影するのが大変なだけ。手ごろな重さと大きさが、Vlogカメラに要求される理由がここにある。
そしてもっとも重要なのは、撮影した動画をすぐに加工できたり、SNS にアップしたり、クラウドに保存できたりするデータの扱いやすさだ。スマートフォンとの連携やアプリ機能の充実具合が求められる。登場したばかりのVlogカメラは、今後さらにニーズが増えていくはず。他社の動向にも注目したい。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。
〈文・写真〉柴田 誠