キヤノンは、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R8」と標準ズームレンズ「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」を2023年4月下旬に、APS-Cサイズミラーレスカメラ「EOS R50」と望遠ズームレンズ「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」を2023年3月下旬に発売する。これらのタッチ&トライができたので、外観とその印象も含めてお伝えしよう。
EOS Rシリーズの最軽量フルサイズミラーレス「EOS R8」
「はじめてのフルサイズ」をコンセプトに、小型軽量化と高性能を両立させたフルサイズミラーレスカメラ「EOS R8」は2023年4月下旬発売予定。価格はオープンで、参考価格はボディが264,000円、「RF24-50 IS STM レンズキット」が293,700円 (いずれも税込)。
■「EOS R6 Mark II」の基本性能を継承
有効画素数最大約2420万画素のフルサイズCMOSセンサーと、映像エンジン「DIGIC X」を搭載する。AF性能や高速連写・動画性能などは、上位機種「EOS R6 Mark II」の基本性能を継承している。ISO感度は常用で最高ISO 102400の高感度を実現する。
■「EOS RP」とほぼ同じ大きさで軽量化
コンパクトなボディは「EOS RP」譲り。「EOS RP」対応のエクステンショングリップ「EG-E1」が装着できる。大きさは約W132.5×H86.1×D70.0mmと、「EOS RP」の約W132.5×H85.0×D70.0mmとほぼ同じながら質量は約461gで、「EOS RP」の約485gよりも軽量化されている (いずれもバッテリー、メモリーカードを含む)。EOS Rシリーズのフルサイズミラーレスカメラとしては最軽量となる。
「EOS RP」対応のエクステンショングリップ「EG-E1」が装着できる。
操作系も「EOS RP」を踏襲する。主要な操作が右手だけで完結できるように配慮されており、電源スイッチも上面右側に配置されている。起動時間は約0.4秒で、「EOS RP」(約0.82秒) の半分以下になっている。
ボディ上面左には「静止画撮影 / 動画撮影切り換えスイッチ」を配置。「EOS RP」ではこの位置に電源スイッチが配置されていた。
バッテリーも「EOS RP」と同じバッテリーパック「LP-E17」を採用。USB充電・給電に対応する (USB電源アダプター「PD-E1」使用時)。 SDカードスロットは1スロットで、バッテリー室の中にある。
ストロボのコントロール、音声のデジタル入力、高速データ通信や電源供給などの機能拡張に対応した「マルチアクセサリーシュー」を搭載する。
外部インターフェースはボディ左側面に集中配置。ボディは防塵・防滴構造になっており、接眼部周囲やマイク穴部、背面のボタンの周囲にはシーリング部材が組み込まれている。
背面の液晶モニターはタッチパネル式で、3.0型・約162万ドットの高精細バリアングル液晶モニターだ。
「EOS R8」はミドルクラスという位置付けながら、上位機種の「EOS R6 Mark II」と同等のイメージセンサー、画像処理エンジンを搭載して、AE・AFではほぼ同じ性能を備えている。ただし、機能面ではいくつか違いがある。
高速連続撮影は最高約6.0コマ/秒 (「EOS R6 Mark II」は最高約12コマ/秒) で、連続撮影可能枚数はRAW+JPEGラージ / ファインで約570枚、RAWでは1000枚以上となっている (「EOS R6 Mark II」はいずれも約110枚)。
メディアスロットを1基 (「EOS R6 Mark II」は2基) 搭載しており、フィンダー倍率は約0.70倍 (「EOS R6 Mark II」は約0.76倍) となっている。また、ボディ内手ブレ補正機構が搭載されていないため、レンズとカメラボディの協調制御に対応していない点には注意が必要だ。
EOS R8・RF24-50 IS STM レンズキット
後述の標準ズームレンズ「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」が付属する。
EOS R8 主な仕様
有効画素数 最大約2420万画素
撮像素子 約36.0×24.0mm フルサイズCMOSセンサー
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度 (静止画撮影時) ISO 100〜102400 (拡張 : ISO 50相当、ISO 204800相当)
