「ライカ ズミクロン 35mm F2」を復刻した「周八枚」に続き、「Elcan 50mm F2」を復刻した「周Elcan」が登場する。プロトタイプのレンズを借りることができたので、「ライカ M10-R」と組み合わせて横浜の街を撮影してみた。
外観デザインから光学性能まで往年の銘ライカレンズを忠実に再現
中国の投資家・周氏が発起人となり設立されたLIGHT LENS LAB (ライトレンズラボ) から、復刻プロジェクト第2弾となる「周Elcan (エルカン)」が登場。プロトタイプをお借りできたので、撮影に出かけた。
「周エルカン」は軍用ライカに装着されていた「Elcan 50mm F2」を復刻したレンズで、オリジナルに近い性能を持つと言われている。
絞りとフォーカスを直感的に操作できる
絞り環にはF2.8の位置に特徴的なノブを装備し、左手親指で操作できる。個人的にはF5.6の位置のほうが使いやすいと感じた。フォーカシングレバーは左手人差し指か中指で操作しやすい。
絞りの選択で描写が変わるクラシカルな写りが楽しい
開放F2で撮影すると、画面中央はシャープであるが、周辺はやや甘めで、点光源は少しにじんだ印象。F4まで絞ると急激にシャープさが増し、コントラストも高く、にじみも目立たなくなる。F2とF4を使い分けることで、まるで2本のレンズで撮影しているかのようだ。
このレンズはファーストロットが中国国内向けにすでに販売されているが、日本国内での発売は未定。正式発表を楽しみに待ちたい。
10枚羽根の絞りで画質をコントロール
開放ではキレイなボケと柔らかな描写が楽しめ、F4まで絞るとシャープでキリッとした画質に変化する。半絞りのクリックは非搭載。絞りの選択で画質が大きく変わるのが面白い。
夕暮れの港の雰囲気を浅い絞りでイメージどおりに
横浜港大さん橋に停泊していたクルーズ船ロイヤルウイングが、日没とともに出航していく。空の赤みが薄れかけた港の情景を、絞りをF2.8に設定して撮影。このレンズは夕暮れ時の柔らかな雰囲気まで捉えてくれる。
柔らかな開放描写で鳥のオブジェをスナップ
港の見える丘公園を散策。木漏れ日が差す建物を背景に鳥のオブジェを撮影した。ピント位置のオブシェは、背景の様子が伝わってくる素直なボケに包まれ、浮き立って見える。開放の柔らかな描写が気持ちいい。
LIGHT LENS LAB M E 50mm f/2 (周Elcan)
ブラック |
シルバー |
発売日・価格 未定
カラー ブラック、シルバー
マウント ライカMマウント
レンズ構成 4群4枚
最短撮影距離 0.7m
絞り羽根 10枚
フィルター径 φ39mm
最大径×全長 φ51×36mm
質量 約200~235g (モデルにより変動)