CAPAのモータスポーツフォトコンテスト「流し撮りGP」2023年のシリーズチャンピオンは、宮城県在住の佐々木大介さんに決定しました。その栄誉をたたえ、佐々木さん自選による「チャンピオンズギャラリー」を紹介します。作品とインタビューをお楽しみください。
現場でフレーミングをしっかり決めて撮ることを心がけています
チャンピオンズギャラリー開催のチャンスをいただきありがとうございます。私がモータースポーツに興味を持ったのは、9歳の頃にスポーツランドSUGOで観戦したスーパー耐久レースがきっかけでした。
その後、東日本大震災を経てカメラに興味を持ち、2017年頃からモータースポーツ写真を中心として本格的にスポーツ写真を撮り始めました。2023年には一般社団法人日本スポーツ写真協会に新設された準会員制度に入会し、より一層スポーツ写真の撮影を楽しんでいます。
今回は、「流し撮りGP 2023」への応募作品を中心に、過去に入賞したお気に入りの写真と併せて選びました。お楽しみいただければ幸いです。
いつも撮影で気をつけているのは、フレーミングをしっかり決めて撮影することです。写真の縦横比を変えている作品もあるのですが、基本は撮影現場で決めて、撮影時に慎重にフレーミングして撮っています。
撮影上の設定はほぼマニュアルですが、ホワイトバランスをいちばん重要視しています。可変NDフィルターを使用する場合は、露出を暗めにした写真の発色が青っぽくなる傾向を感じているので、こまめにホワイトバランスに注意して撮影しています。
CAPA「流し撮りGP 2023」チャンピオンズギャラリー
2023第1戦 1位
2023年第1戦でGP1位獲得の作品です。富士スピードウェイで春に行なわれたSUPER GT公式テストで撮影。前方を走るマシンからの水飛沫に力強く突き進む姿を捉えました。寒々とした中に少しマゼンタ寄りに調整しています。赤く光るフォグライトが白トビしないのはこのマシンだけでした。
2020第5戦 1位
3年前の2020年第5戦で初のGP1位を獲得したときの作品です。富士24時間レースです。雷雲が迫るなか「あともうちょっとだけ」と、1コーナーにて撮影。当時はまだ「流し撮りGP」がプリント応募だったので、この写真の応募予定はなかったのですが、気まぐれに印刷してみたら良い感じに見えてきて、今ではお気に入りの一枚に。
2021第2戦 2位
2021年第2戦でGP2位獲得の作品です。富士のSUPER GT、レース終盤にコカ・コーラコーナーにて3位争いする2台のNSXのバトル。まさにスポーツする瞬間です。こういう写真をたくさん撮りたい!
2023第2戦 2位
2023年第2戦でGP2位獲得の作品です。SUGOの全日本ロード公開テストにて撮影。勢いよくバッグファイヤーが起きるのはこのマシン1台だけ。後続のマシンとの重複具合が良いアクセントとなりました。
2023第8戦 4位
2023年の最終第8戦でGP4位獲得の作品です。2023年シーズン終了直後にSUGOで行われたテストにて撮影。白いガードレールがレフ板代わりとなり、その反射光でマシン側面が照らされることによって姿がくっきりと描写されています。
2023第5戦 応募作品
2023年第5戦応募作品のうちの1枚です。2023年は初めて全日本モトクロスを観戦。巻き上がる泥をもっと生かせるよう頑張ります。ちなみにモトクロス撮影は、カメラがとても汚れます。
2023第3戦 3位
2023年第3戦でGP3位獲得の作品です。初観戦のモトクロスで試し撮りから生まれた作品。力強く坂を走り抜けるイメージを、低速シャッターで表現してみました。
お気に入りの1枚
流し撮りGPに応募はしていませんが、お気に入りの1枚です。秋にSUGOで開催された全日本モトクロスで撮影。SUGOのモトクロスコースは高低差があって、撮影していてとても面白いです。
2023第6戦 予選通過
2023年 第6戦で予選通過の作品。これも試し撮りをしている最中に生まれた1枚です。マシンへの光の差し方が良い感じに思えました。
2023第5戦 5位
2023年 第5戦でGP5位獲得の作品です。マシンは「SUGOラウンド限定カラーリング」ということで、撮らずにはいられません。エヴァカラーかっこいい!
お気に入りの1枚
流し撮りGPに応募はしていませんが、お気に入りの1枚です。高速シャッターでマシンの動きを止めて、露出アンダー気味に撮影すると、はっきりと出現するレコードライン。
お気に入りの1枚
こちらも流し撮りGPに応募していませんが、お気に入りの1枚です。SUGOで行なわれたSUPER GTのテスト走行で撮影。光の条件がとても良くて、いろいろな構図を試しながら遊んでみました。
2023第7戦 応募作品
2023年 第7戦応募作品の1枚です。ひさしぶりの鈴鹿サーキット、F1観戦は初めて。隣で撮影されていた方のレンズに反射した光を画面内に入れることで、大きな玉ボケを作ってみました。もう少し遊んでみたいところです。
『CAPA』2024年1月号には「流し撮りGP 2023」最終戦となる第8戦の結果と、小林稔審査員長の講評が掲載されています。
「流し撮りGP 2024」は4月スタート
「流し撮りGP 2024」は2024年4月15日から応募エントリーを受付開始の予定です。審査委員長は写真家の小林稔さん (日本レース写真家協会 [JRPA] 会長)。流し撮り作品の迫力や撮影技術など、写真の総合力を評価・審査します。
https://getnavi.jp/capa/info/capaph/2/