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超望遠レンズがずらり! 国内最大の野鳥イベント「ジャパン・バード・フェスティバル2019」のカメラ関連ブースをレポート

11月2日(土)、3日(日)の2日間、野鳥の研究・観察・撮影をテーマにした国内最大のイベント「ジャパン・バード・フェスティバル2019(JBF2019)」が、千葉県我孫子市の手賀沼湖畔で開催された。このイベントは、野鳥の観察、保護を行う団体、野鳥撮影に適したカメラやレンズ、双眼鏡を扱う光学機器メーカーが参加する総合的な野鳥イベントで、本格的に野鳥撮影に取り組む方からファミリーまで、幅広い層が楽しめるプログラムで構成されている。

 

野鳥の撮影、観察を行う人が多く訪れるのが手賀沼親水広場に設けられた光学機器メーカーの展示エリア。2019年は16社の光学機器、音響メーカー、販売店がブースを出し、終日賑わった。光学機器メーカーのブース前には各社の超望遠レンズがずらりと並び、実際に操作できる。目の前には野鳥が多く生息する手賀沼が広がり、ファインダーをのぞきながら、レンズの見え方やAFの動作を確認する人の姿が見られた。

 

さらに日本全国の野鳥観察スポット、野鳥観察ツアーがある海外の国々を紹介するブースなども設けられ、野鳥の観察や撮影に役立つ情報を集めることができる。

▲「ジャパン・バード・フェスティバル」は2001年にスタートし、2019年で19回目の開催となる。入場は無料。会場はいずれも手賀沼北岸にある我孫子生涯学習センター「アビスタ」、手賀沼親水公園、我孫子市鳥の博物館など。

 

▲光学機器メーカーのブースが並ぶ手賀沼親水公園。背後には手賀沼を広く見渡せる展望台がある「水の館」。

 

▲キヤノン、ニコン、ソニー、オリンパス、ペンタックス、タムロン各社の超望遠レンズが三脚に据えられ、ずらりと並ぶ。実際に操作し、ファインダーをのぞくことができる。

 

EOS 90DやEOS Rシリーズと最新レンズが並ぶキヤノン

発売されたばかりのEOS 90Dが注目されていたのがキヤノンブース。EOS 90DとEFレンズ、EOS Rシリーズ、RFレンズ、PowerShot Gシリーズ、光学式手ブレ補正を内蔵した双眼鏡などを展示。ブース前には、EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×、EF600mm F4L IS III USM、EF400mm F2.8L IS III USMがセットされ、自由に操作できる。

 

▲手賀沼親水公園の水の館では、野鳥写真家の戸塚学さんによるEOS 90Dの操作方法とオススメの設定を学べる野鳥撮影セミナーを開催。

 

▲野鳥撮影セミナー参加者には、EOS 90DとEF70-300mm F4-5.6 IS II USMが貸し出され、戸塚学さんの指導の下、実際に手賀沼で野鳥撮影を体験した。

 

OM-D E-M1XとED 300mm F4.0 IS PROに注目が集まるオリンパス

オリンパスブースでは、野鳥撮影に強いOM-D E-M1XとE-M1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、2倍テレコンバーターのMC-20を中心にタッチ&トライコーナーを設け、レンズを付け替えて、試すことができた。ZUIKOの名を冠した高い光学性能を持つ双眼鏡「PROシリーズ」も展示され、観察から撮影まで幅広い用途に使える野鳥アイテムを揃えた。

▲水の館では、野鳥写真家の菅原貴徳さんによる野鳥撮影セミナー(要事前申し込み)を開催。OM-D E-M1XとE-M1 Mark IIの撮影シーン別のAF設定など、実践的な解説が行われた。

 

▲セミナー参加者には、OM-D E-M1X、またはE-M1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROが貸し出され、菅原貴徳さんの指導を受けながら屋外で野鳥撮影を体験する時間も設けられた。

 

超望遠レンズが充実してきたαシステムを展示するソニー

フルサイズミラーレスカメラ用の超望遠レンズ、望遠ズームが充実してきたソニー。今年、発売されたFE 600mm F4 GM OSS、FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを始め、αシステムのレンズ群が並べられ、自由に手に取ることができた。また、35mm判換算で600mm相当の超望遠撮影が可能なCyber-shot RX10 IVは展示するとともに、貸し出しも行われ、会場内でRX10 IVを試写する来場者も見られた。

▲FE 600mm F4 GM OSSとα7 III、FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(2倍テレコンSEL20TC付き)とα6600の組み合わせは特に注目されていた。いずれも手持ち撮影が可能な重さと重量バランスを実現している。

 

▲Cyber-shot RX10 IVの貸し出し。約1時間、試写が可能で、野鳥が多く生息する手賀沼で野鳥撮影を体験できた。

 

