特集

新世代の望遠ズーム「EF70-200mm F4L IS II USM」で陸上選手たちの “挑戦” に迫った

カメラバッグの中を拝見!

陸上日本選手権取材の携行機材

大口径単焦点レンズがメイン。スポーツ撮影の “標準レンズ” ヨンニッパとEF35mm F1.4L II USM、それにEF70-200mm F4L IS II USMの3本を基本セットとし、表現を広げるために超広角ズームとシフトレンズを準備。収納力を稼ぐため、キャリーバッグの中仕切りはすべて外し、それぞれのレンズを柔らかなポーチ類に包んでバッグに収納する。


〈カメラ〉 EOS-1D X Mark II(3台) 〈レンズ〉 EF11-24mm F4L USM / EF70-200mm F4L IS II USM / EF35mm F1.4L II USM / EF85mm F1.4L IS USM / TS-E90mm F2.8L マクロ / EF400mm F2.8L IS II USM / エクステンダー EF1.4×III / エクステンダー EF2×III 〈その他〉 スピードライト 600EX II-RT / CFカード/64GB(3枚) / CFast/64GB(3枚) / ノートPC / キャリーバッグ、バックパック(シンクタンクフォト) / 一脚(ジッツォ) / リモコン撮影システム

レンズに求める性能はすべて人間を捉えるため

奥井さんにインタビューしたのは大会3日目。相当数のカットを撮ったあとのことだ

「逆光に強くなっていますね。厳密な比較ではありませんが、スタジアムの照明をもろに画面内に入れた構図でも、ゴーストやフレアは全く気にならない。逆光耐性が向上しているからなのか、AFの迷いもほとんどなく、気持ちよくスッとピントが選手に合いました」

ここで、レンズに求める資質をたずねてみると、「機動性と描写性の高さ」と即座に答えが返ってきた。一瞬をモノにしなければならないスポーツ写真では、ベストなポジションをどれだけ素早く確保できるか、現場でいかに疲労を最小限に抑えられるかなどが重要なのだ。
「記録性に加え、作品として仕上げるべく、レンズの描写性能にも留意しています」

絵づくりでのこだわりが、光と背景だ。そのため、カメラのカスタマイズやAFの設定に独自の哲学がある。それらは皆、「アスリートという人間を描きたいがため」。当然、勝者がいれば、敗者も生まれる。負けた選手にレンズを向けるのは心苦しいが、結果は事実として撮らなければならない。
「とはいえ、必要以上に迫り、バシャバシャ連写するような強引さは避けたい。そういえば昨夜、負けてしまったある選手から、『今日は撮影ありがとうございました。次は勝利の瞬間を撮ってもらいますから』とメールをもらいました。当たり前ですが、トップ選手もひとりの人間。相手を思いやる気持ちがとても大切なんだと心から感じています」。

奥井さんはこれからも “人間ドラマ” を追い続ける。頼れるEFレンズとEOSシステムとともに。

アスリートたちの一瞬を捉えたレンズ

EF70-200mm F4L IS II USM(別売の三脚座装着時)
EF70-200mm F4L IS II USM
機動力と画質に定評のあるキヤノンの「EF70-200mm F4L IS USM」(2006年11月発売)が、11年以上の時を経てリニューアル。従来の高画質を継承しつつ、EFレンズとして初めてシャッタースピード換算で5.0段分の手ブレ補正を実現するなど、大幅にスペックアップした。
http://cweb.canon.jp/ef/info/ef70-200/index.html

フリーカメラマンの仕事とは!?


陸上専門誌の仕事も多い奥井さん。新聞社の写真記者ほど速報最優先ではないため、JPEGではなくRAW記録。当然、オファーによっては急いでプレスルームから送信しなければならない場合もある。「ほかのカメラマンとは違う写真を!」と肝に銘じている。

プロフィール


フリーランスフォトグラファー 奥井隆史さん
1968年、東京生まれ。スポーツフォトエージェンシー「フォート・キシモト」を経て、96年に独立。陸上競技をメインに、光と影を駆使して人間を描き続けている。日本スポーツプレス協会、国際スポーツ記者協会各会員。シンクタンクフォトのアンバサダーフォトグラファーも務める。

 

 

第102回 日本陸上競技選手権大会 2018年6月22日~24日
〈協力〉日本陸上競技連盟、東京写真記者協会 〈取材執筆〉金子嘉伸 〈取材撮影〉我妻慶一 〈撮影協力〉高橋 学(AJPS)

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3