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【カメラ用語事典】比較明合成

「比較明合成」とは、複数枚の画像を重ね合わせる際にピクセルごとの明度を比較して、明るいほうのピクセルを採用して1枚の写真に合成する方式。夜景や星の軌跡、ホタルなどを撮影するのによく用いられる。

昨今のデジタル一眼カメラには「多重露出(多重露光)」機能の中に、比較明合成が搭載さているものが多い。重ね合わせる枚数や露光時間などを選べる機種もある。中でもオリンパスの一眼カメラに搭載されている比較明合成「ライブコンポジット」は、光の像が伸びていく様子をモニターで確認しながら撮影できて便利だ。

また、フォトショップなどのレタッチソフトや、各社のRAW現像ソフトなどでも比較明合成が可能。連続撮影した画像をソフトで合成すれば、仕上がり結果を見ながら合成写真や合成枚数を決めることができる。

 

ニコンD850の比較明合成は、合成可能枚数が2~10枚。
 

 

オリンパスのライブコンポジット機能を使って撮影(2秒×30カット)。通常の長時間露光とは異なり、露光時間が長くても明るいほうの像だけを採用して合成するため、外灯に照らされた道路や建物などが露出オーバーにならない。仕上がりをモニターで確認しながら撮影できるので簡単だ。

 

写真/永山昌克
 

 

上の写真はISO400、F2.8で20分露光したもの。下はISO6400、F2.8、15 秒露光した画像を100 枚(25分間分)を比較明合成したものである。2 枚を比べると描写の違いは一目瞭然。比較明合成の写真は、星の弱い光を超高感度で捉えたために光が明るく捉えられ、その結果、軌跡が鮮明に映し出された。

 

写真/深澤 武