NIKKOR Zレンズの中で、もっとも焦点距離の長い超望遠レンズ「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」が、2022年4月22日に発売された。受注販売品のため、お目にかかる機会の少ない希少なレンズだが、ニコンプラザ東京で実際に触ることができた。
これが超望遠800mm!? 驚きのコンパクトさを実感
最近の新製品は、発表の直後からショールームで展示されるのが一般的になっている。ニコンの超望遠レンズ「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」も、正式発表された2022年4月6日からニコンプラザ東京とニコンプラザ大阪で先行展示が行われていた。
「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」は、Zレンズとして初めてPF (位相フレネル) レンズを使用した光学系を採用し、一眼レフ用レンズの「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」よりも約48%の軽量化を実現。全長は約16%の小型を達成した。レンズフードを装着してもこのサイズで、800mmのレンズとは思えない大きさだ。
焦点距離800mmのレンズで無理なく手持ち撮影ができる。レンズの操作性に大きく影響する重量バランスは、重心をボディ側に近づけることでレンズの重さが気になりにくくなっており、スムーズな撮影にも貢献している。装着したカメラは「Z 9」だ。
ちなみにニコンプラザ東京では、入館時に検温とアルコール消毒が必要だが、取材時点では予約の必要はなかった。スタッフは原則マスクを着用しており、カメラや展示物はこまめに消毒が行われている。
操作性をチェック!
さらに操作性を細かくチェック。鏡筒の表面には、広範囲にわたって滑り止めのラバーコーティングが施されている。コントロールリングは、手前のフォーカスリングとローレットのパターンが異なっているので、触った感触で違いが分かるようになっている。ファインダーを覗いたままで操作できるようにという配慮だ。
レンズをホールドした状態で操作できるファンクションボタン (L-Fn / L-Fn2) には、好みに合わせてさまざまな機能を割り当てできるようになっている。割り当てる機能はカメラ側で設定する。
組み込み式のフィルターは、レンズ鏡筒のマウント側に挿入するようになっている。フィルターサイズは46mmだ。
レンズフードは、スライド式のロックを採用する。アンロック状態にしてフードを回転させるだけで取り外しが可能。ネジ止め式ではないので、慣れれば片手で装着することができる。
三脚座には、1/4インチサイズ (小ネジ) と3/8インチサイズ (大ネジ) の2つのネジ穴が設けられている。ショールームでは、こうした細かい点までチェックして購入を検討できるのが大きなメリットだ。
「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」は、試し撮りした撮影データの持ち帰りができる。なお、ニコンプラザでは記録メディアの販売や貸し出しはしていないため、あらかじめ用意しておく必要がある。
「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」も触ってみた
「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」のすぐ脇には、2022年2月18日発売の「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」も展示されていた。こちらも体験して、800mmと操作性などを比べてみた。なお「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」は撮影データの持ち帰りはできなかった。
1.4倍のテレコンバーター内蔵、開放値F2.8ということもあって、「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」の重さは約2950g。「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」の約2385gよりもおよそ565gほど重い。
全長は2本ともほぼ同じ※だが、こちらの最大径は約156mmで、「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」の約140mmよりも太い。レンズフードはネジ止め式だ。
※「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」は全長約380mm、「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」は全長約385mm
1.4倍テレコンバーターが内蔵され、560mm相当の焦点距離で撮影することができる。フィルター挿入口の先に設けられた内蔵テレコンバーターはレバー切り替え式で、ロックを装備。さらに外付けテレコンバーターの装着もできる仕様になっている。