新しい映像世界に踏み出せる8K動画撮影機能
「X-H2」は、8K動画機能を搭載した点も大きなトピックスだ。単に高画質なだけでなく、諸機能も充実。例えば、オーバーサンプリングを利用した動画時のデジタルズーム (最大2倍 / 4K、フルHD時に使用可能) 機能。パワーズームレンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」利用時にはシームレスな動画ズーミングが可能だ。
また、静止画撮影でも1.4倍と2倍のデジタルテレコンバーターが使えるので、「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」であれば最長1200mm (1800mm相当) で撮れる。加えてAFは、AIディープラーニング動体検出を活用できるので、あらゆるジャンルの静止画 / 動画撮影に対応できる。
さらに、富士フイルムの良さであるフィルムシミュレーションも使えるし、「X-H2S」に搭載されているF-Log2も使える。ちなみに、8Kで記録した映像は切り出しでは7680×4320ピクセル出力できるので、今後は動画撮影から静止画像を出力するスタイルも増えそうだ。より大容量のデータを扱うため、CFexpress Type-BカードとSDカードに対応したデュアルスロットを搭載している。
また今回、個人的に使ってみて面白いと思ったのが、電子シャッターの最速シャッタースピード。従来の1/32000秒から、1/64000秒・1/128000秒・1/180000秒と約3段分まで拡張しているため、光源が強くて明るい場所でも絞り開放で撮影することが可能なのだ。今まで見たこともない世界観でシャッターを切ることができる。
検出可能被写体や合焦精度が進化したAF
「X-H2S」から導入されたAIディープラーニングを利用した被写体検出AF機能。高画素になった「X-H2」だからこそ、さらに有効な機能だと思った。「検出被写体」→「動物」に設定し、見事にサルの瞳をキャッチし追従してくれた。また、この機能は写真でも動画でも利用できるのもありがたい。
ついに8K動画撮影が可能になった!
富士フイルム初の8K 30fps記録に対応。8K動画カメラは価格が高く、まだまだ手の届かないと思っていたが、「X-H2」の登場により一気に手が届きやすくなった。また、8Kから4Kオーバーサンプリングを使った×1.5、×2.0といったズーム機能や、12bit外部RAW (ProRes RAW、Blackmagic RAW) にも対応している。
操作性のポイントをチェック!
高精細のEVFを搭載しているので、より詳細なピント合わせに応えてくれる。また、表示フレームレート約120フレーム/秒に対応し、高速で滑らかな表示も可能だ。メディアはSDカードスロットに加え、CFexpress Type-Bに対応しているので、高画素連写撮影や8K撮影時にはCFに書き込み、軽い写真撮影やHD撮影ならSDカードへ書き込み、といった使い方ができる。
FUJIFILM X-H2 主な仕様
発売日 2022年9月29日
参考価格 ボディ 290,400円 (税込)
マウント 富士フイルムXマウント
有効画素数 約4020万画素
撮像素子 APS-Cサイズ X-Trans CMOS 5 HRセンサー
ISO感度 ISO 125~12800 (拡張 ISO64〜51200)
シャッター速度 メカシャッター 1/8000秒〜15分、電子シャッター 1/180000秒〜15分、バルブ
ファインダー 0.5型 有機EL 約576万ドット EVF
液晶モニター 3.0型 約162万ドット バリアングル式液晶モニター (静電容量方式タッチパネル)
記録媒体 CFexpress Type Bカード、SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
幅×高さ×奥行き 約136.3×92.9×84.6mm (最薄部 42.8mm)
質量 約579g (本体のみ) / 約660g (バッテリー、メモリーカードを含む)
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。撮影にはベータ機を使用しています。