機材レポート

超大口径F1のボケ描写を実写チェック! NOKTON 50mm F1 Aspherical VM レビュー

GAレンズの採用により開放F1を実現したフォクトレンダーのVMマウントレンズ「NOKTON 50mm F1 Aspherical VM」が発売された。そこで、「ライカM」とともに町へ持ち出し、F1のボケ味を検証。超大口径の大きなボケとキレのある描写が楽しめた。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー
ライカM (Typ240) + NOKTON 50mm F1 Aspherical VM

大きなボケでネコのオブシェが浮き立つ

F1の描写はネコのオブシェが浮き上がって見える。大きなボケもクセがなく自然。ピントはシビアになるが、使用した「ライカM (Typ240)」の距離計で、確実に合わせることができた。ピントリングは適度なトルクで快適に操作できる。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー
ライカM (Typ240) NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 絞り優先オート F1 1/1000秒 ISO200 WB : オート

雰囲気のある玉ボケを加えたクリアな逆光描写

路地で見つけた植木の葉を逆光で狙った。絞りは開放。画面周辺の玉ボケはレモン型になるが、不自然さはない。超大口径ながら甘さも少なくコントラストも高い。クラシカルな外観と最新の光学性能が融合しているのを実感した。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー
ライカM (Typ240) NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 絞り優先オート F1 1/2000秒 ISO200 WB : オート

クラシカルなMF操作とF1のボケが堪能できる

フォクトレンダーのVMマウントシリーズで最も明るいレンズが登場。大柄かと思っていたが、全長は55mm、フィルター径は62mmだ。レンジファインダー機用のMFレンズで電気接点などはない。しかも自社生産のGA (研削非球面) レンズを採用し、高性能を維持しながらレンズ枚数を減らしてコンパクト化を実現している。

手にするとずっしりした重量感はあるものの、F1の明るさを考えれば小型軽量と言えるだろう。この重量感とオール金属の外装が高級感を醸し出し、所有する喜びと使用する楽しさが味わえる。

F1の絞り開放では柔らかさはあるが、ソフトフォーカスのようなにじみはなく、解像力も高い。開放のボケは大きく、ピントが合った部分が浮き上がってくる。超大口径ならではの世界を堪能できるレンズだ。

GAレンズを採用しF1の明るさを実現

レンズ構成は7群9枚。独自生産のGAレンズと非球面レンズをそれぞれ1枚使用している。GAレンズの採用は、2020年12月発売のマイクロフォーサーズ用「SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical」以来だ。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー

12枚羽根の絞りでキレイなボケ味を追求

絞り羽根は12枚。絞っても円形に近く、点光源なども自然なボケが得られる。絞りリングは1/2段クリック。クリックレス機構は備えていないので、動画よりも写真を意識した作りだ。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー

先が細くなる金属製フードが付属する

レンズフードはレンジファインダー用でお馴染みの先が細くなるタイプ。スリットはなく、鏡筒と一体化するデザインだ。ただ鏡筒が太いため、ファインダーをのぞくと右下がけられる。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー

フォクトレンダー NOKTON 50mm F1 Aspherical VM

NOKTON 50mm F1 Aspherical VM 実写レビュー

発売日 2022年1月26日
希望小売価格 247,500円 (税込)

マウント VMマウント
焦点距離 50mm
開放絞り F1
最小絞り F16
口径比 1:1
レンズ構成 7群9枚
画角 47.8°
絞り羽根枚数 12枚
最短撮影距離 0.9m
距離計連動範囲 ∞~0.9m (カメラにより異なる)
フィルター径 φ62mm
最大径×全長 φ73.6×55.0mm
質量 484g
付属品 リバース可能フード