撮ってすぐプリントできるのが単純に楽しいインスタントカメラやカメラ付きフォトプリンターだが、ここにきてその数を大いに増やしている。そんな新製品をまとめてチエック!
プリントを手軽に楽しめる新しいスタイルのカメラ
撮ったその場でプリントが得られるインスタントカメラは、デジタル時代の現在でも安定した人気を誇っている。その多くはレンズから直接プリント用紙の乳剤面に露光するものがほとんどで、そのため同じ写真を2枚、3枚とプリントして楽しんだり、凝った加工はほとんど不可能だ。もちろんデジタルカメラやスマホで撮影した写真をプリントすることもできない。
わずかにカメラ部をデジタルとし多彩なプリントに対応する“デジタルインスタントカメラ”として、富士フイルム「instax SQUARE SQ10・20」やコダック「MiniShot」(日本未発売)が存在するぐらいだった。ところがここにきてカードサイズのプリントに対応する、より手軽でリーズナブルな製品が相次いで登場してきている。
富士フイルムの「instax mini LiPlay」は、チェキシリーズのフィルムを使用するカメラ。instax SQUARE SQ10・20よりもプリントサイズが小さく、フィルムも安いため、より気軽にプリントが楽しめる。
キヤノンの「iNSPIC ZV-123」は、すでに発売されている同社のミニフォトプリンター「iNSPIC PV-123」にデジタルカメラを内蔵した製品。ペーパーも同じZINKフォトペーパーを使用する。いずれもスマホとの連携も可能で、リモート撮影のほか、スマホに記録されている写真のプリントも楽しめるなど、進化したインスタントカメラに仕上がっている。
音声も記録できるデジタル時代のチェキ! 富士フイルム「instax mini LiPlay」
▲ストーンホワイト
▲エレガントブラック
▲ブラッシュゴールド
1/5型491万画素のCMOSセンサーに28mm相当の単焦点レンズを搭載。内蔵メモリーのほかにmicroSDスロットを備えるなど、デジタルカメラそのものの機能を搭載する。量販店でのinstax miniフィルム(白地フレーム10枚入り1パック)は780円前後なので1枚あたり78円の計算だ。
背面液晶でデジカメ同様の操作性を実現
液晶モニターを装備し、プリントしたい写真の選択のほか、フィルターやフレームなどの選択を画面上で行える。コントラストは高く画像は見やすい。
サウンド機能で音を録音して画像にプラス
フィルムに音を再生するQRコードが写真とともに印刷でき、スマホでスキャンすると画像と一緒に再生される。撮影時にはシャッターボタンを全押しした前の5秒と後ろ5秒を録音し、再生しながらの録音ではサウンドボタンを押してから約10秒間記録できる。
光沢フレーム「CONFETTI」を同時発売
instax miniフィルムのフレームは、標準のホワイト以外にも多彩な絵柄が用意され、黒や単色などもチョイスできる。今回、華やかな光沢フレーム「CONFETTI(コンフェッティ)」が同時発売。
スマホで遠隔操作
スマホ用アプリ「instax mini LiPlay」を介せば、スマホをリモコンとして活用できる。アプリ画面にライブビューが表示されるので、ちょっと離れた位置からの撮影や、自分も写りたい集合写真のときなどに重宝する。
富士フイルム「instax mini LiPlay」の主な仕様
参考価格/ 18,900 円(税別)
SPEC
●撮像素子/ 1/5型CMOS原色フィルター
●焦点距離/ 28mm相当(35mm換算)
●記録画素数/ 2560×1920ピクセル
●記録メディア/内蔵メモリー(約45枚記録)、microSD
●液晶モニター/ 2.7型TFTカラー液晶
●使用フィルム/instax mini
●大きさ/幅82.5×高さ122.9×奥行き36.7mm
●質量/約255g
自撮りが楽しいカメラ機能付きフォトプリンター! キヤノン「iNSPIC ZV-123」
800万画素のCMOSセンサーを搭載。レンズは25.4mm相当の単焦点レンズ。microSDスロットを備えており、撮影した画像の記録が可能。量販店でのiNSPIC専用ZINKフォトペーパー(20枚入り)は980円前後、1枚あたり49円となる。この用紙は裏面がシールになっている。また、このZV-123からLEDリングライトを省略し、自撮り用ミラーを小型化するなど簡略化したモデル「iNSPIC CV-123」も発売中。画素数も500万画素と少なくなっているものの、通常使うには不足は感じないだろう。
自撮りのための円形ミラー
レンズの周囲には凸型の大きな円形ミラーを備え、自撮りもラクラク。シャッターボタンも左手で押しやすいレイアウト。ミラーにはフレーム枠が刻まれ、アングルを決めやすい。
ミラーを囲む8個のLEDライトを装備
ちょっと暗い場所での自撮りの際などに重宝する。リングライトとしての効果を得たいときは、なるべく被写体に近づけて撮影しよう。LEDライトの調光範囲は50~100cmだ。
落ち着いた色調のZINKフォトペーパー
色がやや沈みがちで独特の味わいがあるのはミニフォトプリンター「iNSPIC PV-123」と同様。プリントは排出されるまでに1、2分ほどかかるが、排出時にはすでにプリントが完了している。
キヤノンiNSPIC ZV-123の主な仕様
参考価格/ 19,310 円
SPEC
●焦点距離/25.4mm(35mm換算)
●画素数/800万画素
●記録メディア/ microSD(最大256GB)
●プリント方式/ Zero Ink technology
●本体サイズ/幅121×高さ80×奥行き22mm
●重量/約188g
昇華型方式で高画質なプリントを実現! コダック「インスタントカメラプリンター C210」
コダックのカメラ付きモバイルフォトプリンターが発売。1000万画素カメラと1.7型の背面液晶を搭載する。「4PASS」という昇華型熱転写方式でプリントを行なう。もちろん専用アプリによりスマホとの連携も可能で、多彩なプリントが楽しめる。ケンコー・トキナーが扱う。
コダック「インスタントカメラプリンター C210」の主な仕様
参考価格/ 15,660円
SPEC
●焦点距離/25.4mm(35mm換算)
●画素数/1000万画素
●ビューファインダー/1.77型 LCD
●プリント方式/4PASS(昇華型熱転写方式)
●大きさ/幅133.7×高さ79.5×奥行き26.2mm
●重量/約255g