機材レポート

昔の苦労は何だったのか……ソニー「α6400」の実写で最先端の“瞳AF”に脱帽

今年2月に発売されたソニー「α6400」(ボディの実売価格:11万2070円)。前回記事では外観や操作性など、APS-C機らしい魅力について紹介したが、今回がα6400最大の特徴ともいえるAFの進化について解説する。

 

ソニー α6400実写レビュー
〈前編〉外観&操作性をチェック! https://getnavi.jp/capa/report/296170/

 

リアルタイムの「瞳AF」の精度に感嘆! もはやピントを意識しないほど

α6400のAF測距点は425点。画面の端でも測距ができる広いエリアを持つ。AF速度も約0.02秒の世界最速を実現した。シャッターボタンを半押しするとスッとピントが合い、レスポンスの良さを実感する。

AFは425点。画面全体の約84%をカバーする広いエリアを持つ。瞳が中心から大きく離れていてもピントが合った写真が撮れる。

 

そして瞳AF機能も進化。検出精度や検出速度が向上し、人物にカメラを向けると瞬時に瞳を捉える。しかも人物が動いても瞳を追い続ける「リアルタイム瞳AF」により、動きのあるポートレートも楽々。

α6400を構えて、構図と表情だけ意識しながらシャッターを切った。ピントはカメラ任せ。AFはしっかり瞳に合焦した。

 

ポートレートといえば、浅い被写界深度で背景をボカすことが多く、そのぶんピントはシビア。ポートレートのセオリーである瞳にピントを合わせるのは、AFになっても難しいことが多かった。しかしα6400は、ピントは何も考えず、構図と人物の動きや表情を見ながらシャッターを切るだけで、瞳にピントが合った写真が撮れる。昔の苦労は何だったのだろうと思うほど、AFの進化を感じた。

 

またAI(人工知能)を活用した「リアルタイムトラッキング」により、被写体の状況が変化しても追従が可能だ。運動会のように撮影状況が変わりやすいシーンに威力を発揮する。

11コマ/秒で歩いてくる人物を連写で撮影したうちの3枚。リアルタイム瞳AFは全く瞳を外さず追い続けてくれた。

 

基本画質も高い――解像感、高感度性能ともに良好

α6400の撮像素子は有効約2420万画素APS-C Exmor CMOSセンサー。細かい部分まで解像し、質感再現も良好だ。

約2420万画素の解像力はとても高い。建物を覆うシートの細かい目や質感をよく再現している。

 

また高感度にも強く、最高感度は常用ISO32000、拡張ISO102400。感度を上げるとノイズリダクションのせいか、被写体の細かいディテールは失われるものの、よほど拡大しなければ目立たないレベル。個人的にはISO25600でも十分実用的だと感じた。これなら屋内や夜間のスポーツなど、暗い場所で高速シャッターを切りたい条件で安心して感度が上げられる。

ISO25600で撮影。よほど拡大しなければ高感度とは思えない画質だ。

 

ただ今回、オートホワイトバランスを使用していて背景がグリーンの場合、色調がややアンバー寄りになる傾向が見られた。撮影して再生画面で色調が気になったら、太陽光などのプリセットに変更するか、RAWでも記録してパソコンで調整するのがおすすめだ。

 

瞳AFが活躍するポートレートや機動力の高さを生かせる街スナップにイチオシ

スペックではα6500に迫る性能を持つα6400。大きく異なるのが、α6400はボディ内手ブレ補正を搭載していないことだ。α6500は手ブレ補正を内蔵しているため、どのレンズを装着しても手ブレ補正が効く。しかしα6400は手ブレ補正内蔵レンズを装着しなければ手ブレ補正効果は得られない。とはいえ高感度に強いので、手ブレ補正なしのレンズでの暗所の撮影は、積極的に感度を上げるのがコツだ。

 

重さに関していえば、α6400はα6500より約50gも軽い。小型軽量でレスポンスも良く、優れた瞳AFを搭載したα6400は、ポートレートをはじめ家族写真など、人物を撮りたい人にイチオシできるカメラだ。また機動力の高さを生かして街のスナップにも使いたい。フルサイズのα9やα7シリーズとは異なる、APS-Cサイズならではの軽快さが楽しめる。

小型軽量でAFも速いので、スナップにも向いたカメラだ。

 

モデル:深沢さえ