機材レポート

PEN E-P7 実写レビュー! オリンパスPENの魂は受け継がれている

オリンパスの映像事業を引き継いだOMデジタルソリューションズが、新ブランド「OM SYSTEM」を発表した。オリンパスブランドのカメラは、今後「OM SYSTEM」ブランドとして順次展開していくという。オリンパスブランドとしての最新にして最後になるかもしれないミラーレスカメラ「PEN E-P7」の実写レビューをお届けしよう。

OLYMPUS PEN E-P7

PEN E-Pシリーズ8年ぶりの新モデル

10年ほど前、オリンパスPENシリーズは小型で動作も小気味よく、ちょっとしたお出かけに最高のカメラだった。それから時が流れ、久しぶりに現れたPENの新型「E-P7」。「E-P5」が2013年6月発売だったから、何と8年ぶりの登場だ。

ローアングルから迫力のある写真を狙う

船をモチーフにしたというオブジェを、チルト液晶を利用してローアングルから草ごしに狙う。打ち捨てられたような、少し荒れた質感が忠実によく再現されている。

OLYMPUS PEN E-P7 作例
OLYMPUS PEN E-P7 M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 絞りF6.3 1/800秒 ISO200 WB : オート

小さな単焦点プレミアムレンズが似合う

軽快な「E-P7」には、大きなPROレンズよりもコンパクトな単焦点のM.ZUIKO PREMIUMレンズが似合う。今回は「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」と「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を使用した。

OLYMPUS PEN E-P7

持つ喜びのあるデザインに加えて操作性もアップした

PENらしいクラシックなスタイルも何だか久しぶりで、新鮮に映る。アルミの削り出しダイヤルなど、持つだけで楽しくなるようなデザインや質感がやはり好ましい。

OLYMPUS PEN E-P7

2つに増えたダイヤルや前面の新スイッチなどにより直感的に操作できるし、PENらしい軽快な動作でサクサク撮れる。手ブレ補正も相変わらず強力だから、解像感にあふれた高画質な写真を簡単に撮り続けることができた。気負うことのないお散歩カメラにはまさにうってつけだ。

鮮やかなバラをスクエアフレームにそっと封じ込める

バラ園に咲き誇る鮮やかな花は、スクエアなフレームに合いそうだと思った。アスペクト比を簡単に変えられるので、いろいろと試したくなる。

OLYMPUS PEN E-P7 作例
OLYMPUS PEN E-P7 M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 絞りF5.6 1/800秒 ISO200 WB : オート

高い質感と操作性を備えた2ダイヤルに

フロント/リアの2ダイヤルとなったことで、操作性が向上している。アルミ削り出しのクラシックな雰囲気のダイヤルが美しい。

OLYMPUS PEN E-P7

新設スイッチで素早く切り替え

ボディ前面に、通常撮影とプロファイルコントロール撮影を簡単に切り替えできる「プロファイルコントロールスイッチ」を新しく装備した。

OLYMPUS PEN E-P7

タッチ操作で彩度などを微調整

プロファイルコントロールは、彩度などの効果を確認しながら微調整できる。写真は青の彩度を+2上げた画面。タッチで直感的に操作できるから便利。

OLYMPUS PEN E-P7

オリンパスPENの魂は受け継がれている

オリンパスからOMデジタルソリューションズへ新しい体制になって初めて登場したカメラは、久しぶりということもあって、やけに新鮮に感じた。魂は引き継がれている。次にどんな手を打ってくるのか、今から楽しみだ。

五月晴れの空に描かれた青一色の世界

青空を背景に、青いリボンと飛行機雲が作り出す、青のグラデーションが印象的だった。「カラープロファイルコントロール」で青空の青をさらに強調した。

OLYMPUS PEN E-P7 作例
OLYMPUS PEN E-P7 M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 絞りF7.1 1/1250秒 ISO200 WB : オート

自分好みのモノクロに調整しやすい

「モノクロプロファイルコントロール」で効果を組み合わせて簡単に自分好みのモノクロ表現ができる。メリハリの利いた硬めの質感のプロファイル1が気に入った。

OLYMPUS PEN E-P7 作例
OLYMPUS PEN E-P7 M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 絞りF5.6 1/640秒 ISO200 WB : オート

 

 

〈文・写真〉日野文彦