ニュース

触ってきた! フラッグシップミラーレス「FUJIFILM X-H2S」を写真でレポート

富士フイルムのミラーレスカメラ「FUJIFILM X-H2S」が2022年5月31日に発表された。APS-Cサイズの新開発裏面照射積層型センサーと高速画像処理エンジンを搭載し、Xシリーズとして最高レベルの高速連写・AF・動画性能を実現する。発売は7月14日と1か月以上先だが、実機を手にすることができたので、その感触をお伝えしよう。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

フォルムや操作部がラージフォーマット機を思わせる「X-H2S」

「X-H2S」のフォルムは、ラージフォーマットミラーレスの「GFX100S」や「GFX50S II」に印象が似ている。平らになったペンタ部やシャッター周りがスッキリとした点、グリップの存在感などがそう感じさせるのかもしれない。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

背面液晶モニターは、3.0型のバリアングル式タッチパネルTFTカラー液晶モニター。モノトーンを基調とした表示で、明るく見やすい。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

軍艦部は右側にサブ液晶モニター、左側にモードダイヤルが配置されている。「X-H1」にあったシャッタースピードダイヤルと感度ダイヤルはなくなっており、操作性は大きく変わっている。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

ボタン類は張り出しが大きく、押しやすくなっているだけでなく、ゴムキーを採用してしっかりと押した感触が得られるようになっている。さらに「AF-ONボタン」は、大きくなって長押ししても疲れないようになっており、コマンドダイヤルはクリック感がアップ。ストラップホルダーの形状も改善されている。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

グリップは大きく張り出した形状で、握り込むことでカメラをしっかりホールドできる。シャッターボタンは、半押しのクリック感を向上させるなど、シャッターのフィーリングを改善。シャッターボタン脇には動画RECボタンが配されている。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

カードスロットは、SDメモリーカードとCFexpress Type Bカードのデュアルスロットを採用する。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

ボディ左側面に配置されたコネクター部。ケーブルを装着した状態で、液晶モニターの可動のじゃまにならないように配置が工夫されている。HDIMコネクター脇にはマイク端子、ヘッドフォン端子を配置。その下の2つの穴はスピーカーだ。さらにその下のUSB端子 (Type-C) には、固定用のネジ穴が設けられている。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

バッテリーは、「X-T4」と同じリチウムイオンバッテリー「NP-W235」を採用する。新画像処理エンジン「X-Processor 5」の省電力制御により、「X-T4」よりも撮影可能枚数が20%増加している。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

ファインダーは、約576万ドットの高倍率・高精細EVFで、有機ELを採用している。表示フレームレートは約120フレーム/秒で、新設計の光学系は全て非球面レンズ。性能が格段に向上している。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

ディープラーニング技術を採用した被写体検出AF機能を新たに搭載した。ただし自動で認識しないので、動物 / 鳥 / クルマ / バイク&自転車 / 飛行機 / 電車などの被写体を選択する必要がある。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

「XF18-120mmF4 LM PZ WR」は電動ズーム搭載の高倍率レンズとは思えないほどの軽さ

「X-H2S」と同時発表された高倍率ズームレンズ「フジノンレンズ XF18-120mmF4 LM PZ WR」。発売は2022年9月予定。ズーム比6.7倍のコンパクトなパワーズームレンズで、35mm判換算で27〜183mm相当の画角をカバーする。静止画・動画撮影に対応するハイブリッド仕様のレンズだ。重さは460gで、約660gの「X-H2S」と組み合わせても1kgちょっと (バッテリー、 メモリーカードを含む)。パワーズームを搭載したレンズとは思えない軽さで、「X-H2S」とのバランスもいい。フィルター径は72mmだ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

レンズ先端側からピントリング、ズームリングを配置、その後ろに電動でズーミング、フォーカシングを操作できる「ズーム / フォーカスコントロールリング」を装備する。「ズーム / フォーカスコントロールリング」は、回す量で速度が変化する。「Z / Fボタン」で、ズーミングとフォーカシングの切り替えが可能で、その下のズームボタンを押すと、一定速度で電動ズームを操作できる。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

片手で難なく持てる超望遠ズーム「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」

フジノンレンズ XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」は、35mm判換算で229〜914mm相当の超望遠ズームレンズながら、約1605gの軽量化を実現した。片手でも難なく持てる重さだ。レンズ内部のベースフレームには、マグネシウム合金が採用されている。また各所にシーリングが施され、防塵・防滴・−10℃耐低温仕様となっている。カラーはマットシルバーで、レンズの温度上昇を抑える効果があるのだそうだ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

レンズの先端部分をホールドする位置にある黒いボタンは「フォーカスコントロールボタン」で、「フォーカスセレクトスイッチ」で割り当てた機能を呼び出すことができる。インナーズーム方式を採用したことで、ズーミングしても重量バランスの変化が少ない。取り回しも楽にできそうだ。テレコンバーター「XF2X TC WR」と組み合わせると、最大1200mm (35mm判換算 1828mm相当) の撮影が可能になる。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

左の黒いリングがズームリングで、右の白いリングが絞りリング。手前にはフォーカスリミッター、絞り切り換え、フォーカスセレクトの各スイッチとSETボタンが並んでいる。AF駆動にはリニアモーターを採用しており、高速で静かなAFを実現。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

標準装備の三脚座はアルカスイス互換となっており、アルカスイスベースの雲台には直接装着も可能だ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

ユニークな専用アクセサリーも新登場

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

ファイルトランスミッター「FT-XH」とバッテリーグリップ「VG-XH」

ファイルトランスミッター「FT-XH」(左奥) と縦位置バッテリーグリップ「VG-XH」(右手前)。パッと見は同じように見えるが、「FT-XH」は張り出した右前部分に有線LANポートとUSB端子がある。「FT-XH」は2022年9月発売予定。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

縦位置バッテリーグリップ「VG-XH」を装着した「X-H2S」。レンズは「XF18-120mmF4 LM PZ WR」。バランスのいい組み合わせだ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

「VG-XH」を装着した「X-H2S」の背面。縦位置にしたときにも同じ操作感になるようにボタンが配置されている。バッテリー「NP-W235」を2個装填することができる。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

バッテリーの使用量をコントロールするスイッチが装備されている。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

横位置から縦位置に持ち替えると、ボタンの位置はほぼ一緒だ。ファインダーがかなり下にくる印象がある。状況によってはサブ液晶モニターが欲しいと思うこともありそうだ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート
FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

冷却ファン「FAN-001」

冷却ファン「FAN-001」は、長時間撮影や高温環境下での動画撮影をサポートする専用アクセサリー。「X-H2S」のボディ背面に直接ファンを装着することで、ボディの熱を逃がす効果がある。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

「X-H2S」に冷却ファン「FAN-001」を装着すると、液晶モニターを収納できなくなる。三脚使用時や動画撮影時など、使用状況が限られそうだ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

「FAN-001」には、カメラ側から電源が供給される。ファンの設定はカメラのメニュー画面から行うことが可能だ。ファンを駆動させると、かすかにモーター音がするため、周りの状況に応じて切り換えができるようになっている。気になるレベルではないように感じたが、動画撮影に配慮して、2段階の設定ができるようになっている。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート

 

「X-H2S」の背面には、「FAN-001」を装着するためのネジ穴と電源供給やデータ通信のための端子が設けられている。端子はカバーで覆うことができるようになっているが、ネジ穴はそのままだ。

FUJIFILM X-H2S タッチ&トライレポート