機材レポート

小さな優等生「キヤノン EOS Kiss M2」を実写チェック! 見かけは初代と変わらないが中身は大きく進化

コンパクトで高性能なミラーレスとして人気の「EOS Kiss M」がモデルチェンジ。デザインやスペックは変わらないが、AF性能を大幅に強化。撮りたい瞬間を逃さないカメラに進化した。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー

軽量コンパクトで軽快なミラーレスカメラ

長年培われてきたKissブランドの伝統と、エントリー機を超えた基本性能の高さから人気のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」に、後継機「EOS Kiss M2」が登場した。初代「EOS Kiss M」と比較してみると、外観のサイズ、重さはほぼ同じ。ボタン周りのレイアウトもまったく変わらない、双子のようなカメラだ。

ボケを生かした撮影が存分に楽しめる

望遠レンズを使って前ボケを取り入れながらヒガンバナを撮影。ピントが合った部分が背景から際立って浮かび上がるように狙った。ボケ表現にこだわった撮影が楽しめるのはデジタル一眼ならではの強みだ。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー
キヤノン EOS Kiss M2 EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM 絞り優先オート F6.3 1/160秒 -0.3補正 
ISO800 WB : くもり

定評のある「EOS Kiss M」の画質をそのまま踏襲

映像エンジンDIGIC 8、2410万画素APS-CサイズCMOSセンサーを搭載。画質部分はこれまでも定評のあった初代「EOS Kiss M」のスペックをそのまま踏襲している。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー

いつでも持ち歩ける軽量コンパクトサイズ

小さなボディサイズながら、しっかり覗けるEVFを搭載している本格派スタイルなのがKiss M2のいいところ。グリップも握りやすく軽いので、毎日持ち歩きたくなるカメラである。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー

AF機能が向上

スペックを見ただけではわからないが、瞳AFの機能が大幅に進化し、スポット1点AFでもサーボAFが使えるようになったり、シーンインテリジェントオート時に、ワンショットAFとサーボAFを自動で切り替えるAIフォーカスAFを搭載したりと、特にAF周りが強化されている。

秒間7.4コマの高速連写で狙った瞬間を捉える

初代「EOS Kiss M」同様、サーボAFで7.4コマ/秒、ワンショットAFで10コマ/ 秒の高速連写が可能だ。オキゴンドウのジャンプの瞬間をサーボAFで追ってみたが、ピントもしっかり追従し、水しぶきが舞う瞬間を捉えることができた。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー
キヤノン EOS Kiss M2 EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM 絞り優先オート F5.6 1/1600 秒 -0.7 補正 ISO10000 WB : 太陽光

簡単にハイレベルな子ども写真が撮影できる

この機種を使う層が一番気になる子どもの撮影では、瞳AF、サーボAF、高速連写、広い測距エリアの組み合わせで、簡単にハイレベルな子ども写真が撮れてしまう。遠くから子どもが走ってくるようなシーンでは、小さくフレーミングされていても、EVFや液晶モニターでしっかり瞳をキャッチしているのが確認できるので、安心感が高い。

全身サイズで撮影しても高精度に瞳をキャッチ

初代「EOS Kiss M」ではバストアップ程度でようやく瞳AFが使えたが、「EOS Kiss M2」では全身の撮影でも瞳をしっかり検出してくれるようになった。この写真のような引きの構図でも、動きを捉えるサーボAFで、確実に瞳AFが使えるのは心強い。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー
キヤノン EOS Kiss M2 EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM 絞り優先オート F5.6 1/2000秒 -0.3補正 ISO400 WB : 太陽光

使用レンズにより測距エリアが拡大する

レンズによって測距できるエリアが異なる。「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」を使うと、より広範囲で最大143点の測距点を生かした、高精度なAFが可能になる。

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー

見かけは初代と変わらないが中身は大きく進化

動画機能でもスマートデバイス視聴に最適化した縦位置動画が撮れるようになったり、YouTubeへのライブ配信ができるようになったりと、新機能が搭載され、時代に即した楽しみ方ができる。見かけは変わらないが、中身が大きく進化した「EOS Kiss M2」が、より動きものに強くなったことで、新たな写真の世界を開拓してくれそうだ。

自撮りに欠かせないVlogger必須アイテム

動画撮影や自撮りをするときに使いやすい「トライポッドグリップ HG-100TBR」(希望小売価格 : 税別 11,000円) に載せても、カメラが軽いので安定感がある。グリップ部にリモコンを収納でき、それを使ってシャッターを押すこともできるし、グリップ部を開くことでミニ三脚としても使える便利なアイテムだ。

キヤノン EOS Kiss M2 + トライポッドグリップ HG-100TBR

キヤノン EOS Kiss M2 主な仕様

キヤノン EOS Kiss M2 実写レビュー

発売日 2020年11月27日
参考価格 (税別)
ボディ 77,000円
EF-M15-45 IS STM レンズキット 92,000円
ダブルレンズキット (EF-M15-45mm + EF-M22mm) 108,000円
ダブルズームキット (EF-M15-45mm + EF-M55-200mm) 115,000円

カラー ブラック、ホワイト
マウント キヤノンEF-Mマウント
有効画素数 約2410万画素
撮像素子 CMOSセンサー (APS-Cサイズ)
映像エンジン DIGIC 8
AFシステム デュアルピクセルCMOS AF (最大143点)
ISO感度 ISO 100~25600 (拡張 ISO 51200相当)
シャッター速度 最速 1/4000秒
手ブレ補正 レンズで対応 (デュアルセンシングIS)
ファインダー 0.39型 約236万ドット OLED (有機EL) カラー電子ビューファインダー
画像モニター ワイド3.0型 約104万ドット バリアングル式TFTカラー液晶モニター (タッチパネル)
動画機能 4K/24p・フルHD/60p対応
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I対応)
サイズ (幅×高さ×奥行き) 116.3×88.1×58.7mm
質量 ブラック 約387g、ホワイト 約388g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 バッテリーパック LP-E17 (カバー付き)、バッテリーチャージャー LC-E17、ネックストラップ EM-200DB

 

 

〈写真・解説〉小澤太一

 

※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。