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シグマ 新開発Lマウントを自社製カメラでも採用。第1弾は2019年内に発表

ライカカメラ、パナソニック、シグマの3社が「Lマウントアライアンス」と名付けられた戦略的協業をするという発表があった、フォトキナ2018(2018年9月26日〜29日 ドイツ・ケルン)開催前日プレスデーの夜。会場を移してシグマのプレスイベントが開催された。

Photokina2018:SIGMA

プレスイベントとは言っても、シグマのディーラーやディストリビューターなども招待して、シグマの新製品を紹介する催しで、フォトキナでは恒例となっているイベントでもある。
 

■新製品はビール!?

Photokina2018:SIGMA

冒頭、「フルサイズミラーレスが注目を集めるフォトキナだが、当社でも新製品の発表がある」と山木和人シグマ代表取締役社長が切り出し、最初に発表したのは会場で飲まれていたオリジナルのシグマビール。一気に会場の雰囲気が和んだ。

Photokina2018:SIGMA
 

■会津工場にマグネシウム加工の専用棟を新設

製品に先立って発表されたのは、会津工場の敷地内に、新たにマグネシウム加工を行うためのマグネシウム専用加工棟を開設し、稼働を開始しているということだった。これにより、レンズの軽量化・堅牢性の両立に不可欠なマグネシウム部品を安定して調達できるようになるのだという。また、内製化して一貫生産することで、製品開発をスピーディに、フレキシブルにでき、高品質・高精度な部品をリーズナブルに調達できるなど、ユーザーのメリットも大きのだという。

Photokina2018:SIGMA
 

■シグマの「Lマウントアライアンス」戦略は?

また、ライカ、パナソニックとの協業を発表した「Lマウントアライアンス」についても、山木社長からシグマの戦略が発表された。

Photokina2018:SIGMA

シグマとしては、今回でのフォトキナではLマウント製品の発表はないものの、具体的な6点のポイントが示された。

1つ目は、新しいFoveonセンサーのフルサイズ(フルフレーム)、Lマウントのカメラを2019年に出すということ。

2つ目は、SAマウントのカメラは今後出さないということ。フルサイズミラーレスカメラの開発にあたり、3社でパートナーシップを結ぶことにより、メーカーの垣根を超えた拡張性の高い撮影システムを実現できるとし、今後シグマが開発する全てのレンズ交換式カメラはLマウントシステムを採用することになり、新規でSAマウントカメラの開発は行わないということだ。

3つ目は、SAマウントのレンズ開発は継続していくということ。SAマウントのカメラの開発は行わないものの、これまでのSAマウントユーザーを切り捨てることなく、次世代のカメラを作っていくということを表明したことになる。

また4つ目として、マウントアダプターの開発について、シグマレンズ対応のSA-Lマウントアダプター、キヤノンEFレンズ対応のEF-Lマウントアダプターを2019年に出すことも明らかにした。

5つ目が、Lマウントのレンズを2019年から出すこと。早ければCP+2019(2/28〜3/3に日本で開催される展示会)かフォトキナ2019(5/9〜11にドイツで開催)にはシグマのLマウントレンズがお目見えするかもしれない。

そして6つ目として、従来のレンズをLマウントレンズに変換するマウントコンバージョンサービスを2019年から開始することも明らかになった。現在、フランジバックの短いソニーEマウントを数多くラインナップしているシグマにとっては、難しいことではないのかもしれない。

マウントアダプターは、シグマレンズ対応のSA-Lマウントアダプター、キヤノンEFレンズ対応のEF-Lマウントアダプターが開発中だ。

Photokina2018:SIGMA
 

 

〈写真・文〉柴田 誠