キヤノン RF800mm F11 IS STM
スペック
[大きさ] 最大径101.6×全長351.8mm [重さ] 約1260g [レンズ構成] 8群11枚 [最短撮影距離] 6.0m [最大撮影倍率] 0.14倍 [絞り羽根] なし [フィルター径] 95mm参考価格 約124,300円 (税込)
12万円前後の800mmレンズとは思えない描写
伊丹スカイパークから。飛行機までの距離が短く、空気の揺らぎの影響も少ない状況であれば、実売12万円前後とお手ごろ価格の800mmレンズながら、色にじみや色ズレもなく、クリアでスッキリとした解像が得られるのが特徴だ。
非常に強い光源に対してはDOレンズ特有のフレアが
飛行機の前照灯や金属に太陽が鏡面反射している部分など、非常に強い点光源周りにDOレンズ特有のフレアが生じることがある。特に点光源が露出オーバー気味になっていると、ハロのようなフレアが目立ちやすくなる。RF600mmやRF800mmに共通するウィークポイントだが、それ以外は解像も良く、手ブレ補正の効きもいい。
はるか遠くの鉄塔も非常にシャープに捉えられる
自宅のベランダから夕暮れで浮かび上がった富士山を手持ち撮影。手前の塔は、昭和38年に開業したよみうりランドのスキージャンプ台で、現在はスキー場はなく、ジャンプ台の塔だけ残されている状態だが、塔の階段やフェンスまでくっきり解像できている。切り取り系の風景撮影にも威力絶大だ。
範囲は狭くなるが動物瞳AFも使用可能
多摩動物公園のオランウータンの子ども。普段は800mmで撮影することはないが、顔をドアップで撮影できるので、動物園という感じを極力排した撮影ができる。AFエリアは横約40%、縦約60%と狭くなるので、動物瞳AFで撮影するため、目がこの範囲に入るようにフレーミング。目に映る風景や睫毛もクッキリ解像できている。
羽の毛の一本一本まで鮮明に解像
被写体までの距離約5mと好条件で撮影できたカワセミ。ただ、画面いっぱいに撮影するには800mmでも足りなかったので、「EOS R5」の4500万画素という余裕のある画素数を生かし、APS-Cクロップで1280mm相当で撮影。まるで、剥製を撮影したみたいに、カワセミの細かな羽根の模様が鮮明に再現されている。
照準器を使って、流し撮りもなんとか可能
薄暮の時間帯に空港に着陸する飛行機を流し撮り。流し撮り用のISモード2は装備されていないので、連写するとファインダー像の連続性に欠ける。そこで、照準器を使って被写体を追ってみると、なんとか流し撮りも可能だった。飛行機の灯火に縦線が出ているのは、ワイヤーフェンスの影響だ。
開放F22でもAF撮影でき、描写も納得できるレベル
餌を探すコサギを1600mmで撮影。「エクステンダー RF2×」を装着するとF22と暗くなり、回折の影響で解像とコントラストも低下してくる領域だが、デジタルレンズオプティマイザの助けもあり、多少解像に甘さはあるが、1600mmの超望遠としてはニジミも少なく、水準以上の描写。こんな暗さでもAFで撮影できるのも驚きだ。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。