機材レポート

85mm-125mm光学ズーム搭載!ポトレ最強スマホ「ソニー Xperia 1 IV」実写レビュー:プロ写真家が感じた“進化”

Xperia 1 IVで撮影

ソニーの最新スマートフォン、カメラの進化が止まりません。ついにカメラ専用機と同じ構造を持つ、光学ズームを搭載です。

2022年6月3日(金)に発売された「Xperia 1 IV(エクスペリア ワン マークフォー)」は、ソニーの最新技術を搭載した“Xperia”のフラッグシップモデル。

映像、オーディオ、ゲームなども楽しめるパフォーマンスを誇るなかで、カメラファンとしても注目なのは、ソニーのデジタル一眼カメラ「α™」の技術を積んだ性能たち。

トラッキングAF、瞳AF、高速連写といった基本性能の高さにより磨きがかかっただけでなく、スマホカメラとしては世界初となる望遠光学ズームレンズを搭載し、幅広い焦点距離を一台でカバーしています。

Xperia 1 IV 体験会レポート

背面のメインカメラには、3つのZEISSレンズを搭載。超広角16mm F2.2相当、広角24mm F1.7相当、望遠85~125mm F2.3-F2.8相当の3眼構成。それぞれに有効1220万画素イメージセンサーを搭載。120fpsの高速読み出しにも対応しています。

シャッタースピードやISOの設定といったマニュアル撮影にも対応。RAW撮影はもちろんのこと、カスタムホワイトバランス、縦横比設定(4:3 / 16:9 / 1:1 / 3:2)、ヒストグラム、水準器、セルフタイマーなども搭載され、機能性は充実。α™で培ったカメラ技術をスマートフォンの最適な操作に合わせてカスタマイズし、随所に工夫が見える仕上がりです。

CAPA CAMERA WEBでは「Xperia 1 IV」の実機レポート速報も以前に掲載しました。カラーバリエーションや基本機能についてはそちらで紹介しましたが、今回はXperia 1 IVを携えて、写真家による実写レポートをお届けします。

撮影は、以前に前機種の「Xperia 1 III」でも撮影を担当してくれた、ファッション、広告、ライブ、アーティスト撮影といった分野で活動する写真家・フォトグラファーのヨコカワカツヤさんに依頼。モデルに日南響子さんを迎え、作品撮りをしてもらいました。

Xperia 1 IIIからXperia 1 IVへの進化を体感したヨコカワさんは「前回使わせていただいたXperia 1 IIIのフォーカススピードにも驚きを感じましたが、今回のXperia 1 IVはそれにさらに磨きをかけているな、と実感しました。反応が非常に速く、速いがゆえに意図を超えた良い写真が生まれました」と、その操作性に好感を寄せます。

ここからは作品をピックアップしながら、その機能を紹介しましょう。

 

より進化した連写機能に宿る“安心感”

Xperia 1 IVで撮影

ヨコカワさんが驚き、Xperia 1 IVの特徴ともいえる撮影スピードの性能。それが際立って表れるのが、「リアルタイムトラッキング(※1)」や「リアルタイム瞳AF(※2)」を用いた動的な被写体への対応です。

リアルタイムトラッキングは、撮りたい被写体をタップするだけで、自動でフォーカスを合わせ続ける機能。色や模様、被写体との距離といった情報をリアルタイムで処理し、追い続けてくれます。

被写体の瞳を自動検出してピントを合わせる「瞳AF」も、人物撮影には嬉しい機能。さらに、カメラキーを半押しすることでAIが被写体の瞳を検出して追従する「リアルタイム瞳AF」もあります。

モデルに動きをつけてもらいながら高速連写すれば、美しい一瞬を抜くようなポートレートも狙えます。高速連写はHDRにも対応し、3つのレンズすべてで最高20コマ/秒のAF/AEで追随します。

Xperia 1 IVで撮影

ヨコカワさん「シャッターボタンを半押しにした状態で、画面上で即座に表示される顔認識の枠や瞳AFの枠は、しっかりと被写体を認識してくれている安心感があります。

『フォーカスが合ってくれているから構図をこだわろう』『もう少し違うアングルから撮ろうかな!」など、撮影中にも余裕がかなり早い段階で生まれ、同じロケーションでもテイストの異なる写真を考えることができました。

普段、モデルさんを撮る時はファインダーをのぞいていることが多いのですが、スマートフォンという手軽さも手伝って周りの景色が目に留まりやすく、新しい構図やバリエーションを見つけやすいとも感じました」

Xperia 1 IIIでは、広角レンズのみに対応していた最高60回/秒のAF/AE演算処理も、Xperia 1 IVでは3つのレンズすべてで対応と進化。より撮影の自由度が増しています。

下記は撮影時の画面を録画したもの。追随性と高速連写の様子を見ていただけると思います。

 

