ライカSLシリーズ用大口径標準ズームとして2本目となる「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8/24-70mm ASPH.」が登場。国内カメラメーカー純正レンズ並みの価格を実現し、あこがれのライカが身近になった。
バランスのいいサイズ感で軽快に撮影できる
これまでライカSLレンズの標準ズームは、「バリオ・エルマリートSL f2.8-4/24-90mm ASPH.」のみ。使いやすい焦点距離と優れた描写力を持つものの、大柄で重さも1Kgを超えるヘビー級。そこへ2本目の標準ズームとして加わったのがこのレンズだ。
望遠側はやや短いものの、他社でもおなじみの焦点域で、フルサイズ対応のF2.8ズームとしてはコンパクト。重さは約856gと決して軽いとは言えないが、「ライカ SL2」に装着するとバランスが良く、軽快に持ち歩ける。ズームリングもピントリングも幅が広くて扱いやすく、ズームリングは適度なトルクで自重落下もしない。
光を生かしてドラマチックにスナップ
塀に映る影、木、手前の植物、そして歩く人物のバランスを瞬時に構成してシャッターを切った。「ライカ SL2」との組み合わせは、十分軽快に街を撮り歩ける。AFも速く、スナップでは全く不満は感じなかった。とても扱いやすいレンズだ。
取り回しが楽なコンパクトサイズ
ライカSLレンズは描写力を追求しているため、大柄で重いモデルが目立つ。しかしこのレンズは全長約123mmで重さは約856g。フルサイズ対応の大口径ズームとしては取り回しがラクだ。
重量バランスがよく質感も高い
70mm側でフードを装着した状態。ズーミングしても鏡筒が極端に伸びず、重量バランスはほぼ一定だ。フードは金属製で質感が高い。ロックボタンなどはないが、カチッと固定される。
ライカならではの高い描写性能
描写力も素晴らしい。ズーム全域で、絞り開放から画面中央部は驚くほど解像力が高い。周辺部はわずかに解像力が落ちるが、それは「ライカ SL2」の4700万画素を拡大して感じる程度。1段絞るだけでほぼ均一の描写になる。逆光にも強く、強い光が入ってもフレアやゴーストは出にくい。厳しい光線状態でもクリアな写りだ。
4000万画素オーバーの解像感でリアルに捉える
ビルの窓枠が実にシャープに再現されている。細かい部分も解像し、キレ味鋭い写りだ。また画面周辺でも中心部と変わらず、描写に安定感がある。4000万画素を超える画素数を持つカメラでも、安心して高解像力が生かせる。
シャープさと自然なボケ味が街の雰囲気を描き出す
70mm側、絞り開放で撮影。ピントを合わせた電球の傘はとてもシャープだ。ボケ味も良好。見たままの街の雰囲気を捉えている。ハイライトのボケも自然。ズーム全域で絞り開放から高い描写性能を発揮するのがライカらしい。
クローズアップ撮影も楽しめる
特筆すべきは、最短撮影距離が短いこと。70mm側で38cm、24mm側はわずか18cmだ。近接撮影に強いと、それだけ表現の幅が広がる。
さらに価格は、他社の純正同クラスレンズ並みだ。ライカといえば高価というイメージが強いが、このレンズは身近に感じられるのが嬉しい。高いクオリティのLマウントレンズなので、ライカSLシリーズはもちろんのこと、LUMIX SシリーズやSIGMA fpシリーズのボディでも楽しめる。
バラの花にグッと近づき印象的にクローズアップ
花壇に咲いていた白いバラに、24mm側で近付く。最短撮影距離18cmは、被写体がレンズ先端に当たるのではと気を遣うほど接近できる。やや絞って周囲の街の様子も感じられる写真にした。表現力豊かなレンズだ。
フォーカシングレンズ1枚で素早くピント合わせ
レンズ構成は15群19枚。非球面レンズを3枚使用し、高い描写性能を誇る。そのうち1枚はフォーカシングレンズ。ピントを合わせる駆動レンズが少ないため、AFはスピーディーだ。
ライカSLシリーズ初のレンズセットが登場
ライカSL2シリーズを初めて購入するユーザーに向けた、お買い得な「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8/24-70mm ASPH.」とのセットも発売。このセットからSLシステム導入を検討してみよう。
ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8/24-70mm ASPH.
発売日 2021年5月22日
価格 352,000円(税込)
マウント ライカLマウント
レンズ構成 15群19枚
最短撮影距離 24mm時 0.18m、70mm時 0.38m
最大撮影倍率 24mm時 1:2.9、70mm時 1:4.5
フィルター径 φ82mm
絞り羽根 11枚
最大径×長さ 約φ88×123mm
質量 約856g