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写りもデザインもクラシック! あえて収差を残した標準レンズ「フォクトレンダー HELIAR classic 50mm F1.5 VM」

コシナは、フォクトレンダーのフルサイズVMマウント標準MFレンズ「HELIAR classic 50mm F1.5 VM」を2021年9月に発売する。カラーはブラックのみ。希望小売価格は99,000円 (税込)。

<2021.8.30> 発売日が2021年9月10日に決定。

HELIAR classic 50mm F1.5 VM

 

HELIAR (ヘリア) タイプのレンズは、3群構成でコンパクトさと高性能を両立させることが可能だが、通常の設計理論ではF2.8程度が開放F値の限界とされてきた。この通説を覆すべく大口径化に挑戦し、現代の設計技術を駆使してF1.5を実現したのが「HELIAR classic 50mm F1.5 VM」だ。絞り開放では意図的に残存させた収差によるクラシカルな描写が楽しめる。あらゆる収差を徹底的に排除し、究極の性能を追求した「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」(2021年1月27日発売) の対極にある製品コンセプトで生み出されたレンズだ。

■特徴的な絞り開放のボケ描写

レンズ構成はヘリアタイプをベースとする3群6枚構成で、特にF1.5の絞り開放では球面収差やコマ収差を意図的に残すことで、ボケ描写にアクセントが加えられている。構図に制約が生じるサジタル方向の流れるボケ (いわゆるぐるぐるボケ) は抑制されており、残存させたコマ収差とシングルコーティング仕上げによって、絞り開放で極めて個性的な描写を得ることができる。

このボケ効果は、各種の収差が総合的に抑制されたレンズでは得ることができないもの。特徴的なボケ描写は絞り込むことで減少し、絞りF4からはほかのフォクトレンダーVMマウントの50mmレンズと同等の性能を発揮する。絞り羽根は10枚で、最小絞りF16、フィルターサイズはφ49mmとなっている。

■距離計連動範囲を超える最短撮影距離0.5m

ピント操作用に高精度な距離計連動機構を搭載しており、光学式レンジファインダーによるピント合わせの醍醐味が味わえる。ヘリコイドはマニュアルフォーカス専用設計で、シルキーな操作感覚となっている。最短撮影距離は、距離計連動範囲の0.7m (カメラにより異なる) からさらに繰り出せるヘリコイドの採用により、0.5mを実現する。

■質感の高さと軽量化を両立

鏡筒は、ブラックペイントのアルミニウムをベースに、フォーカス目盛りリングには真鍮材を使用している。フォーカスリングにはダイヤパターンのローレット加工を施し、見た目の美しさに加えて、どの方向にも滑りにくい仕様で操作性を向上させた。重量は255gと、軽量化も実現している。

専用のねじ込み式金属フードとかぶせ式のフードキャップが付属する。

HELIAR classic 50mm F1.5 VM
付属フード

Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM 主な仕様

マウント VMマウント
焦点距離 50mm
開放絞り F1.5
最小絞り F16
口径比 1:1.5
レンズ構成 3群6枚
画角 45.9°
絞り羽根枚数 10枚
最短撮影距離 0.5m
距離計連動範囲 ∞~0.7m (カメラにより異なる)
フィルター径 φ49mm
最大径×全長 φ56.8×41.9mm
質量 255g
付属品 専用ねじ込みフード