双眼鏡・望遠鏡メーカーとしても老舗のニコン

EDガラスを採用し、明るく見やすい大口径のMONARCH(モナーク)フィールドスコープ 82ED-S/-A、スタンダードモデルの60ED-S/-A、広視野角の双眼鏡MONARCH HGシリーズなど、野鳥観察用の光学機器を揃えたニコン。あわせて35mm判換算で3000mm相当の超望遠撮影が可能なCOOLPIX P1000もブース正面に展示してアピールしていた。レンズ交換式カメラとしては、新製品のAPS-CミラーレスカメラZ 50などが置かれていた。

▲3000mm相当の超望遠撮影が可能なCOOLPIX P1000が注目の的。実際に手に取ったり、スタッフの説明に耳を傾けたりする人が多かった。

 

ペンタックスの超望遠レンズが並ぶリコーイメージング

野鳥観察用の双眼鏡が充実しているリコーイメージングのブース。最上級のZシリーズ、高性能なSシリーズ、スタンダードなAシリーズ、コンパクトなUシリーズと使用目的や予算に応じて選べる製品を揃えていた。また、オリジナルグッズやアウトレット製品の販売も行われた。

▲ブース前にはペンタックスの超望遠レンズが並ぶ。HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6ED DC AWとHD PENTAX-DA 560mm F5.6ED AWを三脚にセットされた状態で展示。

 

超望遠ズームレンズをアピールするタムロン

ブース前に望遠ズームレンズ100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDを据えたタムロン。各種レンズを揃えたタッチ&トライコーナーを設けていたが、人気が高いのは超望遠ズームレンズのSP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2と高倍率ズームレンズの18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD。SP 150-600mmは貸し出し(要事前申し込み)も行われ、150分間、たっぷりと試写することができたとのこと。

▲ブースにはマウントコンバーターを介してEOS Rに取り付けられたSP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2、同様にZ 6にはマントコンバーターを介してSP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2が並べられた。

 

幅広いアイテム展開をするケンコー・トキナー

ケンコーブランドの双眼鏡、スリックの三脚、雲台を揃えたケンコー・トキナーのブース。新製品としては、ポケットサイズの単眼鏡、ウルトラビューⅠ 8×21FMC、コンパクトな双眼鏡、Classi-air 8×21 DH MCを展示。アウトレット販売コーナーには、幅広いジャンルの旧製品が用意され、特価販売された。

▲150-600mmクラスの望遠ズームレンズに最適な軽量ジンバル雲台、スリックテレマスター800がシステムカーボン 74 WHO三脚とともに並べられた。

 

創業125周年を迎えた興和光学は記念モデルを展示

日本を代表する双眼鏡、望遠鏡メーカーである興和光学は、今年、2019年に創業125周年を迎えた。その記念に発売されたスポッティングスコープ、TSN-883BK PROMINAR 125Y-SET、TSN-553BK PROMINAR 125Y-SET、3色の特別カラーを持つ最高級小型双眼鏡、GENESIS22 PROMINAR 8×22が目を引いた。

 

※以下、その他のブース

 

▲会場限定のアウトレットセールを行うバンガードのブース。三脚、雲台、カメラバック等が特価で販売された。

 

▲レオフォトのブースでは、野鳥撮影に最適な三脚、雲台を幅広く展示。また、現品限りの特価でアウトレット販売も行われた。

 

▲プロのバードウォッチャーであり、野鳥観察ガイドや講演などを行う♪鳥くん(永井真人さん、写真左)と野鳥写真家の永井禎巳さん(写真右)の共著である野鳥図鑑『見たくなる! 日本の野鳥420』(主婦の友社)もJBF2019会場で販売。鳥の生態がわかる写真が多数掲載され、野鳥撮影にも役立つ1冊。

 

「全日本鳥フォトコンテスト in JBF2019」の入選作品を展示

手賀沼北岸にある我孫子生涯学習センター「アビスタ」会場では、「全日本鳥フォトコンテスト in JBF2019」(2019年8月16日締め切り)の入選作品が展示された。2009年にスタートした同コンテストは、今年10回目を迎え、応募数は1000点を超える。テーマは生態・行動部門、環境部門に分かれ、それぞれグランプリ、準グランプリ以下、協賛各社の名を冠した賞が贈られる。

▲生態・行動部門のグランプリ(文部科学大臣賞)は可児勝彦さん(岐阜県)の作品「一瞬」。ヤマセミが捕まえた魚をくわえ直そうとして落とした瞬間を捉えたもの。

 

▲光学機器メーカー、メディア等の名を冠した入賞作品も大きくプリントされて展示。カメラ雑誌からはCAPAが参加し、CAPA賞(右下)が設けられている。

 

▲11月3日の午前中には、全日本鳥フォトコンテストの審査員が講評会を開催。入選作、惜しくも入選を逃した作品を映しながら評価されたポイントなどを解説した。この講評会を聞くと、野鳥撮影上達のヒントがつかめると評判。

 

▲「全日本鳥フォトコンテスト in JBF2019」の審査員4名。左から中野泰敬さん、戸塚学さん、叶内拓哉さん、永井真人さん。

 

2020年の「ジャパン・バード・フェスティバル2020」は、11月7日(土)、8日(日)に開催される予定。