APS-Cサイズミラーレス専用設計のシグマ大口径F1.4シリーズが、富士フイルムXマウントに完全対応。スナップに適した広角・標準・中望遠の3本が揃った「16mm F1.4 DC DN | Contemporary」「30mm F1.4 DC DN | Contemporary」「56mm F1.4 DC DN | Contemporary」を「FUJIFILM X-Pro3」と組み合わせて試してみた。
大口径F1.4シリーズに待望のXマウントが登場
シグマのAPS-Cフォーマット用大口径F1.4シリーズ3本に富士フイルムXマウント用が追加された。すっきりとしたデザインで、レンジファインダースタイルのX-Pro系にも一眼レフスタイルのX-Tシリーズにも似合う。コンパクトなレンズなのでボディに装着して首から提げても、カメラがお辞儀しないのがいい。
レンズ補正機能を活用し高画質＆コンパクトを追求
この3本はカメラ内レンズ補正を使うことで、高画質とコンパクトさを両立しているという。大口径ならではのボケと、絞り開放から芯のある描写が得られ、滑らかにぼけていくアウトフォーカスが主役を際立たせてくれる。また、フレアやゴーストに配慮した設計に加え、スーパーマルチレイヤーコートを採用。逆付け可能なレンズフードは大型でありながらとても軽い。
防塵防滴に配慮
ステッピングモーターを搭載し、AFレスポンスが求められるスナップでも瞬時に対応でき、動画撮影にも向いている。また、フォーカスリングには薄いラバーが巻かれ、MF操作もしやすい。マウント部にはシーリングを強化するラバーを設けるなど、仕立ての良さが感じられるレンズだ。
純正のXFレンズとの違いは鏡筒に絞りリングがなく、ボディ側で操作すること。ダイヤルオペレーションに慣れている筆者は、使い始めは無意識に絞りリングを探していたが、ボディ側操作にもすぐに慣れた。
人気の標準ズーム「18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」もXマウント化に向けて開発中。富士フイルムXシリーズユーザーのレンズ選びの楽しさが広がった。
24mm相当の画角と大口径のボケを両立「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」で実写
発売日 2022年4月8日
参考価格 47,710円 (税込)
SPEC
[マウント] Xマウント [レンズ構成] 13群16枚 [最短撮影距離] 25cm [最大撮影倍率] 1：9.9 [フィルター径] φ67mm [絞り羽根] 9枚 (円形絞り) [最大径×全長] φ72.2×92.6mm [質量] 405ｇ
遠近感を強調した広角描写が気持ちいい
まっすぐに伸びる石畳の遠近感を強調した。ディストーションがなく、広角レンズであることを意識せず撮影できる。24mm相当の画角を生かして雄大な景色を見たままに写したり、狭い室内を撮影したりするのにも使いやすいレンズだ。
被写体にグッと迫り大きなボケを生かす
テールを残した自然なボケ味がこのレンズの持ち味だ。絞り開放から芯のある描写でピント位置が際立つ。最短撮影距離は25cmと短くマクロレンズのような使い方もできる。
軽快に撮影できるコンパクトな標準レンズ「SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary」で実写
発売日 2022年4月8日
参考価格 39,600円 (税込)
SPEC
[マウント] Xマウント [レンズ構成] 7群9枚 [最短撮影距離] 30cm [最大撮影倍率] 1：7 [フィルター径] φ52mm [絞り羽根] 9枚 (円形絞り) [最大径×全長] φ64.8×73.6mm [質量] 275ｇ
雰囲気のあるスナップがカメラ任せで楽しめる
穏やかな風に揺れる幕の動きは予想できない。フォーカスはカメラ任せで風の気配を感じたらシャッターを切る。柔らかな描写と標準レンズとしてはやや広い画角が特徴で、スナップやポートレートにオススメだ。
キレとボケが楽しめるクラス最小の中望遠「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」で実写
発売日 2022年4月8日
参考価格 47,770円 (税込)
SPEC
[マウント] Xマウント [レンズ構成] 6群10枚 [最短撮影距離] 50cm [最大撮影倍率] 1：7.4 [フィルター径] φ55mm [絞り羽根] 9枚 (円形絞り) φ66.5×59.8mm [質量] 280ｇ
美しく大きなボケが桜の花を印象的に捉える
桜をクローズアップで撮影すると背景の枝が気になり始めるが、とろけるようなボケがアウトフォーカスの煩わしさから解放してくれる。円形絞りを採用し、絞っても美しいボケが期待できる。ポートレートにも適した中望遠レンズだ。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。
※本レポートは『CAPA』2022年5月号掲載の記事を再構成したものです。撮影にはベータ機を使用しています。