どんなに難しい撮影条件でも、狙った被写体の瞬間を美しい写真に記録できる。そんな超高性能カメラ、レンズが次々と登場しているのがニコンZマウントシステムだ。なかでも注目の大口径超望遠レンズ「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」と「Z 9」を組み合わせて、飛行機を撮影した。
NIKKOR Zレンズの実力を見せつける最強ヨンニッパ
ニコンZマウント初となる大口径超望遠レンズ「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」がついに登場した。実写した第一印象は、とにかく軽い、AF駆動が静かで速い、内蔵テレコンが便利、そしてシャープでボケが美しい、そんな理想的なヨンニッパに仕上がっている。また、1.4倍のテレコンバーターを内蔵し、レバー操作ひとつで560mm F4として使用可能。それでいて重量は3kgを切り、手持ち撮影も苦にならない。
SRレンズの採用などにより超高画質を実現
日没後に離陸するボーイング787。薄暗い時間帯の撮影は開放F2.8の明るさが頼もしい。19群25枚の光学系にはSRレンズ1枚、蛍石レンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ2枚と高級硝材を贅沢に使い、絞り開放から極めてシャープな描写だ。
「ナノクリ」をしのぐ「メソアモルファスコート」で逆光耐性はさらに強力に
離陸許可を待つボーイング767を長秒時露光。肉眼では灯火類しか見えないほど暗い条件下で、一昔前のレンズならゴーストやフレアに悩まされる難しい場面だ。新コーティング「メソアモルファスコート」による、高い反射防止効果が確認できた。
高級硝材を贅沢に使った究極レンズの登場で今後のラインアップも期待大
AF駆動用モーターはシルキースウィフトVCM採用により、ほぼ無音かつ高速でフォーカスする。画質はZレンズの名に恥じない描写で、絞り開放であっても、内蔵テレコンを入れた状態でも、極めてシャープでクリアだ。
19群25枚の光学系にはSRレンズをはじめ高級硝材を贅沢に使い、新開発メソアモルファスコートで耐逆光性能にも優れる。唯一気になる点はフォーカスリングがかなり手前で手持ち撮影時に左手が届きづらいことだが、そこは新設のFnリングをうまく活用することでカバーできそうだ。
これまで望遠レンズのラインアップが弱かったZマウントレンズだが、「Z 9」の登場後、「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」と本レンズの2本を矢継ぎ早に発売。さらに「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」も発売された。この「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」の完成度の高さを見るに、今後登場してくるZ超望遠レンズ勢のハイレベルな仕上がりも約束されたようなものである。
NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S
発売日 2022年2月18日
参考価格 1,790,540円 (税込)
マウント ニコンZマウント
レンズ構成 19群25枚
絞り羽根 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 2.5m
最大撮影倍率 0.17倍
フィルター径 φ46mm (組み込み式)
最大径×長さ 約φ156×380mm
質量 約2950g
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。