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ソニーが3部門を制覇! カメラグランプリ2020の各賞決定

写真・カメラ雑誌、WEBサイトの記事責任者で構成されるカメラ記者クラブ主催の「カメラグランプリ2020」が決定。 α7シリーズ第4世代となる「ソニー α7R IV」が大賞と、あなたが選ぶベストカメラ賞を受賞。レンズ賞にも輝き、ソニーは三冠を達成した。

カメラグランプリ2020

■ライバルの追従を許さない「ソニー α7R IV」が見事受賞

ソニーは他社に先駆けフルサイズミラーレスを登場させ、すでに第4世代に突入。6100万画素の高精細モデルでありながら、AF性能や連写性能も高く、ライバル機の一歩先を行く存在感を示している。得票結果を見ると、フラッグシップ一眼レフから中判デジタル、コンパクトミラーレスと、個性的なカメラがそろうなか、見事に大賞を射止めた。

また、一般読者の投票により決定する「あなたが選ぶベストカメラ賞」にも「ソニー α7R IV」が選ばれ、幅広く支持されていることがわかる。

カメラグランプリ2020 大賞 得票結果 TOP5

  • ソニー α7R IV : 116点
  • キヤノン EOS-1D X Mark III : 108点
  • ニコン Z 50 : 87点
  • 富士フイルム GFX100 : 79点
  • シグマ fp : 74点

■レンズ賞もソニーが受賞

レンズ賞は同じくソニーの「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」が受賞。αシリーズは交換レンズの充実度も高い。このレンズはテレコンにも対応し1200mm相当の超望遠撮影が可能。残念ながら東京オリンピックは延期になってしまったが、ボディも含め来年のオリンピックで活躍することは間違いないだろう。

■カメラ記者クラブ賞は3機種が受賞

カメラ記者クラブ賞には、「キヤノン EOS-1D X Mark III」「富士フイルム GFX100」「ニコン NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」の3機種が選定された。大賞を争った「EOS-1D X Mark III」が、デジタル一眼レフの意地を見せた受賞だ。

 

各賞と選考理由は以下のとおり。

カメラグランプリ2020 大賞

ソニー α7R IV

カメラグランプリ2020大賞「ソニー α7R IV」

フルサイズミラーレス機α7シリーズの中でも高画素機Rの4代目モデル。画素数は有効約6100万画素になり、先代「α7R III」の有効約4240万画素から大幅にアップ。撮影画像は緻密で、画像をクロップしても十分に使える画質である。それでありながらも、AF/AE追従でメカシャッター時約10コマ/秒の高速連写が可能。像面位相差AFセンサーによるオートフォーカスも高速で、瞳AFは正確で被写体の追従性もよい。高画素と動体撮影を高い次元で両立させている。また、大型化したグリップやボタンの機能変更、露出補正ダイヤルのロック機構など操作性、バッテリーの大型化など使い勝手も大きく改善されている。「フルサイズαの集大成的存在」、「現在のミラーレス機としては最も高い性能」「オールマイティーという言葉はこのカメラこそふさわしい」など多くの選考委員が評価した。同シリーズの「α7R II」は2016年にカメラグランプリ大賞を受賞している。​

 

カメラグランプリ2020 あなたが選ぶベストカメラ賞

ソニー α7R IV

カメラグランプリ2020あなたが選ぶベストカメラ賞「ソニー α7R IV」

高画素機でありながら、それにとどまらずAF性能などバランスの良さが好評だった。また、ミラーレス機としてトップクラスの性能であり、フルサイズミラーレス機の位置付けを変えたモデルという評価も多かった。

 

カメラグランプリ2020 レンズ賞

ソニー FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS

カメラグランプリ2020レンズ賞「ソニー FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」

焦点距離200~600mmの超望遠ズームレンズ。同社のカメラと組み合わせて高速かつ静かでレスポンスのよいAFを実現。インナーズームによりズーミングしても全長が一定で重量バランスの変化が少ないのは、小型なミラーレス機用レンズとして使い勝手に寄与している。少ない回転角で操作できるズームリングなど操作性もよい。開放F値はF5.6-6.3であっても、電子ビューファインダーや同社のAFシステムでは問題にならない。光学式手ブレ補正を搭載し、小型・軽量で取り回しのいいレンズに仕上がっている。そうした使い勝手の良さに加え光学性能も高く、その性能やスペックに対して安価であることにも評価が集まった。テレコンバーターにも対応し、最大1200mmのレンズとして使える。現時点でのミラーレス用超望遠ズームの決定版ともいえ、モータースポーツはもちろんのこと、飛行機、野鳥の撮影などに重宝するレンズだ。東京五輪では、間違いなく「オリンピックレンズ」というべき存在になるだろう。

