リコーイメージングが、デジタルカメラ事業のものづくりや日本国内における販売体制を刷新することを発表した。「PENTAX」と「GR」のブランド価値をより高め、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化させる新しい事業体制を構築するとしている。
赤羽昇リコーイメージング代表取締役社長は、「大量生産・大量販売を基本とする従来のやり方が、昨今の市場環境の変化に馴染まなくなりつつあることを感じています」としつつも、写真を撮って楽しむ活動はむしろとどまるところを知らないとし、「お客様の多様化した要望に丁寧にお応えしながら、お客様と共に新たな道に挑戦します」と、以下2つのチャレンジを行っていくことを宣言した。
- “デジタル”手法を駆使してお客様に寄り添う
- “工房的”ものづくりを実現する
2つのチャレンジに向けた具体的な取り組みも発表された。
■ユーザーコミュニケーションの充実
オンライン/オフラインによるユーザーとの接点を強化し、共創コミュニティを構築する。
PENTAXブランドではカスタマイズの幅を拡げ、工房的価値を提供。オンラインファンミーティングによるコミュニケーションなどで、商品の企画段階からユーザーと一緒にものづくりができる仕組みを構築する。
GRブランドでは、スペック競争からは一線を画し、徹底的にスナップ撮影への最適化を追求。高画質で操作性・携帯性にこだわったカメラを提案する。さらに、ソーシャルメディアを介したファンコミュニティの活性化やオフラインイベントを介した交流に力を入れ、双方向の関係強化を図る。
■リコーイメージングストアを強化、マーケットプレイスにも直営店
インターネットを通じた販売にシフトし、事業運営の効率化を図る。自社の直販サイト「リコーイメージングストア」に加え、主要なマーケットプレイスにもPENTAX・GRそれぞれの直営店を出店。購入の機会とコミュニケーションの場を拡充するとともに、市場の需要をより詳細に汲み取り、従来の大量生産・大量販売とは異なる最適な生産を実現。ユーザーとダイレクトに接することで、今まで以上にユーザーの声をものづくりに反映させ、より魅力的な製品の提供を目指す。
ユーザーの声が届きやすくなる? 改革の成果に期待
「コミュニケーションの場の拡充」「ユーザーとの接点の強化」ということから、これまで以上に多くのファインミーティングが開催され、ユーザーの意見が製品に反映されやすくなりそうだ。「商品の企画段階から一緒にものづくりができる仕組み」というのも面白そう。また、「GRの新たなカメラの提案」という点にも期待が膨らむ。
ネット販売にシフトすることから、店頭で製品を目にする機会は減りそうだが、ユーザーの声を反映させた工房的なものづくりによって、自分だけのオンリーワンなカメラを手に入れることができるかもしれない。リコーイメージングの新しい取り組みと日本国内における販売体制の刷新は、2022年4月1日に行われる。今後の展開に注目していきたい。