価格と性能のバランスが取れて大人気となったドローン「Mavic Pro」の後継機が発売された。「Mavic 2 Pro」と「Mavic 2 Zoom」、2タイプの機体は何が違うのか、実際に飛ばして調べてみた。
① Mavic 2 Pro編はこちら→ https://getnavi.jp/capa/report/281305/
③ 結論編はこちら→ https://getnavi.jp/capa/report/281427/
24〜48ミリ2倍ズーム搭載の多機能機 DJI Mavic 2 Zoom
Mavic 2 Zoomは1/2.3インチ1200万画素のCMOSセンサーに、4K動画撮影が可能と、従来とスペックは変わらないが、レンズは24~48mm相当の光学ズームを採用。より変化のある描写が楽しめる。さらにフルHD動画の場合、48〜96mm相当までのロスレスデジタルズームも可能。Mavic 2 Zoomのみの機能として、自動で撮影した9枚の写真を合成し、4800万画素の静止画が得られる「超解像度写真」と、光学ズームとロスレスデジタルズームを組み合わせて背景が迫るような効果の得られる「ドリーズーム動画」の撮影機能が加わった。Mavic 2 Proと同じく、ハイパーラプスや自動追尾と障害物検知機能を組み合わせたアクティブトラック2.0など多彩なインテリジェント撮影機能も搭載している。
参考価格 178,200円
[センサー]有効1200万画素1/2.3型CMOS [レンズ] 24~48mm相当 [絞り]F2.8(24mm)〜F3.8(48mm) [ISO感度]動画ISO100~3200、静止画ISO100~3200(マニュアル) [シャッター速度]電子シャッター 8~1/8000秒 [静止画サイズ]4000×3000 [動画]4K 3840×2160 24/25/30p [機体重量]905g [サイズ]収納時214×91×84mm、展開時322×242×84mm [対角寸法]354mm
■飛びながらの撮影とは思えない超解像度写真
安定した飛行と補正効果の高い3軸ジンバル、そして精度の高いステッチングで1/2.3型センサーで撮影したとは思えない高品質な仕上がりだ。ここぞというシーンに出会ったら、ぜひトライしてみてほしい。
▲通常の撮影
▲超解像度写真
■9枚を合成して上下2倍の大きな画像を生成
空中で9カットの画像を撮影し、それを自動的に合成。4800万画素(8000×6000)の写真を生成する超解像度撮影にも対応。繋ぎ合わせの精度も高く、高解像度で空撮を楽しみたいMavic 2 Zoomユーザーは積極的に活用したい機能だ。
■Mavic 2 Zoomは民生用として初めて光学ズームを搭載
画角はフルサイズ判換算で24mm相当から48mm相当。2倍ズームというと心もとなさそうだが、実際は思いのほか写りの違いは大きい。なお、絞りは開放固定で、ワイド端F2.8、テレ端F3.8。そのため静止画をメインとするユーザーもNDフィルターは必須。
■動画はさらに2倍のデジタルズームが可能
鏡筒にはスイッチ・レバーの類はなく、ズーミングは送信機から行なう。レンズ先端を外すことができ、純正もしくはサードパーティ製の光学フィルターを装着できる。フルHD動画撮影時は48mm相当から96mm相当のロスレスデジタルズームも可能。
■Movic 2 Zoomのズームを生かして簡単に撮影できる「ドリーズーム」
ドリーズームとは、被写体からカメラが離れながらズームインする動画撮影技法。被写体の大きさは変わらず、背景の遠近感のみが変化することで、背景が被写体に近づいてくるような非現実的で独特の視覚効果が得られる。著名な映画監督ヒッチコックが1958年に発表した映画「めまい」の中で使用したためバーティゴ・エフェクト(=めまい効果)とも呼ばれる。Mavic 2 Zoomにはこのドリーズーム機能が搭載されており、わずかな操作のみで簡単に撮影が楽しめる。
写真・解説/大浦タケシ
モデル/日下部美愛(アイ・エヌ・ジー)