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目に見えない空気を写真で表現した作品が写真新世紀2018グランプリ受賞

キヤノンが主催する「写真新世紀2018年度(第41回公募)」のグランプリが、ソン・ニアン・アンさんに決定した。

 

写真新世紀2018グランプリ「Hanging Heavy On My Eyes」ソン・ニアン・アン

ソン・ニアン・アンさんのグランプリ受賞作品「Hanging Heavy On My Eyes」
 

 

「写真新世紀」は、写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的として、キヤノンが主催する文化支援プロジェクト。今回は2018年4月18日から6月13日まで募集を行い、国内外から合計1,992名(組)の応募があった。

今年7月には優秀賞選出審査会が開催され、審査員が優秀賞受賞者7名と佳作受賞者12名を選出。そして、11月2日(金)に行われたグランプリ選出公開審査会で、優秀賞受賞者7名の中から審査員の合議により、ソン・ニアン・アンさんのグランプリ受賞が決定した。

 

写真新世紀2018優秀賞受賞者

優秀賞受賞者7名
 

 

グランプリ受賞作品の「Hanging Heavy On My Eyes」は、隣接するインドネシアの森林火災による煙霧の影響を受けているシンガポールで、日々発表される大気汚染指標(PM2.5)をモチーフにしたもの。その記録を暗室で印画紙に焼き付けながら、少しずつ変化を示す銀塩写真に作りあげ、目に見えない空気を可視化した。

 

写真新世紀2018グランプリ受賞者ソン・ニアン・アンさん

ソン・ニアン・アンさん
 

 

審査員のひとり、エミリア・ヴァン・リンデンさんは、
「グランプリ受賞作品は、今日の写真と、アーティスト達がいかに伝統的な手法から離れ、写真の限界を押し広げているかを、よく反映していると思います。同時に、写真が優れた芸術の一部となり、写真という一つの媒体として切り離されたものではなくなりつつあることも示しています。そのため、今回のプロジェクトは、写真という媒体を探求する先進的な手法を、明確に反映したものであると考えています。」(抄訳)
とコメントしている。
 

グランプリ作品を含む優秀賞および佳作受賞作品は、2018年11月25日(日)まで開催中の「写真新世紀展2018」で見ることができる。

 

■写真新世紀展2018

会期 2018年10月27日(土)~11月25日(日)
会場 東京都写真美術館 地下1階展示室
住所 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間 10:00~18:00(木曜・金曜は20:00まで 入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜(祝日の場合は開館し、翌平日休館)
入場料 無料
主催 キヤノン株式会社