キヤノン RF100-400mm F5.6-8 IS USM
スペック
[マウント] キヤノンRFマウント [最大径×長さ] 約φ79.5×164.7mm [重さ] 約635g [レンズ構成] 9群12枚 [最短撮影距離] 0.88m (200mm時) [最大撮影倍率] 0.41倍 (400mm時) [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] φ67mm参考価格 90,500円 (税込)
絞り開放から驚くほどシャープな描写
羽村市動物公園のミーアキャット。モデルのように背筋がピンと伸びた立ち姿だったので、できるだけ背景に余計なものを入れないよう縦位置で撮影。開放F値がF5.6-8と超望遠ズームとしても暗めだが、そのぶん軽量で値段もお手ごろ。しかも、絞り開放から驚くほどシャープな写りに驚かされる。
超望遠ならではのダイナミックな風景が狙える
江の島から見た富士山の夕景。雲がなければ富士山は単純なシルエットになるところだが、山頂付近にかかった雲が焼けて、いいアクセントになってくれた。この時間帯なら空気の揺らぎの影響も少なく、山の稜線もクッキリとシャープに再現されている。超望遠ズームならではの切り取りで撮影した。
建物の細かい線まで高精細に写る
江の島サムエル・コッキング苑の展望台をアップで撮影。縦位置で構えると鏡筒が下がって上下の解像が乱れるズームもあるが、開放F値を無理せず前玉を軽くしているため、ズームしたときに鏡筒がたわむ心配はなさそうだ。ズーム中域の撮影だが、色にじみや色ずれもなく、細い線まで高精細に描写されている。
高輝度部の色づきもなく海面の反射をクリアに描写
太陽を反射して煌めく海面と岩肌を撮影。被写界深度を深くするため1段だけ絞っているが、岩肌や海面の反射に色づきはまったくなし。とても10万円でおつりが来る超望遠ズームとは思えないほど、色収差もなく高解像な写りだ。
フィルター径67mmなので柵越しの撮影に有利
羽田空港第一ターミナル展望デッキにて。フィルター径67mmと超望遠ズームとしては径が小さいので、前玉にワイヤーフェンスがかからず隙間から狙えるので、逆光で光るフェンスの影響を受けずに撮影できるのが強み。レンズ自体も逆光気味の撮影に強く、フレアも少ないのが特徴だ。
近接時もシャープな描写で前後ボケもきれい
江の島サムエル・コッキング苑のウィンターチューリップ。それほど花の密度は高くないもののうまく花が重なる撮影ポジションを探せば、超望遠ならではの圧縮効果と被写界深度の浅さで密集感を演出できる。近距離域でもハイライトのにじみは少なく、前後のボケもきれいだ。
【1.4倍テレコン装着】低コントラストな被写体ではやや解像低下が目立つ
キヤノン「EXTENDER RF1.4x」を装着して撮影
この超望遠ズームは、すべての焦点距離域で1.4倍と2倍のテレコンを装着できるのも特徴。1.4倍テレコン装着時は測距エリアが横80×縦80%、2倍テレコン装着時は横40×縦60%と狭くなるが、サーボAFによる高速連写撮影も可能。また、コントラストが多少下がり高感度NRの影響を受けやすくなるので、鳥の羽根など低コントラストのディテール描写は多少甘くなりやすい。色収差は気にならない。
【1.4倍テレコン装着】動物の大写しならば解像低下は気にならない
キヤノン「EXTENDER RF1.4x」を装着して撮影
羽村市動物公園のプレーリードッグ。動物園などで被写体をアップで狙いたいときには1.4倍テレコン併用で140-560mmズームとして使えるのは魅力。開放F値はF8-11と暗黒になるが、日中屋外なら「EOS R5」「EOS R6」の高感度性能の高さで十分カバーできる。多少解像は鈍るが、これくらい被写体を大きく写すなら解像の低下はほぼ気にならない。
【2倍テレコン装着】画像低下が明らかであまりオススメできない
キヤノン「EXTENDER RF2x」を装着して撮影
2倍テレコンを装着すると、200-800mm相当の超望遠で撮影できるが、レンズ単体に比べ、解像もコントラストも明らかに低下する。撮影距離が遠いほど空気の揺らぎの影響でまともに解像しなくなるので、テレコンの価格を考えるとあまりオススメできない。飛行機など硬質な被写体で、空気の揺らぎの影響が少なければ、なんとか許容できる画質が得られるケースもある。
【2倍テレコン装着】800mm相当になり太陽もここまで大きく写る
キヤノン「EXTENDER RF2x」を装着して撮影
2倍テレコンを装着して800mmで太陽を撮影するとこの位の大きさに写る。雲や地上の風景と絡めて撮影するのにちょうどいい画角だ。高度が低い夕陽とはいえ、ゴーストやフレアも出ていない。開放F値もF16と暗いので、昼間の強い太陽でなければセンサーが焼き付く心配もなさそうだ。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。