機材レポート

待ちに待った「EOS R6」がついに到着! AFの被写体検出力はやっぱり凄かった

自身では初めてとなるフルサーズミラーレス機「キヤノン EOS R6」を購入しました。

これまでフルサイズミラーレス機に今ひとつ魅力を感じていませんでしたが、昨年秋くらいから登場した機種は完成度が上がり、また価格もこなれてきた感もあり、やや古くなってきていた「キヤノン EOS 7D Mark II」と「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」を下取りに出しつつ購入することを決意。そこで選んだのが、「EOS R6」+「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」のキットと「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」です。ちなみに、今までのミラーレス機はマイクロフォーサーズでした。

EOS R6 実写レビュー

注文していた「EOS R6」が元日に手元に

選んだきっかけは、たまたま「EOS R5」を手にする機会をもらいそのAFのスピードと精度に驚かされたこと。ただ、個人的に「EOS R5」ほど画素数はいらず、また記録メディアがSDのダブルスロットと汎用性があったことから、「EOS R6」にしました。そしてなにより「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」が欲しくなってしまったことも、フルサイズミラーレス機の購入を決めた理由です。

ところが、10月中旬ころに注文はしていたものの、折り悪く「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」の供給が追いついていないとのことで、お店から入荷の連絡が来たのが年末。そして手元に商品が到着したのは、なんと2021年元旦になってから。

ともあれ、やっと手元に届いた「EOS R6」と「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」を持って、正月早々テスト撮影に出かけました。

何も考えずAF撮影、飛翔するコガモの群れにバリピン

早速試してみたのは、スピードと精度が上がったAF。特に気になっていたのが、被写体検出の能力 (なかでも動物検出) がどの程度向上したのかです。

今回「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」を付けた状態で、飛翔しているコガモの群れに特に何も意識せずレンズを向けてAF撮影してみました。背後には会津盆地の山並みが入ったり手前には溜池の雪壁があるなど前後に色々と被写体があるなか、200カットほど撮影してまったく外すことなく正確にコガモを認識し、群れを追い続けてくれました。

EOS R6 実写レビュー
キヤノン EOS R6 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM 絞りF7.1 1/640秒 ISO800 WB : 太陽光

私自身は、普段から鳥を専門に撮っているわけではないので、もちろんピント合わせに関してはずぶのド素人。にも関わらず、いとも簡単にターゲットを捉え、ピントを合わせ続けてくれるのだから正直驚きです。

さすがにこの大きさで、しかも複数の個体が写っているので、瞳までは認証していませんが、確実に全身は捉えている様子は撮影していても見て取れました。

EOS R6 実写レビュー

被写体認識能力が敏感!? すぎて、列車撮影ではAFが冒険

次に試してみたのは、列車正面の走行写真です。

人や動物での被写体検出能力が向上したためなのか、架線柱や周囲の建物などさまざまなモノが入る場面ではそれぞれを被写体と認識してしまい、列車の顔の部分はもちろん捉えるものの、ときどきAFフレームがあちらこちらに冒険してしまいました。

ただ、今までと明らかに違うと感じたのは、外した後のリカバリーの速さ。一度シャッターボタン (私の場合は、後ろのAF-ONボタン) を押し直せば、すぐに列車のほうにピントを合わせ直してくれます。その点でもAF性能の格段の進化を感じました。また、連写性能も約20コマ/秒と速くなったことも安心感に繋がります。

EOS R6 実写レビュー
キヤノン EOS R6 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM 絞りF8 1/1000秒 ISO250 WB : くもり (サーボAF特性 : Case1 被写体追従特性 : ±0)

AFを細かくカスタタイズできて安心

会津から戻ってきてからAFをカスタマイズしてみることに。これは以前からですが、EOSシステムはAFのカスタマイズが、被写体や場面に応じて事細かく設定できるのが特徴。

カスタマイズしたのは、「サーボAF特性」を「Case2」に、そしてその中の「被写体追従特性」を「粘る」にしました。これをすることで、さまざまな障害物が入る場面で最初に認識したターゲットをしっかりと捉え続けてくれるようになります。

EOS R6 実写レビュー

実際に、近所の宇都宮線の列車を連写で撮影してみましたが、前回のようにAFポイントがあちらこちらに冒険することもなく、すべてのカットで列車を捉え続けてくれました。列車撮影はしばらくこの設定で使ってみようと思っています。

EOS R6 実写レビュー

別の貨物列車で試してみましたが、こちらもバッチリでした。

EOS R6 実写レビュー
キヤノン EOS R6 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM 絞りF11 1/1250秒 ISO400 WB : 太陽光 (サーボAF特性 : Case2 被写体追従特性 : −2)

バリアングルモニターが嬉しい

EOS Rシリーズにした理由に、バリアングルモニターを採用している点もあります。

一眼レフでは固定モニターの機種も多く、また、フルサイズミラーレス機の中にもチルト式モニターのものもありますが、やはり、縦位置撮影のときにはバリアングルモニターのほうが断然楽です。

フルサイズミラーレス機の特徴の一つとして軽量化があります。それだけに、さまざまなアングル・カメラポジションから被写体を狙えることは一番の魅力に思います。

実際に水面ギリギリのポジションから縦位置構図で真岡鐵道の列車を狙ってみましたが、無理な体勢にならず楽に撮影できたのは嬉しい限りです。

EOS R6 実写レビュー
キヤノン EOS R6 RF24-105mm F4-7.1 IS STM 絞りF7.1 1/640秒 ISO400 WB : 太陽光

小型・軽量ながら耐逆光性能も高い「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」

そして、もう一つ購入して良かった点が「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」。バリアングルモニターを生かした撮影で頼りになる小型・軽量 (76.6×88.8mm・395g) な標準ズームながら、思いのほか耐逆光性能が高くてビックリ。しかも、まだ試してはいませんが、最短撮影距離が0.13mで最大0.5倍のマクロレンズとしても使えるとあって、なかなかの汎用性です。

同じく耐逆光性能の高い「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」とともに、今まで狙ってこなかったシーンにも挑戦してみたいと思っているところです。

 

 

〈写真・解説〉越 信行