ソニー FE 12-24mm F2.8 GM
絞り開放でも周辺部まで高解像
通常なら開放から2~3段絞って撮影するケースだが、レンズ性能をチェックするため、あえて絞り開放で撮影。12mmだと広角過ぎるので14mmまでズームしているが、ピクセル等倍でも四隅までシャープに解像。ごく周辺部を除けば、輪郭がエッジ立つほどの解像だ。
F11でしだれ桜をパンフォーカス撮影
山下公園のしだれ桜を12mmで仰角撮影。枝垂れた手前の桜の花と奥の氷川丸の両方を被写界深度内に収め、パンフォーカスにするためF11まで絞っている。F11くらいなら小絞りボケの影響は軽微で、ピクセル等倍でもキレの良い解像が引き出せる。
F18まで絞ると解像は低下気味
東京都議会棟と京王プラザホテルの間の街路沿いに咲くプリンセスミヤビを、新宿高層ビル群を絡めて撮影。パンフォーカスで撮影するためF18まで絞っているが、さすがに光の回折でコントラストとシャープネスは低下気味。F14までに抑えればシャープに写る。
回折補正によって小絞りボケの影響は軽微に
桜だけを撮影しても東京っぽさが出ないので、一発で新宿 (代々木) とわかるドコモタワーを入れてズームテレ側で撮影。ドコモタワーまでパンフォーカスにするためF16まで絞っているが、回折補正が効いているためか、小絞りボケの影響は軽微だ。
画面周辺部でも引っ張られるボケはなく自然なボケ味
ワイド端12mm絞り開放で、垂れ下がった寒桜の花を仰角で撮影。パースペクティブが強いので、周辺の後ボケが放射方向にやや伸びているものの、いわゆる引っぱられるボケや渦巻き状のボケにはなっておらず、輪線やフリンジも目立たず自然なボケ味だ。
一般的な広角域でも後ボケは自然で柔らかい
広角でハナカイドウに迫ってみた。さすがに12mmだと超広角すぎるので、ちょうどいい構図が得られる焦点距離までズーム。一般的な超広角ズームでもカバーできる17mmで撮影しているが、後ボケが周辺まで自然で柔らかい。円形のフロントフィルターが装着するとき以外は、「FE 16-35mm F2.8 GM」の出番はなくなりそうだ。
二線ボケが出やすい状況でも自然で穏やか
超広角ならではのパースペクティブの強さを生かしてハナニラを撮影。奥に見えるのは実は公園のトイレ (笑) だが、F2.8開放で適度にぼけるので、郊外のおしゃれなレストランのようにも見える。二線ボケが出やすいシーンだが、実に自然で穏やかな後ボケだ。
出目金レンズで今までに見たことのない逆光への強さ
前玉が突出した出目金レンズの多くは、太陽を画面のど真ん中に入れると、同心円状のゴーストが生じてしまうが、「FE 12-24mm F2.8 GM」はその心配はなし。光源の位置によっては淡いゴーストが生じることもあるが、これほど逆光に強い広角レンズは見たことがない。
まれにゴーストが発生するケースでもごく軽微
逆光でもほとんどゴーストやフレアが目立たないレンズだが、あえてゴーストが目立つシーンを探して撮影したのがこの写真。強い光源が画面から少し外れた位置にあると淡いゴーストが発生するが、背景が明るいとほとんど気づかないレベルだ。
12mmでF2.8は夜の撮影で重宝する
開放F2.8の明るさを生かし、地明かりで夜桜を撮影。橋の手すりにカメラを置いて半固定で撮影しているが、開放F4のレンズなら感度か露光時間を倍にする必要があり、高感度ノイズが増えたり、手ブレ・被写体ブレのリスクが高くなる。12mmでF2.8という明るさは魚眼を除けば唯一無二の存在だ。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。