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1票差の超接戦!カメラグランプリ2019大賞は「LUMIX S1R」に決定

カメラ記者クラブが選定する「カメラグランプリ2019」の各賞が決定。大賞はパナソニックのフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1R」が受賞した。

 

カメラグランプリ2019

 
数十年に一度のマウント変更を行なったキヤノン、ニコンをはじめ、各社から主力モデルが続々と発売されたこの1年。2018年度に発売されたカメラを対象に選考が行なわれた「カメラグランプリ2019」は過去にない超接戦だった。

 
ニコン vs キヤノンの戦いにパナソニックが参戦!

今年は、当初、ニコンとキヤノンが初めて手掛けたフルサイズミラーレス同士の一騎打ちになるかと思われていた。そんななか、パナソニックがフルサイズミラーレスを3月末発売に間に合わせてきたことで三つ巴のバトルに発展。さらに「キヤノン EOS RP」が加わったことで、予想は困難を極めた。

結果は、わずか1票差で「ニコン Z 7」を退けた「LUMIX S1R」が見事大賞を受賞。ちなみにパナソニックのカメラグランプリ大賞受賞は今回が初めて。長らくマイクロフォーサーズ機を手掛けてきた同社初のフルサイズということで、昨年の「Photokina(フォトキナ)2018」での発表以降、多くの注目を集めてきたが、スチル性能に特化した同社の「LUMIX G9 PRO」同様の手堅いつくりが評価を受けることとなった。これでミラーレス機のグランプリ大賞受賞は4年連続。ミラーレス時代への完全移行を実感した人も多いだろう。

 
ソニーが初のレンズ賞を受賞

「レンズ賞」を制したのは「ソニー FE 24mm F1.4 GM」。すでに27本ものフルサイズ用レンズをリリースしてきたソニーだが、レンズ賞の受賞は実は今回が初めて。最高性能を謳うGマスターレンズがついに頂点を極めた。

 
カメラ記者クラブ賞は唯一無二な2製品
「カメラ記者クラブ賞」は「タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD」と「リコー GR III」が受賞。どちらも他社にはない唯一無二なプロダクトである点が評価された。

 
マイクロフォーサーズだって負けてない
また、「あなたが選ぶベストカメラ賞」は「オリンパス OM-D E-M1X」が受賞し、フルサイズ一辺倒の潮流に待ったをかける格好となった。

 

■カメラグランプリ2019 大賞

パナソニック LUMIX S1R
カメラグランプリ2019 大賞:パナソニック LUMIX S1R

一眼レフ機並みの大きさ・重量がマイナス要因となるかと思いきや、カメラとしての実力が高く評価され、見事に大賞を受賞。47.3メガの圧倒的な解像感、フルサイズでは最強レベルの手ブレ補正、顔・瞳AFなどの完成度はもちろん、使いやすいボタンレイアウトやファインダーの見えやすさなどについてもきちんと評価を受けた格好だ。

 

■カメラグランプリ2019 レンズ賞

ソニー FE 24mm F1.4 GM
カメラグランプリ2019 レンズ賞:ソニー FE 24mm F1.4 GM

こちらも大賞同様、2位とわずか5点差で接戦となったレンズ賞だが、「大きく・重たい」レンズが幅を利かせる時代において、「ソニー FE 24mm F1.4 GM」はその明るさにも関わらず、手ごろなサイズ・重量に収まっていた。もちろん画質は折り紙つきのGマスター。

 

■カメラグランプリ2019 あなたが選ぶベストカメラ賞

オリンパス OM-D E-M1X
カメラグランプリ2019 あなたが選ぶベストカメラ賞:オリンパス OM-D E-M1X

大賞の投票結果でも3位に入り、その存在感を見せつけた「オリンパス OM-D E-M1X」。エンジン2基掛けによるインテリジェント被写体認識AFやライブNDなど、基本性能は「OM-D E-M1 Mark II」と大きく変わらないながらも機動力を大幅にアップ。ちなみに2年前は「OM-D E-M1 Mark II」が大賞を受賞している。

 

■カメラグランプリ2019 カメラ記者クラブ賞

リコー GR III
カメラグランプリ2019 カメラ記者クラブ賞:リコー GR III

タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD
カメラグランプリ2019 カメラ記者クラブ賞:タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD

実はレンズ交換式のカメラに混じって地道に点数を集めた「リコー GR III」。選考委員の中にもファンが多く、先代からブラッシュアップされた点を皆が評価。また、「タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD」は開放F2.8という大口径ながら、コンパクトかつ低価格に抑えたレンズメーカーならではの商品企画が多くの支持を集めた。

 

 

カメラグランプリとは?

「カメラグランプリ」は、写真・カメラ媒体が加盟するカメラ記者クラブ(2019年4月現在で10媒体が加盟)が主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと、選考委員を組織している。選考委員は、カメラ記者クラブ会員、加盟雑誌編集長または代表者、外部選考委員、特別選考委員、および特別会員のTIPA(欧州を中心に16カ国28媒体およびカメラ記者クラブが加盟する写真・映像雑誌の団体)で構成。36回目の開催となる今回は、総勢55名が選考にあたった。

「カメラグランプリ2019」の選考対象は、2018年4月1日~2019年3月31日の1年間に日本国内で新発売された機種。もっとも優れたスチルカメラを選定して表彰する「大賞」、もっとも優れたレンズを選定して表彰する「レンズ賞」、カメラ記者クラブメンバーの合議によって選定する「カメラ記者クラブ賞」、一般ユーザーの投票で決定する「あなたが選ぶベストカメラ賞」が設けられている。