ニコンイメージングジャパンは、フルサイズミラーレスカメラ「Z f」を2023年10月に発売する。価格はオープン。市場想定価格は約30万円前後 (税込)。日本での予約開始は、2023年9月22日10時より。
<2023.10.5> 発売日が2023年10月27日に決定。
「Z f」に「NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)」がセットになった「Z f 40mm f/2 (SE) レンズキット」も発売される。価格はオープン。市場想定価格は約33万円前後 (税込)。
「Z f」は、ニコンの歴史的なカメラである「FM2」にインスパイアされたヘリテージデザインのボディに、最新性能を盛り込んだフルサイズミラーレスカメラ。フラッグシップモデルの「Z 9」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」を採用し、本格的な静止画・動画撮影が可能。ボディ内手ブレ補正機構や高度なAF機能など、最先端技術を搭載することで、クリエイターのニーズに応える。
■「FM2」にインスパイアされたボディデザイン
ボディデザインは、ニコンのフィルム一眼レフカメラ「FM2」を思わせるもの。マグネシウム合金のボディには光沢があり、高級感を感じさせるブラックペイントを施し、ダイヤル、シャッターボタン、電源レバーには上質な感触が得られる真鍮を採用。シャッターボタンは、押し心地にもこだわっている。
堅牢性の高いボディ素材と構造が用いられていることに加え、各部にシーリングを施すことで、「Z 8」と同等の防塵・防滴性能を実現している。
また、1970年代から80年代に使用していた「Nikon」ロゴをあしらい、ボディ天面の表示には、彫刻した文字を使用。ボディの人工皮革部分は張り替えが可能 (張替料 税込6,600円) で、無料で好みの色の皮革に張り替えできるキャンペーン「プレミアムエクステリア張替キャンペーン」も行なわれる。
なお、「Z f」の「f」は「Fusion (融合)」の意が込められている。70年以上にわたるニコンの革新と精緻なものづくりの伝統、最先端のフルサイズミラーレス技術の結び付きを表す。また、「f」は、ニコンの歴史において象徴的なモデルであることも意味しているという。
■多彩なモノクローム表現が可能に
ピクチャーコントロールには、従来の「モノクローム」に加え、「フラットモノクローム」(中間調が豊かで柔らかな印象) と「ディープトーンモノクローム」(シャドー部の黒つぶれを抑えてダークトーンを再現) を新たに搭載。さらに、ワンアクションで瞬時にモノクロームモードに切り替わる専用レバー「静止画B&Wモード」を搭載する。
このほか、ピクチャーコントロールの新モードとして、「リッチトーンポートレート」がある。白とびを抑えながら豊かな階調で人物の肌を表現するもので、肌のディテールが残せるため、レタッチで仕上げる際のベース画像にも適している。
■最先端技術による優れた撮影性能
撮像素子には、「Z 6II」と同じ画素数の有効2450万画素CMOSセンサー、画像処理エンジンには最新の「EXPEED 7」を搭載。AFでは高い追従性能を発揮し、動く被写体にピントを合わせ続ける。被写体検出AFは、「Z 8」と同様に9種類の被写体 (人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機) に対応する。
対応するレンズのVR機構と連動し、最高8.0段 (NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 使用時) の手ブレ補正効果が得られる5軸のボディ内手ブレ補正機構を持つ。これはニコンZシリーズで最も優れたもの。さらに、世界初の「フォーカスポイントVR」を搭載。ピントを合わせた被写体が画面の中央になく、周辺部にあっても、その位置のブレをしっかりと抑制するという。
ボディ内手ブレ補正機構を利用し、複数枚のRAW (NEF) ファイルを合成することで、高い解像感の写真を作り出す「ピクセルシフト撮影」をニコンのカメラで初めて採用。32コマの合成では、約9600万画素の高解像度画像が得られる。
■多彩なニーズに応える動画性能
「H.265 10bit」の内部記録に対応し、外部レコーダーを使用せずに、本格的な動画撮影が可能。6Kのオーバーサンプリング (FX時のみ) による4K UHD画像生成にも対応し、高画質な動画撮影をサポートする。また、最長約125分の4K UHD/60p (DX時のみ) 動画を記録できる。
さらに、「Z 9」に搭載されているISO感度の1/6段設定や、動画記録中の赤枠表示など便利な動画撮影機能も継承されている。新機能としては、動画「Sモード」があり、シャッタースピードを固定した自動露出撮影が可能になった。動画撮影時に有効な電子手ブレ補正の効果も向上している。
■ダブルスロットを搭載
記録媒体は、SDメモリーカードとmicroSDメモリーカードの2種類に対応。両メディア用のスロットを持つダブルスロットになっている。SDメモリーカード (SD / SDHC / SDXC) はUHS-II規格に対応、microSDメモリーカード (microSD / microSDHC / microSDXC) はUHS-I規格に対応する。静止画の記録フォーマットは、NEF (RAW 14ビット) とJPEGに加え、新たにHEIFに対応する。
電子ビューファインダーは、約369万ドットの有機ELパネルを用いた高解像タイプで、倍率は約0.8倍と高い。背面の液晶モニターは、3.2型 約210万ドットのタッチパネル式で、可動方式はバリアングル式となっている。液晶モニターを内側にして収納すると、液晶モニターが隠れるため、フィルムカメラのような感覚でファインダー撮影を行うこともできる。
バッテリーには、「Z 8」「Z 7II」「Z 6II」「D850」などで使用される「EN-EC15c」を採用。バッテリーチャージャーは付属せず、ボディのUSB Type-C端子に同梱のUSBケーブル (UC-E25) を接続し、ボディ内充電を行なうことができる。
Z f のホールド性を高める「Z f用エクステンショングリップ Z f-GR1」
「Z f」のボディ右手側には、指がかりのある小さな膨らみがあるが、大型のレンズを装着した際などのホールディング性を高めるグリップが欲しくなる。本製品は、「Z f」専用のグリップで、持ち運びしやすいサイズ感を損なうことなく、ホールド性を高める。価格はオープン。
底部には、「Z f」のバッテリー交換を妨げない構造がとられており、アルカスイス互換の形状を採用し、雲台への着脱がしやすくなっている。
Nikon Z f 主な仕様
有効画素数 2450万画素
撮像素子 CMOSセンサー (ニコンFXフォーマット)
マウント ニコン Z マウント
ISO感度 ISO 100〜64000 (拡張 ISO 50相当〜204800相当)
シャッター速度 1/8000〜30秒
ファインダー 0.5型 約369万ドット OLED電子ビューファインダー (倍率 約0.8倍)
画像モニター 3.2型 約210万ドット バリアングル式TFT液晶モニター (タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)、microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカード (UHS-I対応)
サイズ (幅×高さ×奥行) 約144×103×49mm
質量 約630g (本体のみ)、約710g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15c (端子カバー付き)、ストラップ AN-DC27、接眼目当て DK-33、USBケーブル UC-E25、アクセサリーシューカバー BS-1、ボディーキャップ BF-N1