
CAPAのモータースポーツフォトコンテスト「流し撮りGP 2026」第6戦の結果を発表します。
若さならではの着想と思い切りの良さが新鮮
今月は図抜けた存在感のブッチギリ作品には出会えず、作品のインパクトとしては平凡な1戦でした。しかし、派手さはなくても緻密でていねいな画面構成で創り込まれた中谷洋さんのモトクロス作品が優勝するとともに、若いパワーが上位に並びました。粗削りで洗練さには欠けますが、若さならではの着想と思い切りの良さは新鮮です。
〈流し撮りGP審査委員長〉小林 稔 (日本レース写真家協会 [JRPA] 会長)
GP1位「残照の軌跡」中谷 洋

作者コメント
撮影時は風が弱く、コースに滞留した細かな砂埃が、西日と林で遮られた陰影に照らされて降りそそいでいました。そんなシーンに新たな砂を巻き上げながら疾走してくる大倉選手を撮影しました。巻き上がる砂塵で前ボケを作りつつ、背景の後ろボケも入れて遠近感を出しました。太陽の位置も計算済みでしたので、思い通りの1枚になりました。
小林 稔 審査委員長の講評
作者・中谷さんのコメントどおり、画面内にはたくさんの要素が配置されています。それでもこの写真が輝いて見える理由は「ライダーが主役の写真」として画面構成されていることです。脇役は、背景 (右上) の柔らかい光の帯、手前 (左下) に巻き上がる砂煙。主役のライダーとマシン部はきっちりとシャープにフォローされて、フォーカスも露出もピタリ! その周囲にはボケと流れで整えられた脇役たちが主役を明確に際立てている。そんな「流し撮りの基本分担」で明確に構成されているからです。「砂」というモトクロス撮影の基本環境を写真的に生かしきった作品。時間をかけて眺めるほどに「良い写真」であることが見えてきます。

GP2位「夜間のかっこよさ」堀田拓哉 (ルーキー応募)

作者コメント
車両前方に広がるヘッドライトの光と後方のレインライトが路面を照らし、また排気管が赤くなる様子がかっこいい!!
小林 稔 審査委員長の講評
「白・黄・赤・黒」がシンプルに絡み合ったグラフィックとしての面白さが際立ちます。撮影感度ISO20000という夜の高速流し撮りは、最新カメラの高性能を生かした今日的な作品でもあります (23歳の作者ならではの新感覚!?)。右側の黒いスペースに文字を入れてポスター調にデザインしてみたくなるような「スポーツの迫力とは違う魅力」を感じます。
GP3位「狭間」矢嶋海斗 (ルーキー応募)

作者コメント
富士のホームストレートを駆け抜けるHAASのマシンです。躍動感があるように、ホイールから上半分だけを見せた構図で撮影しました。
小林 稔 審査委員長の講評
真上からのトップライトを意識した切り詰め露出で、マシン天面部のみを描写。結果的に背景のスタンド群も、前景のバリア類も、天面部以外は黒くツブレたハイライト優先の画面構成となり、硬質 (ソリッド) でスパルタンな印象に仕上がりました。まだまだ乱暴だけど「18歳フォトグラファーの思い切り (!?)」を感じます。
GP4位「前へ」松﨑智哉 (ルーキー応募)

作者コメント
SUGOの最終コーナーを駆け上がるマシンを横から狙いました。
小林 稔 審査委員長の講評
新鮮なフレーミングと大胆な流し撮りで、見たことのないSUGO最終コーナーのスピードを表現しようとする勢いを感じます。計算された洗練ではなく、「前へ」という21歳フォトグラファーの「がむしゃらな前進感」に好感を持ちました。
GP5位「Flat-out」細谷彰悟 (ルーキー応募)

作者コメント
富士スピードウェイのホームストレートを全開で駆け抜けていく坪井翔選手とVF-25。限られた走行時間の中、ホームストレートが向かい風となる不利な状況のアタックでしたが、ファインダー越しに坪井選手の高揚感と満足感が感じられました。
小林 稔 審査委員長の講評
「赤・白・黒」のシンプルな色彩配備が鮮烈。画面内のすべてを照らし出すトップからの順光線が、高インパクトな鮮やかさをプレゼントしてくれました。晴天のこの場所でカメラを構えると「皆が撮りたくなる画面」であることがうかがえます!
GP6位「水幕切り裂いて」鹿島香織 (ルーキー応募)

