オリンパスは、「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II」の後継モデル「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III」を2019年11月下旬に発売する。カラーはシルバーとブラックの2色。価格はオープンで、オリンパスオンラインショップの価格は、ボディが162,800円、14-150mm II レンズキットが195,800円(いずれも税込)。
<2019.11.12> 発売日が2019年11月22日に決定。
<2020.6.20> 12-45mm F4.0 PROキットを2020年6月26日に発売。
「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III」は、防塵・防滴構造を備えたマイクロフォーサーズシステムのミラーレスカメラ。上位モデル「OM-D E-M1 Mark II」に匹敵する画質性能とAF性能を備え、新開発のボディ内5軸手ブレ補正機構や多彩な撮影機能を搭載する。手持ちでの高画質な4K動画記録も可能で、幅広いシーン・被写体で本格的な撮影を軽快に行うことができる。
■防塵・防滴構造の小型・軽量ボディ
小型のバッテリー「BLS-50」を採用し、システム全体での小型・軽量化を達成している。手ブレ補正ユニットをはじめとするパーツの小型化と高密度実装、消費電力の大幅な改善によるものだ。センサーは「OM-D E-M1 Mark II」と同じ約2037万画素のLive MOSセンサーで、画像処理エンジンには最新の「TruePic VIII(トゥルーピック エイト)」を搭載する。
ボディ各部にはシーリングが施され、高い防塵・防滴・耐低温性を備える。イメージセンサーフィルターを振動させてゴミやホコリを除去するSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)も搭載されており、ゴミやホコリによるトラブルを大幅に低減する。
また、ファインダー部分に「オリンパス OM-1」 を彷彿とさせるデルタカットを採用。高級感を感じさせるフォルムとなっている。グリップ部が大きくなり、背面のサムレストと合わせることでホールディング性も向上している。
■上位モデルと同等の121点オールクロス像面位相差AF
「OM-D E-M1 Mark II」と同じ、121点オールクロス像面位相差AFを搭載。絞り開放から被写体の模様に左右されない高精度な高速フォーカシングを実現する。さらにアルゴリズムの改良により、遠近の被写体が混在するシーンでも背景抜けを起こしにくくなっている。
AF/AE追従で最大10コマ/秒の高速連写を実現。撮影した画像からのAF情報を活用するとともに、「M.ZUIKO DIGITAL」レンズの持つピント合わせの優位性をフルに引き出すことで、不規則に動く被写体や被写体の速度変化に素早く追従することができるようになっている。
■ボディ単体で5.5段、レンズと組み合わせて6.5段の手ブレ補正
小型・軽量なボディと高い手ブレ補正効果を両立させるために、新開発の5軸手ブレ補正ユニットを採用する。高感度のジャイロセンサーと画像解析による手ブレの情報を基に、画像処理エンジン「TruePic VIII」が補正ユニットを正確に制御して、最大約5.5段分の手ブレ補正効果を実現する(M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO 焦点距離40mm時)。角度ブレ、並進ブレに加えて、レンズ内手ブレ補正だけでは対応できない回転ブレも補正することができ、手持ち撮影を強力にサポートしてくれる。
さらに「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」といった対応レンズのレンズ内手ブレ補正機構とボディ内5軸手ブレ補正機構をシンクロすることで、より高い手ブレ補正効果を発揮する「5軸シンクロ手ぶれ補正」にも対応。最大約6.5段分の補正効果を実現する。
■オリンパスならではの多彩な撮影機能
複数の画像を重ねて光跡を表現する「ライブコンポジット」(比較明合成)をはじめ、シャッターレリーズ時から最大14コマ分遡って記録する「プロキャプチャーモード」や、「フォーカスブラケット」「深度合成モード」など、オリンパスならではの多彩な撮影機能を搭載する。
0.5ピクセル単位でイメージセンサーを動かしながら連続で8枚撮影、その画像を合成して50M相当の高解像度の写真が得られる三脚ハイレゾショットも搭載。ただし、「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II」に搭載されている手持ちハイレゾショットは搭載されていない。
■その他の特長
- 人工照明下での明滅周期を検出し、明るさのピークに合わせてシャッターを切るよう制御、連写コマ間の露出ムラ、色ムラを抑える「フリッカーレス撮影」機能を備える。また、電子シャッター使用時に生じる縞模様現象を抑えるため、シャッター速度を細かく設定できる「フリッカースキャン」が搭載されている。
- USB microB端子を備え、USB充電でカメラ本体内のバッテリーへの充電が可能となっている。ただし、充電しながら撮影することはできない。
- 像面位相差AFセンサーの情報を活用し、動画に最適なフォーカシングを実現する4K/30Pの OM-Dムービーを搭載。5軸手ブレ補正に電子手ブレ補正を組み合わせることで、特別な装備なしで手ブレの少ない安定した動画撮影を行うことができる。
- Bluetoothにより、スマートフォンアプリ「OLYMPUS Image Share」(OI.Share)を起動するだけで、カメラとスマートフォンのWi-Fi接続を自動的に確立する。カメラ上でシェア予約をすることで、自動的に撮影した画像をスマートフォンに転送可能だ。
- 電子ビューファインダーは、約236万ドットの有機ELパネルと、周辺まで歪みの少ない光学系を採用する。
- 最高1/8000秒の高速メカシャッターを搭載する。
- 撮影テーマを選ぶだけでイメージ通りの写真が撮影できるSCN(シーン)モードは、6つのテーマから1つを選び、次に撮りたいシーンに最も近いアイコンを選択するだけで、最適な設定を呼び出すことができる。
- 写真表現の幅を広げるアートフィルター全16種類を搭載する。
- 使用頻度の高いカメラ設定をカスタムモード(モードダイヤルのC)にあらかじめ登録可能となっている。
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III 14-150mm II レンズキット
防塵・防滴仕様の高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」が付属する。キットレンズのカラーはブラックのみ。
別売アクセサリー
専用の金属製外付けグリップ「ECG-5」が新登場。レリーズやコントロールダイヤルを装備しており、カメラのホールディング性や操作性を向上させる外付けグリップとなっている。希望小売価格は22,500円(税別)。2019年11月下旬発売予定。
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III 主な仕様
有効画素数 約2037万画素
撮像素子 4/3型 Live MOSセンサー
マウント マイクロフォーサーズマウント
ISO感度 ISO LOW(約64相当)、ISO 200〜25600
シャッター速度 1/8000~60秒(電子制御フォーカルプレーンシャッター時)、バルブ/タイム 最大30分、コンポジット 最大3時間
ファインダー 約236万ドット アイレベル式OLEDビューファインダー
画像モニター 3.0型 約104万ドット 2軸可動式液晶(静電容量方式タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I/II対応)
サイズ(幅×高さ×奥行き) 125.3×85.2×49.7mm(突起部を除く)
質量 約366g(本体のみ)/ 約414g(バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 USBケーブル、ショルダーストラップ、取扱説明書、保証書、付属フラッシュFL-LM3、リチウムイオン充電池BLS-50、リチウムイオン電池充電器BCS-5
〈文〉柴田 誠