ISO感度 (動画撮影時) ISO 100〜25600 (拡張 : ISO 100〜640相当、ISO 32000~102400相当)
シャッター速度 (静止画撮影時) [電子先幕設定時] 1/4000~30秒、バルブ [電子シャッター設定時] 1/16000秒、1/8000~30秒、バルブ
シャッター速度 (動画撮影時) 1/8000~1/8秒
ファインダー 0.39型 約236万ドット OLEDカラー電子ビューファインダー (約0.70倍)
液晶モニター 3.0型 約162万ドット TFT式カラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
幅×高さ×奥行き 約132.5×86.1×70.0mm
質量 約414g (本体のみ) / 約461g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 バッテリーチャージャー LC-E17、バッテリーパック LP-E17、ストラップ ER-EOSR8、シューカバー ER-SC2
コンパクトでリーズナブルな標準ズームレンズ「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」
EOS Rシステムの中で、はじめの一本に最適な小型軽量の標準ズームレンズ。「EOS R8」のキットレンズにも採用されている。2023年4月下旬発売予定。価格はオープンで、参考価格は50,380円 (税込)。
機能割り当てが可能な「フォーカス / コントロールリング」を搭載し、レンズ単体で4.5段、カメラとの協調制御で7.0段の手ブレ補正効果を発揮する。沈胴式で、質量は約210g。
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM 主な仕様
マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 24〜50mm
開放絞り F4.5 (24mm時)、F6.3 (50mm時)
最小絞り F22 (24mm時)、F32 (50mm時)
画角 水平 74°00‘~40°00’、垂直 53°00‘~27°00’、対角線 84°00‘~46°00’
レンズ構成 8群8枚
絞り羽根枚数 7枚
最短撮影距離 0.3m (24mm時)、0.35m (50mm時)
最大撮影倍率 0.11倍 (24mm時)、0.19倍 (50mm時)
フィルター径 φ58mm
最大径×長さ 約φ69.6×58mm
質量 約210g
EOS Rシリーズ最小・最軽量のAPS-Cミラーレス「EOS R50」
APS-Cミラーレスカメラ「EOS R50」は、ホワイトとブラックの2色をラインナップする。2023年3月下旬発売予定。価格はオープンで、参考価格はボディが111,100円、「RF-S18-45 IS STM レンズキット」が126,500円、「ダブルズームキット」が156,200円 (いずれも税込)。
エントリーモデルという位置付けの「EOS R50」は、EOS Rシリーズで最小・最軽量のボディを実現している。大きさはW116.3×H85.5×D68.8mmで、質量はブラックが約375g、ホワイトが約376g (バッテリーパック、メモリーカードを含む)。
■「EOS R10」譲りのAF性能
有効画素数最大約2420万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載する。AF機能は上位機種「EOS R10」のAF被写体検出技術を継承。人物、動物 (犬・猫・鳥)、乗り物 (モータースポーツにおける車・バイク) の被写体検出に対応する。
■カメラまかせでキレイに撮れるシンプルな操作系
ボディ上部にはモードダイヤルがあるだけというシンプルなデザインだ。全自動モード「シーンインテリジェントオート」の機能がさらに充実し、「アドバンスA+」では逆光や夜景などのシーンでも、カメラまかせでより豊かな写真表現ができるようになっている。
操作系は背面右側にコンパクトに配置されている。ボディが小さいので、ワイド3.0型の背面液晶モニターが大きく見える。
バリアングル式の液晶モニターはタッチパネル仕様になっている。ドット数は「EOS R8」と同じ約162万ドット。
ボディ左側面にはマイク入力端子があるだけだ。
USB端子、HDMI出力端子はボディ右側面に設けられている。使用時はカメラをホールドしにくくなるので、トライポッドグリップ「HG-100TBR」などのアクセサリーを併用する必要がある。
■ストロボを内蔵
「EOS R8」と同じく「マルチアクセサリーシュー」を採用。また、ペンタ部には手動ポップアップ式リトラクタブルタイプの内蔵ストロボを搭載する。ガイドナンバーは約6 (ISO100・m) だ。