作者コメント
雨が降りしきるスタートです。屋根のないSUGOのグランドスタンドには観客が少ない瞬間でした。そんなチャンスを生かして、スタンド最前列でカメラ構えてスタンディングスタートを撮影しました。前走車が巻き上げるウォータースクリーンから飛び出して競り合う2台です。スタートシーンをこれほど間近で撮影できるサーキットは、ほかにありません!
小林 稔 審査委員長の講評
いつものとおり、まさに「レースしている写真」が作者・鹿島さんの個性です。撮影場所、距離、フレーミング、シャッター速度、天候など、すべての計算が狙いどおりに結実した「レースの瞬間記録」に仕上がっているのがイイ!
GP7位「Attack」細野 勉

作者コメント
トップタイムをマークしたジェイ・ウィルソン選手、迫真の予選アタックです。手を伸ばせば届きそうな距離を走り抜ける名阪のコースサイドは、迫力満点でした。
小林 稔 審査委員長の講評
美しく整理された背景ボケと、流れの中に浮かぶきわめてシャープな疾走の姿。正確な被写体フォロー技術が、まるで人物ポートレートのように整った美しい流し撮り作品を支えています。一見何でもないように感じるけれど、とても大切な撮影技術で高レベルな作品に仕上げる力量は「さすがチャンピオン経験者!」の実力です。
GP8位「Exhaust HEAT」近藤俊英 (ルーキー応募)

作者コメント
シケインからの立ち上がりです。後方に揺れる排気熱の陽炎 (かげろう) で力強さを感じることができました。
小林 稔 審査委員長の講評
S-GTマシンのエネルギー、力強さ、凄さがストレートに伝わってきます。正確な被写体フォロー、フォーカス、露出、光線、陽炎、縁石など、すべての要素が「正調レーシングカー写真」を訴求していて、走りの迫力表現に直結しているのがイイ。
■流し撮りGP 2026 年間ランキング
流し撮りGP 2026 第6戦 予選通過作品
予選通過「勝利へのオーラ」市川貴英 (ルーキー応募)

作者コメント
2317コーナーでの公式練習走行の8号車です。プレリュード勢が好調の中、8号車の勝利への執念を感じさせる1枚が撮れました。
予選通過「闇を駆ける残光」小林祐太

作者コメント
ヘッドライトが行き先を照らしている様子を撮影したくて、レース終盤のスプーンカーブで粘りました。電飾を点けてリアのレインライトを点灯させていたポルシェを被写体として撮影。狙った通りの写真が撮影できました。
予選通過「GO RUN !」鈴木幸男

作者コメント
スタートから約5時間半を経過して、終盤戦をひた走る後ろ姿です。ヘアピンを立ち上がる姿を、ギリ縁石が入るポイントまで粘り、スローで捉えました。
予選通過「オーバーテイク!」古田正貴

作者コメント
S-GT第4戦 富士、終盤のダンロップコーナー、先行37号車の一瞬の隙を捉えてスペースにすべり込む8号車。ボディが当たるかと思われるギリギリのサイド・バイ・サイド。このオーバーテイクの成功により「プレリュードGT」は初の1-2位フィニッシュを決めた!
予選通過「雪辱」細井 渉

作者コメント
13番グリッドから追い上げ、最終ラップの激闘を制した尾野選手。拳を突き上げる姿、表情に、喜びと達成感が表れていた。
予選通過「全開の証」安藤眞哉 (ルーキー応募)

作者コメント
かつてないほど激しい火花を散らしながら、1コーナーに全開で飛び込むスープラを捉えました。
予選通過「光の中を」米倉邦彦 (ルーキー応募)

作者コメント
鈴鹿1000kmも終盤、グランドスタンドのファンはネオンライトを手にチェッカーの瞬間を待ち受けます。マシンは、最後尾スタートから5位まで追い上げたクラフトバンブー。健闘に拍手!
予選通過「恐竜出没注意」千葉康永 (ルーキー応募)

作者コメント
スプーンカーブを駆け抜ける限定リバリーのマシンを撮影しました。
予選通過「明日へのドア」井澤 諒 (ルーキー応募)

作者コメント
予選アタック中の1枚です。翌日の決勝に向けて、コースを最大限に攻める車両を捉えました。車体の明暗が夏の午後の様子を醸し出し、巻き上げた砂塵が限界を攻めている姿を彷彿とさせる写真になったと思います。
予選通過「迫力のHAAS F1」清水 啓

作者コメント
天候はウェットコンデションになり、F1マシンの迫力あるシーンを探し求めてこの撮影場所を選びました。シャッタースピードは水しぶきの出方を見ながら決めました。
予選通過「Deep Forest」佐々木颯大

作者コメント
異国情緒あふれる海外レースのようなシーンを目指して、深い森の中を疾走するイメージをもって撮影しました。
予選通過「猛攻」森 康彦 (ルーキー応募)