ポートレートに効く、メジャーな焦点距離

Xperia 1 IVで撮影

やはり気になるのは、新しく搭載された望遠光学ズームレンズ。手元操作で広角から望遠まで切り替えられる機動力は、撮影にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

ヨコカワさん「この薄い本体にそんな機構が作れるの?と、お話を聞いた段階では半信半疑な部分も正直あったのですが、撮影してみると真実で、素直に『すげー!』と驚きました(笑)。

焦点距離の選択肢の幅の広さは、作品の表現の幅も広げてくれます。特に85mmから125mmという焦点距離の中望遠レンズは、ポートレートを撮るのにもメジャーです。

普段のカメラは逐一レンズを交換する手間があり、その間はモデルさんに待ってもらうしかないのですが、Xperia 1 IVが1台さえあればその時間も要りません。間髪入れずに寄れますし、良いと思った構図で被写体を捉えることができます。切り替えもスムーズで、操作のストレスもなかったですね」

一点、Xperia 1 IVの望遠レンズのイメージセンサーは、前機種のXperia 1 IIIよりも少し小型化し、1/3.5型になりました。この点について質問してみると、「広角レンズと同様の撮影体験を望遠レンズでも提供すべく、120fpsの読み出し速度を優先したため」とのこと。恩恵として、リアルタイム瞳AFや4K 120fpsの録画を、望遠レンズでも実現できています。

また、センサーサイズこそ小さくなっていますが、Xperia 1 IIIよりもノイズリダクションを強化するなど、ソフト面でカバーすることで画質面での向上を図っていると言います。

 

描画力もアップ、自然なボケ感が魅力

Xperia 1 IVで撮影

撮影性能の進化はもちろん、ボケ感もより自然になるなど、カメラとしての描画力もアップしています。

ヨコカワさん「背景の緑色のボケ方、とても気持ちいいですよね。ボケ方がきれいだと手前のモデルさんがより引き立ち印象的に写ります。撮影後にも感じていましたが、あらためてPCの大きな画面で見返したら、やはりきれいで心が躍りました(笑)。

ボケ方は肉眼で見たものにとても近い雰囲気で表現されています。今回は葉っぱの透明感や温度感が魅力的に感じました」

Xperia 1 IVで撮影

ヨコカワさん「手前に葉っぱを入れ、距離を離してモデルさんに立ってもらう構図も試してみたのですが、普段一眼レフやミラーレスカメラで撮っているような描写感に近しいと感じました。

スマートフォンなので片手で構図を決め、シャッターも押せるので、もう片方の手で葉っぱの位置も調整できました。結果、思うような構図がすぐに撮れました。両手で構えて脇を締め、息を止めてファインダーをのぞく、という普段のカメラでの撮影よりも格段に速く撮影できました

 

Xperia 1 IVで撮影

ヨコカワさん「描写もボケるところはボケて自然に画に溶け込み、ピントも捕らえるところは捕らえ、優柔不断なところは感じませんでした。その点の進化は、前機種と比べても強く思いましたね。

今回はモデルさんも風景もとても美しかったので、その空気感を取り込まなくてはと思っていたのですが、その意図を自分の思っていた通り、時にはそれ以上にXperia 1 IVは汲み取ってくれました。

その場にある『空気の粒子感』、湿度感や温度感、モデルさんの顔への光の入り方……それらを捉えた描写が本当にお気に入りです」

 

軽い、という強みが生きる

カメラではなく、スマートフォンを撮影に用いるメリットとして挙げられるのは、本体の圧倒的な軽さでしょう。Xperia 1 IVは前機種から機能は磨かれながらも、重さは約187g、厚みは8.2mmと、サイズ感は従来機と同等に収まっています。

携帯性が高く、焦点距離を広くカバーするため、手持ち撮影での可動範囲を自然と広げてくれます。

Xperia 1 IVで撮影

ヨコカワさん「写真好きな人が外出先でスナップを撮るのにもうってつけの1台ですね。

あとは、Xperia 1 IVを持っていれば、お子さんの運動会や発表会でも大活躍するだろうなと思いました。『この瞬間、良かったのにピントが外れちゃったなぁ』という悔しさは格段に減るでしょう。思い出がこの描写力で残るのは、とても喜ばしいことだと感じます」

 

動画撮影の機能も向上。ライブ配信やシネマ撮影も

ここまでは静止画撮影についての所感をまとめてきましたが、Xperia 1 IVは動画撮影に関する性能もグッと向上しています。

動画でも動く被写体を追い続ける「オブジェクトトラッキング」や「瞳AF」を搭載。タップした被写体にピントを合わせることも可能なので、被写体のフォーカスを切り替え、前ボケ/後ろボケを生かした撮影も臨めます。

動画撮影用アプリとしては、VlogやYouTubeにも向く『Videography Pro』と、21:9シネマ撮影が楽しめる『Cinematography Pro』を標準搭載しています。

そこで、動画についても実写テスト!

