2025年6月28日、東京都立川市・国営昭和記念公園にてヨドバシカメラ主催の「第5回 東京 昭和記念公園 モデル大撮影会」が開催された。
梅雨の合間だというのに、真夏顔負けの快晴となった国営昭和記念公園で開催されたヨドバシカメラ大撮影会。1年を通して全国各地で開催されるヨドバシカメラ撮影会だが、なかでも昭和記念公園は、関東一円から参加者が集まる大規模なポートレート撮影会だ。女性や高校生の参加者が比較的多いので、初心者でも参加しやすいのがメリット。さらに30歳以下には参加料金の割引もあり、人気を集めている。
撮影会は午前と午後の部に分かれ、それぞれ2時間行われる。今回は約700人の参加者が集まった。
豪華な指導陣とモデルが集結! 貸し出し機材もたっぷり
指導講師として、日本を代表するプロカメラマン12人が一堂に会した。

モデルは総勢24人。こちらも日本を代表する事務所から厳選され、大集合。撮影会中は、カメラマン1人にモデル1〜3人が配置され、チームを組む。今回は男性モデル2人も登場した。

各メーカーから最新機材を借りて撮影できるのも、ヨドバシカメラ大撮影会の特徴。キヤノン、ニコン、ソニーなどの国内メーカーに加え、今回はライカやハッセルブラッドといった海外メーカーも参加。普段なかなか借りて撮影することができないだけに貴重な機会となった。
また、シグマやタムロンのレンズ、マルミやKaseのフィルターなどアクセサリーも借りられるとあって、各ブースとも大いに賑わっていた。
各カメラマンにはヨドバシカメラのスタッフ数人が付き、モデルのケアやレフ板などのサポートに回る。さらに各メーカーのスタッフも同行して、操作の不明点などをその場で参加者に教えてくれた。

初心者も安心して参加できる
ヨドバシカメラ大撮影会で初めてポートレート撮影を体験するという参加者も多い。そんな参加者のために必ず「初心者コース」が設けられているから、まったくのカメラ初心者でも十分楽しむことができる。今回の初心者コース講師は西尾豪さん。フリップによる図解なども交えて、カメラの操作方法からモデルへの接し方まで、ポートレート撮影のノウハウを教えてくれた。

初心者コースで、楽しそうにカメラを向け合ったりしていた工業高校の写真部員3人を発見。Nくんが借りたのは「ソニー α7R V」と「シグマ 28-105mm F2.8 DG DN | Art」。「自分のカメラよりAF性能がすごいです。初心者講座は知らないことが学べて貴重な機会になりました。午後はハッセルブラッドを借りたいです」
Tくんは「ニコン Z5II」と「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」を借用。「ボケの美しさに感動しましたが、重さに驚きました。今回楽しかったので、今後は人を撮っていきたいです」
Aくんは「キヤノン EOS R5 Mark II」と「RF135mm F1.8 L IS USM」を借用。「ボケがきれいで驚きました。モデル撮影は少し気恥ずかしいですね」と、語ってくれた。学んだことを生かして、ぜひ頑張っていい写真を撮ってほしい。

それぞれの講師ならではのさまざまな指導が受けられる
ポートレート写真のカメラマンといえば、『CAPA』の表紙撮影を長く続けてきた土屋勝義さん。夏の光を生かしたポートレートの撮り方を伝える熱い指導に、参加者もヒートアップ。常にモデルのことを気遣いながらも、プロとしてのポージング指導など一切手を抜かないのが土屋流。

今回は、モデル側のちょっとしたひと工夫が光っていた。HARUKIさんのグループでは、女の子とギターという興味深い組み合わせで撮影を楽しむことができた。衣装や日傘などはあったが、ここまで小道具を用意してきたモデルさんは珍しいかもしれない。


