VMマウント専用設計の大口径標準レンズが発売された。クラシカルな写りを追求したという「フォクトレンダー HELIAR classic 50mm F1.5 VM」は、実際どんな描写をしてくれるのだろうか? 「ライカ M10-R」に装着して、銚子電鉄・外川駅周辺をスナップしてみた。
あえて残した収差とシングルコーティングでクラシカルな描写に
「ライカ M10-R」に「HELIAR classic 50mm F1.5 VM」を付けて、銚子電鉄の終点、外川駅へ向かった。外川駅は大正時代に建築された木造駅舎で、レトロな外観がフォトジェニックだ。駅から歩いて5分ほどの外川漁港は、台風が接近する前日だったため、人けはなくネコが出迎えてくれた。
このレンズはヘリアタイプの3群6枚構成を採用し、現代の設計技術で開放F1.5を実現。全球面レンズにはシングルコーティングが施され、絞り開放ではあえて収差を残すことでクラシカルな描写が楽しめる。
夕暮れの駅舎の雰囲気をイメージどおりに
木造駅舎の外川駅を撮影。日没と列車を待って高感度で狙った。残念ながら乗客の姿はなかったが、駅舎と列車のライトがレトロな駅の雰囲気を盛り立ててくれた。光が厳しい状況でもイメージどおりに再現できる。
ナチュラルなボケ味がネコの存在感を引き立てる
台風が接近している外川漁港。漁船はしっかり固定され人けもなかったが、ネコが遊んでいた。一定の距離を保ちながらローアングルで背景に漁港を入れて撮影。ピントが厳しかったのでやや絞っているが、背景のボケ味もいい。
あえて収差を残した光学設計を採用
ヘリアタイプの光学系により、コンパクトサイズと画質性能を追求。絞り開放ではあえて収差を残し、フォクトレンダー史上最高性能の「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM」とは対極にある個性的な描写が得られる。
手の中に収まるコンパクトさと高級感のあるデザインも魅力
HELIAR classic 50mm F1.5 VM」は片手に収まるコンパクトサイズを実現し、M型ライカとのバランスもいい。金属製の鏡筒には光沢感のあるブラックペイントが施され、「ライカ M10-R」ブラックペイントに似合いそうだ。
光沢感のあるブラックペイントが高級感を演出
鏡筒はブラックペイントのアルミニウムをベースとし、フォーカス目盛りリングには真鍮材を使用。フォーカスリングにはダイヤパターンのローレット加工が施され、見た目の美しさと操作性を両立している。
Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM
発売日 2021年9月10日
希望小売価格 99,000円 (税込)
マウント VMマウント
レンズ構成 3群6枚
最短撮影距離 0.5m (距離計連動範囲 0.7m)
フィルター径 φ49mm
最大径×全長 φ56.8×41.9mm
質量 255g