まず、下記は『Videography Pro』を使用し、手持ちで撮影したものです。歩行シーンに続いて、撮影時の画面キャプチャも載せました。

FlawlessEye™対応のハイブリッド手ブレ補正(※)がよく効き、手ブレしやすいシチュエーションでも、スムーズな映像を撮影できるのも魅力です。(※広角レンズ、望遠レンズのみ対応)。

『Videography Pro』アプリを経由して、YouTube ライブの配信も可能です。Xperia 1 IVがあれば気軽に、どこからでもライブストリーミングができるのは、日頃から動画投稿を楽しむ人にも嬉しい機能でしょう。

また、α™シリーズなど一眼カメラと接続することで、Xperia 1 IVを外部モニターとしても使えます。ここでも『Videography Pro』経由をすれば、一眼で撮影している映像もライブ配信できます。

そして、シネマ撮影ができる『Cinematography Pro』で撮ってみると、日常のワンシーンもどこか映画を思わせる仕上がりに。映画撮影用プロフェッショナルカメラ「CineAlta」のノウハウが詰まったアプリなので、プロ仕様のパラメーター設定や、Lookの調整なども可能です。

さらにXperia 1 IVから楽しめるようになったのが「4K 120fps」の動画撮影。搭載された3つのレンズすべてで最大4K解像度の5倍スローモーション撮影を行えるのです。肉眼では捉えられないような、風雅な映像が手軽に撮れる。映像作品の制作をしたい方はもちろん、Vlogなどでも表現の幅を広げてくれることでしょう。

ヨコカワさん「スローモーション撮影は本当に面白かったです!まず、スマートフォンで120fpsというフレームレートに衝撃を受けましたが、実際に撮ってみると滑らかな仕上がりで、撮影現場のテンションも上がっていましたね。

スポーツ中継などで眼にする、ハイスピードカメラで撮ったスローモーション映像をイメージしてもらうと近いと思います。それが薄くて片手で収まってしまうサイズ感のモノで撮れてしまうのには、恐ろしささえ感じました。服のなびき、髪のなびき、全てしっかりと捉えていました。

通常の映像機能も充実していたので、Xperia 1 IVがあれば、ハイクオリティなMVや動画制作も可能です。映像ならなおさら、本体自体の機動性の良さ、画面上だけで完結する操作性の良さが光ります。撮る人自身もアクティブな動きで撮影できると思うので、迫力のある映像から、ゆったりした日々の記録まで全てを網羅できるでしょう」

 

アクティブな撮影であればあるほど、良さが光る一台

Xperia 1 IVで撮影

今回、実写の機会を経て、動画から写真まで一定のクオリティを出せるスマートフォンは、写真家や写真愛好家にとっても、撮影や機材への向き合い方を変えていく良いきっかけとなるはずだと感じました。

ヨコカワさん「スマートフォンですと、プロアマ関係なく一般の人でも日常的に使う道具として、毎日持っていて当たり前のもの。そこに多彩な機能が妥協されることなく組み込まれているのは、確実にクリエイターを増やすことにつながると思います。

こういった製品が生まれることによって、手に取った若い世代の人たちが、Xperiaをきっかけに本格的に写真と映像を始め、その魅力に惹かれてクリエイティブの世界に入ってくるということも、十分に考えられます」

Xperia 1 IVで撮影

これからXperiaを体感したい人にとって嬉しいキャンペーンも開催中。購入条件を満たすとキャッシュバックやポイント付与などの特典がついてきます。最新機種のXperia 1 IVだけでなく、発売中の「Xperia 1 III」も撮影向きの一台です(以前にこちらの記事でXperia 1 IIIの実写レポートを載せています)。

ヨコカワさん「Xperia 1 IVは、ソニーさんのカメラ事業で磨き上げられた技術を体感できる1台です。仕事でのサブ機になり得るのはもちろんの事、よりアクティブな撮影であればあるほど、『Xperiaだから撮れた!』が実感できるかと思います。僕はすぐにでも欲しいですが(笑)、一度手に取ってしまったら確実に欲しくなる1台ですね」

Xperia 1 IV(エクスペリア ワン マークフォー)の製品詳細はこちら

 

▽作例ギャラリー(全てXperia 1 IVで撮影)

 

〈モデル〉日南響子(Instagram

〈写真〉ヨコカワカツヤ(Instagram

〈ヘアメイク〉池戸朝都(Instagram

〈ヘアメイク アシスタント〉はなの

〈スタイリスト〉長野亜紀(TEAM COLORS)(Instagram

〈取材・文〉長谷川賢人

〈実機写真〉稲葉利二

〈協力〉ソニーマーケティング株式会社