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オリンパス “F1.2 PRO” シリーズのこだわりのボケ味が写真に命を吹き込む!

オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」がカメラグランプリ2018レンズ賞を受賞した。美しくにじむようなボケにこだわり、3本揃った “F1.2 PRO” シリーズの魅力を紹介しよう。

オリンパスF1.2 PROシリーズ

新たなレンズ選択を提案した画角の異なるにじむボケ描写

マイクロフォーサーズで撮影しているとき、交換レンズの画角はつい習慣で35ミリ判に換算した焦点距離で考えてしまう。それくらい焦点距離の数字というのは撮影やレンズ交換においては重要な意味を持っている。ところがこのF1.2 PROシリーズは、ボケ描写を特徴的な要素にしたことで、別のレンズ選択の在り方をも提案している。

まずは十分に達成されたシャープさのうえに「にじむようなボケ描写」を大きな魅力にしている。このにじむボケは写真においては「味わい」を醸し出すもので、背景を柔らかくぼかすことから写真の品性をも高めてくれる。

そしてレンズの選択も、画角で考えながらも被写体と撮影距離によるボケ量の違いで行なうことができる。すなわち17ミリ、25ミリ、45ミリという3つの焦点距離による画角とボケ描写の関係という、新たな考え方によるレンズ選択である。これは開放F値が同じF1.2でも、被写体との撮影距離によって変わる被写界深度がぼける量をコントロールし、そのための要素として3つの焦点距離が用意されている、ということでもある。

その要となる「にじむようなボケ」とは、フルコレクションと呼ばれる一般的な球面収差の補正とは異なり、まず球面収差をほぼゼロになるよう高度に補正し、そのうえで開放付近の球面収差だけを補正曲線においてはレンズ側に曲がるようにしたもの。フルコレクションのレンズではフォーカスを合わせた後ろのボケが目障りな二線ボケになってしまうが、このF1.2 PROシリーズの球面収差補正は逆に、心地よくにじむようにぼけていく。

このにじむようなボケはフォーカスを合わせたすぐ後ろ、被写界深度から外れたあたりから後ろのいわゆる微〜小ボケの領域に現れる。そしてこのにじみは絞り開放時に最大となり、絞るとにじんだところからカットされていくので、F1.2、1.4、1.6と1/3段の違いでにじむ量は変化していく。また、にじむボケは、その傾向を残しながら後ろへとぼけていくので、総じて後ボケも柔らかい。

3次元の被写体を2次元の平面画像に置き換えたとき、ボケが発生する。そのボケを心地よく仕上げながらも、高い解像性能と両立させているのが、この3本のF1.2 PROシリーズ。写真に品性と命を吹き込む描写が、撮影をさらに心踊るものにしてくれる。

 

カメラグランプリ2018 レンズ賞受賞!

カメラグランプリ2018において「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」がレンズ賞を受賞。レンズ賞は2016年の「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」、2017年の「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」に続き、オリンパスのPROレンズが3年連続の受賞となる。

オリンパスF1.2 PROシリーズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
オリンパスが世界で初めて量産化に成功した、強いパワーを発揮する大偏肉両面非球面を特殊低分散ガラスで作ったED-DSA レンズ。収差を極めて高度に補正しつつ、そのうえで心地よいボケ描写をも可能にした理想のレンズ技術。
希望小売価格:165,000 円(税別) レンズ構成:11群15枚 最短撮影距離:0.2メートル 最大撮影倍率:0.15倍(35ミリ判換算0.3倍相当) 絞り羽根:9枚(円形絞り) フィルター径:62ミリ 大きさ:外径68.2×全長87ミリ 質量:390グラム

 

美しいボケと解像力を両立した “F1.2 PRO” シリーズ

F1.2 PROシリーズはレンズの構成枚数が多いが、これはレンズ個々の曲率を緩くすることで収差の発生を元から抑えるため。そしてこれを可能にしたのがZコーティングナノとZコーティングによる優れた反射防止。逆光性能の高さは実際の撮影でも感じることができる。

オリンパスF1.2 PROシリーズ

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO(左)
希望小売価格:165,000円(税別) レンズ構成:10群14枚 最短撮影距離:0.5メートル 最大撮影倍率:0.1倍(35ミリ判換算0.2倍相当) 絞り羽根:9枚(円形絞り) フィルター径:62ミリ 大きさ:外径70×全長84.9ミリ 質量:410グラム

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO(右)
希望小売価格:165,000円(税別) レンズ構成:14群19枚 最短撮影距離:0.3メートル 最大撮影倍率:0.11倍(35ミリ判換算0.22倍相当) 絞り羽根:9枚(円形絞り) フィルター径:62ミリ 大きさ:外径70×全長87ミリ 質量:410グラム

 

球面収差を独特な形に補正することで実現した “にじむボケ”

理想レンズと言われる無収差レンズのボケ描写は無味無臭の味気ないものになる。ここで、にじむ味を生み出すのが球面収差曲線が開放付近でレンズ側に少し曲げるようにした補正。

オリンパスF1.2 PROシリーズ

 

にじむボケを技術的に可能にしたオリンパスの収差測定技術

顕微鏡レンズの開発で得られた超精密なレンズの測定技術を生かして収差と「レンズの味」と言われるにじみの関係を定量的に測定。ここから得られた多くのデータが、PRO シリーズの特徴的なボケ描写に生かされている。

オリンパスF1.2 PROシリーズ

 

オリンパス開発陣が “美しくにじむボケ” にこだわった “F1.2 PRO” シリーズ!

オリンパスF1.2 PROシリーズ
左から加藤茂氏、宮田正人氏、三木真優氏、小野憲司氏

加藤 茂 氏
オリンパス株式会社 技術開発部門 光学システム開発本部 光学システム開発3部 部長
ボケの大きさや形だけではなく、合焦面からアウトフォーカスしていく小さなボケの領域、「微ボケ」や「小ボケ」と呼ばれているゾーンの「ボケの質」にこだわって開発しました。

宮田正人 氏
オリンパス株式会社 技術開発部門 光学システム開発本部 光学システム開発3部 1グループ グループリーダー
非球面レンズを初めとした各レンズの加工精度から組み立てまで、より高いレベルで実現しています。また、新しい硝材やパーツ素材なども積極的に採用しています。

三木真優 氏
オリンパス株式会社 技術開発部門 光学システム開発本部 光学システム開発1部 2グループ 課長代理
膨大なシミュレーションによりボケの質と解像性能にこだわっています。ピントの合った被写体をより自然に浮かび上がらせ、立体感のある描写を目指しました。

小野憲司 氏
オリンパス株式会社 技術開発部門 映像開発本部 映像商品企画部 商品企画1グループ
描写に徹底的にこだわったためレンズ枚数が増えていますが、AFは小型軽量な1つのレンズ群で構成し、PREMIUMレンズなどと同等以上のAF性能を実現しています。

 

■OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II 12-40mm F2.8 PRO キット登場!
フラッグシップミラーレス一眼「OMDE-M1 Mark II」に、高性能な「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」をセットにしたキットモデルが登場。高速・高精度なAFと、防塵・防滴・耐低温性能が、過酷なフィールド撮影を支える。大変お買い得なキャッシュバックキャンペーンを実施中!!

オリンパスF1.2 PROシリーズ
2018年6月15日発売 オープン価格

 

 

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