織作峰子さんのグループで男性モデルを発見。意外と男性参加者が夢中になって男性モデルを撮っていたのが印象的だった。大撮影会では今後、男性モデルも定着しそうだ。織作さんからは、「男性は女性と違い、肌を明るくしすぎないように注意しましょう!」とアドバイスが。

山本まりこさんとその江さんのグループに、佐藤倫子さんのグループが合流。木漏れ日が美しい並木通りで、モデル6人による行進となった。まるでドラマのような光景が撮れるとあって、参加者も大喜び。3つのグループが集まっただけに、囲みの人数もものすごいことに。

ヨドバシカメラの撮影会では毎回精力的に指導している山岸伸さん。取材に訪れたタイミングでは、日傘を利用してちょっとした陰をつくる方法をレクチャー中。どうやったらモデルを美しく撮影できるかを考え、アイデアを出していく重要性を伝えていた。

イルコ・アレクサンダロフさんは、どんなシチュエーションでもライティングをして撮影するのがポリシー。準備していたストロボのトリガーを参加者に渡して、撮影体験をさせてくれていた。

河野英喜さんが、ヨドバシカメラ大撮影会に久しぶりに参戦。広い公園の敷地内から、最適な撮影位置を瞬時に捉えて参加者を誘導。背景も計算しながら、ベストなポジション選びをアドバイス。「ピントを合わせられない」という初心者にも丁寧に対応していた。

塙真一さんのグループは、午前の部には浴衣で登場するモデルも。浴衣の全身がきれいに撮影できるヌケの良いポイント選びや、モデルの個性に合わせて肌をきれいに撮る方法などをアドバイス。話題の「富士フイルム X half」を使って撮影しながら、参加者と交流する場面も。

HASEOさんのモデルは2人とも豪華なドレスで登場。屋外の撮影会であっても、HASEOさんテイストの写真を撮ることにこだわりを見せるレクチャーだった。クラシック音楽に合わせてモデル2人が森をさまよったあとで合流するという、ストーリー性のあるシチュエーションを演出してくれた。
「与えられた状況をただ撮るのではなく、モデルの動きを見て自分だけの視点で、自分だけの物語を心に思い浮かべてください。自由にイメージを広げて心で組写真を作れるようになると、どんな撮影も楽しくでき、そして必ず写真も変わります」とHASEOさん。

今回のヨドバシカメラ大撮影会は、男性モデルの登場、衣装や小道具など、新しさが強く打ち出されていた。参加者もさまざまなシチュエーションを撮ることができて、とても満足度の高い撮影会だった。最後に「CP+2025」でソニーブースに出演し、CAPAブースにも遊びに来てくれたモデルの桃さんに、ヨドバシカメラ大撮影会に出演した感想を聞いた。
「たくさんの方が撮りに来てくださって嬉しかったです。大勢のカメラマンに囲まれての撮影なので、目線を配る順番とかも含めて、撮る側と撮られる側のコミュニケーションが必要だなと感じました。午前の部は河野先生のグループだったのですが、すごくわかりやすく説明してくださっていて。カメラの位置に対する顔の角度だったり、私もすごく勉強になりました。今後のモデル活動に生かせます」と、出演したモデルにとっても実りあるものとなったようだ。

取材スタッフも撮ってみた!
今後のヨドバシカメラ撮影会
2025年は9月にも再び昭和記念公園で大撮影会が行われる。必ず得られるものがあるので、興味を持った人はぜひチャレンジしてほしい。また、9月6日には福岡にて「第3回 福岡舞鶴公園モデル大撮影会」も予定されている。ほかにもいろんな撮影会が企画されるので、チェックしておこう。
■2025年9月6日 (土)
第3回 福岡 舞鶴公園 モデル大撮影会
■2025年9月20日 (土)
第6回 東京 昭和記念公園 モデル大撮影会
※参加の申し込みはヨドバシカメラのWEBサイトまたは店頭にて。
https://www.yodobashi.com/store/300023/
〈文〉稲葉利二