特集

10代・20代が上位を席巻! フレッシュなパワーみなぎる写真に注目「流し撮りGP 2026」第6戦の結果発表

CAPA流し撮りGP2026第6戦

CAPAのモータースポーツフォトコンテスト「流し撮りGP 2026」第6戦の結果を発表します。

若さならではの着想と思い切りの良さが新鮮

今月は図抜けた存在感のブッチギリ作品には出会えず、作品のインパクトとしては平凡な1戦でした。しかし、派手さはなくても緻密でていねいな画面構成で創り込まれた中谷洋さんのモトクロス作品が優勝するとともに、若いパワーが上位に並びました。粗削りで洗練さには欠けますが、若さならではの着想と思い切りの良さは新鮮です。

〈流し撮りGP審査委員長〉小林 稔 (日本レース写真家協会 [JRPA] 会長)

GP1位「残照の軌跡」中谷 洋

GP1位「残照の軌跡」中谷 洋
キヤノン EOS R1 RF70-200mm F2.8 L IS USM Z + RF1.4x Tvモード (1/2000秒 F4) ISO250 WB : オート 2026 SUPER GT 名阪スポーツランド

作者コメント
撮影時は風が弱く、コースに滞留した細かな砂埃が、西日と林で遮られた陰影に照らされて降りそそいでいました。そんなシーンに新たな砂を巻き上げながら疾走してくる大倉選手を撮影しました。巻き上がる砂塵で前ボケを作りつつ、背景の後ろボケも入れて遠近感を出しました。太陽の位置も計算済みでしたので、思い通りの1枚になりました。

小林 稔 審査委員長の講評
作者・中谷さんのコメントどおり、画面内にはたくさんの要素が配置されています。それでもこの写真が輝いて見える理由は「ライダーが主役の写真」として画面構成されていることです。脇役は、背景 (右上) の柔らかい光の帯、手前 (左下) に巻き上がる砂煙。主役のライダーとマシン部はきっちりとシャープにフォローされて、フォーカスも露出もピタリ! その周囲にはボケと流れで整えられた脇役たちが主役を明確に際立てている。そんな「流し撮りの基本分担」で明確に構成されているからです。「砂」というモトクロス撮影の基本環境を写真的に生かしきった作品。時間をかけて眺めるほどに「良い写真」であることが見えてきます。

流し撮りGP賞品

GP2位「夜間のかっこよさ」堀田拓哉 (ルーキー応募)

GP2位「夜間のかっこよさ」堀田拓哉 (ルーキー応募)
キヤノン EOS R6 Mark II RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM Mモード (1/200秒 F6.3) ISO20000 WB : オート 2026 IGTC 鈴鹿 1000km 鈴鹿サーキット (NISSINブレーキ ヘアピン)

作者コメント
車両前方に広がるヘッドライトの光と後方のレインライトが路面を照らし、また排気管が赤くなる様子がかっこいい!!

小林 稔 審査委員長の講評
「白・黄・赤・黒」がシンプルに絡み合ったグラフィックとしての面白さが際立ちます。撮影感度ISO20000という夜の高速流し撮りは、最新カメラの高性能を生かした今日的な作品でもあります (23歳の作者ならではの新感覚!?)。右側の黒いスペースに文字を入れてポスター調にデザインしてみたくなるような「スポーツの迫力とは違う魅力」を感じます。

GP3位「狭間」矢嶋海斗 (ルーキー応募)

GP3位「狭間」矢嶋海斗 (ルーキー応募)
ニコン D4S AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR Mモード (1/200秒 F8) ISO100 WB : オート 一脚 2026 TGR HAAS F1 TPC 富士スピードウェイ (ホームストレート)

作者コメント
富士のホームストレートを駆け抜けるHAASのマシンです。躍動感があるように、ホイールから上半分だけを見せた構図で撮影しました。

小林 稔 審査委員長の講評
真上からのトップライトを意識した切り詰め露出で、マシン天面部のみを描写。結果的に背景のスタンド群も、前景のバリア類も、天面部以外は黒くツブレたハイライト優先の画面構成となり、硬質 (ソリッド) でスパルタンな印象に仕上がりました。まだまだ乱暴だけど「18歳フォトグラファーの思い切り (!?)」を感じます。

GP4位「前へ」松﨑智哉 (ルーキー応募)