作者コメント
縁石ギリギリを攻めていく姿をスローで撮影しました。疾走感を出すのと、ヘルメットができるかぎりブレないようにして、ライダーの真剣な眼差しが垣間見えるように撮影しました。
予選通過「ナイトアタック」南部 司 (ルーキー応募)

作者コメント
スピードがのった状態でコーナーへ飛び込み、底打ちしながら火花を散らすマシンを捉えました。必ずしも毎ラップで火花が出るわけではなく、暗闇から飛び出してくる瞬間を何周もトライして粘り強く撮影しました。
予選通過「雫」松本康吉

作者コメント
フル加速の水野選手。とにかく速いので必死でカメラを振りました。スクリーンから飛び散る雫を捉えることができました。
予選通過「夏風」野中翔平

作者コメント
空の色、木々の緑と、夏の鈴鹿を駆け抜けるマシンを撮影しました。
予選通過「シンクロ」曽我 博 (ルーキー応募)

作者コメント
予選でコースレコードを記録した17号車を、チームメイトの2号車が鮮やかに抜き去る瞬間をシケインで捉えました。
予選通過「勝利の目前」小原大志 (ルーキー応募)

作者コメント
優勝が決まる直前のマシン。ズームしながら流し撮りをすることで、広がりのある軌跡を写し出すことができます。
予選通過「蒼き閃光」成瀬倫也 (ルーキー応募)

作者コメント
逆バンクへの飛び込みを、彗星流しでスピード感を出して撮りました。
CAPA「流し撮りGP 2026」エントリー受付中!
CAPA編集部では、サーキットの写真ファンを応援するフォトコンテスト「流し撮りGP」を開催しています。モータースポーツの流し撮り作品をどしどしご応募ください! 毎戦の1位には賞品をお贈りします。
流し撮りGP 2026 開催日程
第1戦 4月15日締切・5月20日発表
第2戦 5月15日締切・6月20日発表
第3戦 6月15日締切・7月19日発表
第4戦 7月15日締切・8月20日発表
第5戦 8月15日締切・9月20日発表
第6戦 9月15日締切・10月20日発表
第7戦 10月15日締切・11月20日発表
第8戦 11月23日締切・12月20日発表
■発表
「CAPA CAMERA WEB」にて
→ これまでの入賞作品と予選通過作品
流し撮りGP レギュレーション
■応募形態
WEB応募のみ。こちらの応募フォームからご応募ください。
※プリントによる応募はできません。ご注意ください。
■応募点数
1人1戦3点まで。単写真作品のみ (組写真不可)。
■審査委員長
小林 稔 先生 (日本レース写真家協会 [JRPA] 会長)

■1位賞品
Nextorage メモリーカード 64GB
■審査について
流し撮りの迫力や撮影技術などを総合的に審査します。
※背景描写の流れ度合を競うものではありません。
- 流し撮り=移動する被写体をカメラを振りながら追い写しした写真
- 高速シャッターの流し撮り (背景描写が流れていない)
- 低速シャッターの流し撮り (背景描写が大きく流れている)
どちらも「流し撮り」としてその完成度を審査します。
■ポイントについて
毎戦の入賞者にはポイントが与えられます。
(1位=10点、2位=8点、3位=6点、4位=5点、5位=4点、6位=3点、7位=2点、8位=1点、予選通過=1点)
- ルーキー応募者=前年度の入賞ポイントがなかった人が初入賞した場合にはルーキーポイント3点が加算されます。(歴代年間チャンピオン獲得者を除く)
- CAPA応援ドライバーがメインに写っている2026年シーズン作品で入賞すると、ボーナスポイント1点が加算されます。
■撮影場所
入場券が販売されている一般観戦場所から撮影された作品に限ります。
※報道エリア、特別ゲストエリア、レース競技者 (関係者) エリアなど、一般観客が立ち入ることができない特別エリアから撮影した作品は審査の対象としません。一般のチケットを購入して撮影できる場所からの作品をご応募ください。
CAPA「流し撮りGP」は3人のレーシングドライバーを応援しています

佐藤 蓮 (さとう れん) 選手
SUPER FORMULA #64 : PONOS NAKAJIMA RACING
SUPER GT #16 : ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT (Honda HRC PRELUDE-GT)
三宅 淳詞 (みやけ あつし) 選手
SUPER GT #24 : KONDO RACINGリアライズコーポレーションZ (Nissan Z NISMO GT500)
荒 聖治 (あら せいじ) 選手
GT WORLD CHALLENGE Asia #5 : PLUS with BMW M Team Studie (BMW M4 GT3 EVO)