価格と性能のバランスが取れて大人気となったドローン「Mavic Pro」の後継機が発売された。「Mavic 2 Pro」と「Mavic 2 Zoom」、2タイプの機体は何が違うのか、実際に飛ばして調べてみた。
① Mavic 2 Pro編はこちら→ https://getnavi.jp/capa/report/281305/
② Mavic 2 Zoom編はこちら→ https://getnavi.jp/capa/report/281398/
高性能なカメラ搭載機と便利なズームレンズ搭載機、Mavic 2シリーズはどっちを選ぶ?
Mavic 2は同じ機体で2機種のカメラから選べる
「Mavic 2 Pro」(以下Pro)および「Mavic 2 Zoom」(以下Zoom)は、DJIの民生用ドローンの中で、ミドルレンジに位置づけされる最新モデルだ。参考までにMavicシリーズの上位には同社を代表するPhantomシリーズがあり、下位にはより小型で4K動画撮影対応の「Mavic Air」、さらにその下にエントリーモデル「Spark」がある。
ProとZoomは、カメラが異なるものの機体は共通で、先代同様に折り畳み式のアームとプロペラを採用。アームを広げるとPhantomに迫る大きさだが、折り畳むと思いのほかコンパクト。機体が大きくなるとフライト時の安定度は増すものの必然的に可搬性は低下してしまうが、それに応えたもの。送信機もスマホの液晶画面を利用することでコンパクトな仕上がりだ※。
▲Mavic 2 Pro
▲Mavic 2 Zoom
飛行性能もより向上した
そのほかに注目すべきは、前後左右そして上下の全方向障害物検知システムを搭載していること。どの方向を向いてフライトしても、障害物があれば、その時点で進むのを停止するか、自動的に避けてフライトを続けてくれる。DJIのドローンは安全飛行のためさまざまな機能を搭載するが、特に本シリーズの上方向への障害物センサー搭載はほかに類を見ないもので、数あるドローンの中でもその安全性は最たるものとなっている。
バッテリーはフル充電の場合、最大飛行時間31分(先代モデル27分)を実現。実際はフライト方法によって変わってくるが、少しでも長く飛ばせるのはありがたい。さらに低ノイズプロペラの採用や、8GBストレージを機体に内蔵。いずれのモデルも単に空撮のみに止まらず多彩な撮影が楽しめるドローンに仕上がっている。
多彩な動画撮影が楽しめる!
■宇宙に飛び出すような動画「アステロイド」
自動撮影機能のひとつ。被写体から斜め上方向に飛行しながら遠ざかり、最後に360度のパノラマ写真をつくる。画面の変化が大きいため、見る人にインパクトを与える動画だ。通常のフライト撮影に飽きたら、試してみよう。
■被写体を自動で追いかける「アクティブトラック2.0」
補足した被写体を最初に設定した距離を保ったまま追い続ける撮影機能である。アステロイド同様以前からDJIのドローンには搭載されているが、より補捉精度が向上するとともに、被写体の動きを予測してフライトできるようになった。
結論! 画質で選ぶならPro、撮影が楽しいZoom
悩みどころは、Mavic 2 ProとMavic 2 Zoom、どちらのMavic 2を選択すればいいかだ。とにかく写真の品質を第一に考えるなら1型センサーを積むPro。単焦点レンズの写りの良さや絞り機構の搭載と相まって満足できる映像や写真が得られるはずだ。
動画も含むさまざまな撮影を楽しみたければ文句なくZoom。光学2倍のズームレンズによりこれまでと異なる遠近感の写真が得られ、さらに超解像度写真や動画ではドリーズーム撮影も楽しめる。表現方法が格段に広がったことで、作品作りも大きく変化するはずだ。
どちらを選んでも後悔することはないが、購入の際は自分の撮りたいイメージをよく考えて選択しよう。
※DJIのドローンをスマホなしで操縦できる「DJI スマート送信機」が発売された。Mavic 2 ZoomやMavic 2 Proにも対応する。参考価格 83,700円。
https://getnavi.jp/capa/news/280730/
写真・解説/大浦タケシ
モデル/日下部美愛(アイ・エヌ・ジー)