機材レポート

ソニーのプロフェッショナル機「α9 II」は決定的瞬間をどこまでモノにできるか!? スポーツ撮影体験会レポート

AF&AE追従秒20コマ連写という高速レスポンスと、リモート撮影など迅速なワークフローを実現したソニー「α9 II」。その実力はいかに!? α9ユーザーのスポーツカメラマン・山田高央氏が、実践でどこまで通用するのか突撃レポート!!

▲2019年11月1日に発売されたソニー「α9 II」

 

動きが複雑で素早い競技でも的確に反応してくれた

AFが凄い! と巷のカメラマンの間で話題になっているソニーα9 II。その撮影体験会に参加する機会を得た。被写体はインドアで行われる3×3(スリーバイスリー)の男女と男子チアリーディングチーム。複雑で動きが早いうえ、上下左右にと動く範囲も広い難しい競技だ。

 

こうした競技を撮る場合、AFポイントやAF範囲などの制限によって、これまでは構図を犠牲にしがちだった。今回、体験したα9 IIは、追従精度を上げたリアルタイムトラッキングと抜群の能力を持つリアルタイム瞳AFが搭載されていて、フレーム内の意図した場所に被写体を置けば的確に認識し、思い通りの構図で撮影に専念できた。また前モデル同様にブラックアウトフリーなので、ファインダー内で常に被写体の動きや位置を把握しながら撮影を続けられ、約20コマ/秒の連写と相まって、思いの通りの一瞬が簡単に撮れてしまう。

 

カメラ内の機能設定メニューも豊富で、事前に自分の撮影スタイルに合わせてメニューを選択してカスタムボタンに設定をしておけば、異なったシーンごとの切り替えも素早くでき、最良の場面を逃すことなく撮れる。

 

さらにα9 IIでは、インドアスポーツを撮影する際に心強いメカシャッターによるフリッカーレス機能も秒10コマで新たに搭載。ほかにも画像転送やリモート撮影で重要となる通信機能も次世代のものへと進化を遂げており、あらゆるスポーツシーンにおいて、頼もしい存在となっていることを実感した。

 

約20コマ/秒追従のAFが決定的なシュートの一瞬を逃さず捉える

ブラックアウトしないファインダーで被写体の動きに合わせて素早くズーミング。約20コマ/秒の高速連写でも、リアルタイムトラッキングとリアルタイム瞳AFで完璧にロックオンして追従し続けた。ダンクシュートの決定的瞬間も、バッチリなピントと構図で逃さない。

ソニーα9 II FE 70-200mm F2.8 GM OSS F2.8 1/8000秒 ISO8000 WB:オート

 

ブラックアウトフリーの連写で横に大きく動いてもファインダーで追える

画面左のオフェンスの選手をリアルタイム瞳AFが認識すると、連写をしていてもディフェンスの選手にピントが移動することなくAFが追従撮影し続けた。ブラックアウトフリーだから、横に大きく動く選手の動きをファインダー内で確認しながら連写できる。

ソニーα9 II FE 400mm F2.8 GM OSS F2.8 1/8000秒 ISO8000 WB:オート

 

639点のワイドなフォーカスエリアで、画面いっぱいの高速の動きにも適確に反応

広範囲をカバーする693点の像面位相差検出AFセンサーが、チアリーディングの高さの変化の大きい演技にズーミングしながらでも見事に追従。電子シャッターで高速で動く被写体を撮影した際に発生するローリング現象もなく、美しい技を自然に捉えている。

ソニーα9 II FE 70-200mm F2.8 GM OSS F2.8 1/8000秒 ISO8000 WB:オート

 

遠隔操作による撮影も高速でスムーズな印象

最高約1Gbpsの高速通信を実現する1000BASE-T対応の有線LAN端子がカメラ本体に内蔵され、天井に吊したカメラで地上にいながらPCによるリモート撮影を高速で行うことができる。またWi-Fi 機能も進化し、2.4GHz帯域に加え5GHz帯域での高速な転送が可能なったのもα9 IIの進化点として見逃せない。


 

撮影・レポート/山田高央