 

カメラグランプリ2020 カメラ記者クラブ賞

キヤノン EOS-1D X Mark III

カメラグランプリ2020カメラ記者クラブ賞「キヤノン EOS-1D X Mark III」

大きな進化を遂げた究極のフラッグシップ一眼レフ。これまでの一眼レフ機のアドバンテージ部分を順当に進化させた。一眼レフとしてAEセンサーを使った被写体認識やAF/AE連動で約16コマ/秒の高速連写を実現しただけではなく、デュアルピクセルCMOS AFによるライブビュー撮影でも高速かつ、確実に追従するAFで約20コマ/秒を実現している。ミラーレス機が主流になりつつある中で、一眼レフのメリットと存在価値を強く主張している。新開発で16点に分離させるGDローパスフィルターを採用。モアレを抑えながらも、レンズの解像感を生かす設計になっている。また、新開発の画像処理エンジンDIGIC Xによって連写性能や動画撮影にも寄与している。一眼レフとしての高い性能と、ミラーレス機に繋がるライブビュー性能のよさも実感できる最高峰のデジタル一眼レフカメラである。

 

ニコン NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct

カメラグランプリ2020カメラ記者クラブ賞「ニコン NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」

2018年に同社の新ミラーレスカメラZシリーズと同時に発表され、そのZマウントはこのレンズを作れる寸法に設計されたと明かされた大口径標準レンズ。ニコンZマウントシステムを象徴するレンズといえる。一眼レフ用のFマウントの制限から解放され設計の自由度が向上したことを存分に生かしている。標準域のレンズでありながら、大きなマウントおよび開放F値0.95により、望遠レンズ並みの大きなボケを実現。その浅い被写界深度は、これまでとは異なる表現を可能にする。大口径でありながら、周辺まで優れた画質を誇る。MFレンズであり高価ではあるものの、それに足るあこがれが持てるレンズだ。2020年5月18日現在、受注が休止されているのは残念だが、そうせざるを得ないほどの注文が多いのは、本レンズだけでなく、新マウントシステムとしての期待の表れといえる。

 

富士フイルム GFX100

カメラグランプリ2020カメラ記者クラブ賞「富士フイルム GFX100」

43.8×32.9mmの大型センサーを採用するGFXシステムの中でも、1億200万画素という超高画素を生かしつつも、機動的に撮影できる仕様を両立した意欲的なカメラ。単に高画素というだけではなく、顔や瞳認識をはじめとする高速なAFシステム、また5軸5段のボディー内手ブレ補正機構を搭載。それでいて、35mm判のプロ機と変わらないサイズや操作感を実現し、1億200万画素の性能を手持ち撮影でも十分に生かせるようにしている。大きなセンサーサイズの余裕と、画像処理の技術により14ストップという広いダイナミックレンジを実現している。スタジオ撮影だけではなく、防塵・防滴、耐低温性能を確保することで、屋外での撮影にも対応。1億200万という高画素を、身近な存在にしたカメラといえる。

 

カメラグランプリとは?

「カメラグランプリ」は、写真・カメラ媒体が加盟するカメラ記者クラブ (2020年5月現在で10媒体が加盟) が主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと、選考委員を組織している。選考委員は、カメラ記者クラブ会員、加盟媒体編集長または代表者、外部選考委員、特別選考委員、特別会員のTIPA (欧州を中心とした16か国28媒体およびカメラ記者クラブが加盟する写真・映像雑誌の団体) で構成。37回目の開催となる今回は、総勢54名が選考にあたった。

「カメラグランプリ2020」の選考対象は、2019年4月1日~2020年3月31日の1年間に日本国内で新発売された機種。もっとも優れたスチルカメラを選定して表彰する「大賞」、もっとも優れたレンズを選定して表彰する「レンズ賞」、カメラ記者クラブ会員の合議によって選定する「カメラ記者クラブ賞」、一般ユーザーの投票で決定する「あなたが選ぶベストカメラ賞」が設けられている。