将来の高画素化を見据えた富士フイルムの大口径プライムシリーズとして、「XF33mmF1.4 R LM WR」が登場した。解像性能と開放F1.4の明るさにこだわり、静止画から動画まで高画質に描く新・標準レンズの実力に迫る。
50mm相当の画角と抜群の解像感が魅力
富士フイルムXシリーズが登場して10年目を迎えた2021年、巷では神レンズと称される「XF33mmF1.4 R LM WR」が登場した。35mm判換算50mm相当の画角にこだわり、普段見慣れている光景を切り取るのに適したレンズだ。
さっそく撮影してみると、まずは解像力の高さに驚かされる。そして、開放F1.4の浅い被写界深度によるボケとシャープなピント面が、被写体を際立たせてくれる。リニアモーターによるAFも素早く静かで気持ちがいい。最短撮影距離30cmまで寄れるので、テーブルフォトにも重宝しそうだ。
金属や塗装の質感を階調豊かに再現
このレンズの魅力は35mm判換算50mm相当の画角と抜群の解像感。絞れば絞るほど立体感が増していくように感じた。Xシリーズの色表現と優秀な階調再現により、目で見ているのとはまったく違う世界観が捉えられた。
被写体にグッと近づけばボケを生かせる
開放F1.4の柔らかい前ボケを生かして、ショーウインドーに飾られたミニカーを撮影。このレンズは30cmまで寄れるので、小物の撮影にも便利だ。また、ボケだけでなく解像力が高いので、ボケの中に主役が引き立つ。
すべての撮影距離で隅々まで高画質を追求
非球面レンズ2枚とEDレンズ3枚により、色収差や球面収差を抑制し、画面周辺部まで高い解像性能を追求。フォーカス群を一度に動かすことにより、最短から無限遠までの収差変動を抑制している。
次世代カメラの高画質を支える“10年後も使えるレンズ”
また、ブリージングが抑えられているので動画撮影にも適している。本体重量が360gと軽量なため、ジンバルに乗せた撮影にも使えそうだ。この先、10年後も使えるレンズとして、オススメしたい1本である。
手持ちスナップから動画まで軽快にこなす
「X-Pro3」にマッチするサイズ感。AFにはリニアモーターを採用し、「X-T4」との組み合わせで0.04秒の高速AFを実現しているという。ブリージングが少なく、動画撮影にも強そうだ。
オプションのフードでスタイリッシュに演出
樹脂製の丸形フードが付属する。またオプションとして、「XF33mmF1.4 R LM WR」と「XF23mmF1.4 R LM WR」の両レンズに対応する、アルミ削り出しの角型フード「LH-XF23 II」(税込 11,000円) も2022年2月に発売予定だ。
LH-XF23 II |
X-T4 装着例 |
富士フイルム フジノンレンズ XF33mmF1.4 R LM WR
発売日 2021年9月29日
希望小売価格 115,500円 (税込)
マウント 富士フイルムXマウント
焦点距離 33mm (35mm判換算 50mm相当)
開放絞り F1.4
最小絞り F16
レンズ構成 10群15枚 (非球面レンズ2枚、EDレンズ3枚)
画角 46.6°
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 30cm
最大撮影倍率 0.15倍
フィルター径 φ58mm
最大径×長さ φ67×73.5mm
質量 約360g