バッテリーは「EOS R8」と同じバッテリーパック「LP-E17」を使用する。SDカードスロットもバッテリー室の中にある。
■EOS Kissシリーズのコンセプト「かんたん・きれい・コンパクト」をEOS Rシステムで実現
「EOS R50」 (中央) は、従来のEOS Kissシリーズの枠を超えた価値を届けたいということから、エントリーモデルの代名詞としてきた“Kiss”の名称を使用せず、ワールドワイドで「EOS R50」の名称で展開していく。ミラーレスカメラのエントリーモデルには「EOS Kiss M2」(右) もあるが、その後継機という位置付けではないということだ。左は「EOS Kiss M」。「EOS R50」は、「EOS Kiss M」「EOS Kiss M2」に比べると丸みを帯びたボディ形状になっているのがわかる。ボディカラーのホワイトも微妙に異なっている。
レンズキット
■EOS R50・RF-S18-45 IS STM レンズキット
標準ズームレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」が付属する。
■EOS R50・ダブルズームキット
標準ズームレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」と、後述の望遠ズームレンズ「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」が付属。2本で35mm判換算29〜336mm相当の画角をカバーする。
EOS R50 主な仕様
有効画素数 最大約2420万画素
撮像素子 約22.3×14.9mm CMOSセンサー
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度 (静止画撮影時) ISO 100〜32000 (拡張 : ISO 51200相当)
ISO感度 (動画撮影時) ISO 100〜12800 (拡張 : ISO 16000~25600相当)
シャッター速度 (静止画撮影時) [電子先幕設定時] 1/4000~30秒、バルブ [電子シャッター設定時] 1/8000~30秒、バルブ
シャッター速度 (動画撮影時) 1/4000~1/8秒
ファインダー 0.39型 約236万ドット OLEDカラー電子ビューファインダー
液晶モニター ワイド3.0型 約162万ドット TFT式カラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I対応)
幅×高さ×奥行き 116.3×85.5×68.8mm
質量 [本体のみ] ブラック 約328g、ホワイト 約329g [バッテリー、メモリーカードを含む] ブラック 約375g、ホワイト 約376g
付属品 バッテリーチャージャー LC-E17、バッテリーパック LP-E17、ネックストラップ EM-200DB、シューカバー
手軽に持ち歩ける望遠ズームレンズ「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」
「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」は、35mm判換算で約88〜336mm相当のコンパクトな望遠ズームレンズ。最短撮影距離0.73m、最大撮影倍率0.28倍 (210mm時) の近接撮影も楽しめる。レンズ単体で4.5段、カメラとの協調制御で7.0段分の手ブレ補正効果を発揮する。
2023年3月下旬発売予定。価格はオープンで、参考価格は60,500円 (税込)。レンズフード「ET-60B」は別売で2,750円 (税込)。
RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM 主な仕様
マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 55〜210mm (35mm判換算 88~336mm相当)
開放絞り F5 (55mm時)、F7.1 (210mm時)
最小絞り F22 (55mm時)、F32 (210mm時)
画角 水平 23°20‘~6°10’、垂直 15°40‘~4°5’、対角線 27°50‘~7°25’
レンズ構成 8群11枚
絞り羽根枚数 7枚
最短撮影距離 0.73m (210mm時)、1.0m (55mm時)
最大撮影倍率 0.28倍 (210mm時)、0.05倍 (55mm時)
フィルター径 φ55mm
最大径×長さ 約φ69.0×92.9mm
質量 約270g