GP4位「前へ」松﨑智哉 (ルーキー応募)
キヤノン EOS R10 EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM Mモード (1/8秒 F7.1) ISO100 WB : オート 2026 SUPER FORMULA スポーツランドSUGO (最終コーナー)

作者コメント
SUGOの最終コーナーを駆け上がるマシンを横から狙いました。

小林 稔 審査委員長の講評
新鮮なフレーミングと大胆な流し撮りで、見たことのないSUGO最終コーナーのスピードを表現しようとする勢いを感じます。計算された洗練ではなく、「前へ」という21歳フォトグラファーの「がむしゃらな前進感」に好感を持ちました。

GP5位「Flat-out」細谷彰悟 (ルーキー応募)

GP5位「Flat-out」細谷彰悟 (ルーキー応募)
キヤノン EOS R3 RF70-200mm F2.8 L IS USM Z Mモード (1/80秒 F2.8) ISO100 WB : オート 2026 TGR Haas F1 TPC 富士スピードウェイ (ホームストレート)

作者コメント
富士スピードウェイのホームストレートを全開で駆け抜けていく坪井翔選手とVF-25。限られた走行時間の中、ホームストレートが向かい風となる不利な状況のアタックでしたが、ファインダー越しに坪井選手の高揚感と満足感が感じられました。

小林 稔 審査委員長の講評
「赤・白・黒」のシンプルな色彩配備が鮮烈。画面内のすべてを照らし出すトップからの順光線が、高インパクトな鮮やかさをプレゼントしてくれました。晴天のこの場所でカメラを構えると「皆が撮りたくなる画面」であることがうかがえます!

GP6位「水幕切り裂いて」鹿島香織 (ルーキー応募)

GP6位「水幕切り裂いて」鹿島香織 (ルーキー応募)
ソニー α7R V FE 70-200mm F2.8 GM OSS II Mモード (1/500秒 F4.5) −0.7補正 ISO100  2026 SUPER FORMULA LIGHT スポーツランドSUGO (ホームストレート)

作者コメント
雨が降りしきるスタートです。屋根のないSUGOのグランドスタンドには観客が少ない瞬間でした。そんなチャンスを生かして、スタンド最前列でカメラ構えてスタンディングスタートを撮影しました。前走車が巻き上げるウォータースクリーンから飛び出して競り合う2台です。スタートシーンをこれほど間近で撮影できるサーキットは、ほかにありません!

小林 稔 審査委員長の講評
いつものとおり、まさに「レースしている写真」が作者・鹿島さんの個性です。撮影場所、距離、フレーミング、シャッター速度、天候など、すべての計算が狙いどおりに結実した「レースの瞬間記録」に仕上がっているのがイイ!

GP7位「Attack」細野 勉

GP7位「Attack」細野 勉
ニコン D5 AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR Mモード (1/200秒 F8) ISO50 WB : 昼光 2026 全日本モトクロス 名阪スポーツランド

作者コメント
トップタイムをマークしたジェイ・ウィルソン選手、迫真の予選アタックです。手を伸ばせば届きそうな距離を走り抜ける名阪のコースサイドは、迫力満点でした。

小林 稔 審査委員長の講評
美しく整理された背景ボケと、流れの中に浮かぶきわめてシャープな疾走の姿。正確な被写体フォロー技術が、まるで人物ポートレートのように整った美しい流し撮り作品を支えています。一見何でもないように感じるけれど、とても大切な撮影技術で高レベルな作品に仕上げる力量は「さすがチャンピオン経験者!」の実力です。

GP8位「Exhaust HEAT」近藤俊英 (ルーキー応募)

GP8位「Exhaust HEAT」近藤俊英 (ルーキー応募)
キヤノン EOS R7 EF300mm F2.8L IS II USM + EF2×III Mモード (1/125秒 F6.3) ISO125 WB : オート 可変NDフィルター 2026 SUPER GT タイヤテスト 鈴鹿サーキット(Astemoシケイン)

作者コメント
シケインからの立ち上がりです。後方に揺れる排気熱の陽炎 (かげろう) で力強さを感じることができました。

小林 稔 審査委員長の講評
S-GTマシンのエネルギー、力強さ、凄さがストレートに伝わってきます。正確な被写体フォロー、フォーカス、露出、光線、陽炎、縁石など、すべての要素が「正調レーシングカー写真」を訴求していて、走りの迫力表現に直結しているのがイイ。

■流し撮りGP 2026 年間ランキング

→ ランキング表 (第6戦終了時点)

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