機材レポート

手持ちで1億画素撮影!「ハッセルブラッド X2D 100C」実写レビュー

ハッセルブラッドXシリーズに待望の1億画素モデルが登場。中判ミラーレスカメラ「X2D 100C」はボディ内手ブレ補正を搭載し、軽快な手持ち撮影が楽しめる。1億画素センサーと16ビットRAWで描く世界は別格だ。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー
ハッセルブラッド X2D 100C + XCD 2,5/55V

操作性が飛躍的に向上して扱いやすくなった

ハッセルブラッドから「X2D 100C」が発売された。これでXシリーズのラインアップは「907X 50C」と「X1D II 50C」を合わせて3機種になった。筆者はすべてのXシリーズを愛用しており、「X2D 100C」もすでに購入済みだ。

「X2D 100C」を使ってみて、とても扱いやすい優秀なカメラに仕上がっていると感じた。これまでのXシリーズは起動や操作が一般的なミラーレスカメラに比べると少しゆっくりだったが、「X2D 100C」は飛躍的に改善されている。

ハンドリングに優れた大型グリップを採用

重さは、「X1D II 50C」はバッテリー込みで766gだったが、「X2D 100C」は895gになった。デザインは「X1D II 50C」と共通点が多いが、グリップが大型化されハンドリング性が向上している。ボディ上面にはトップディスプレーが搭載された。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

大きくて見やすい有機ELファインダー

EVFは約576万ドットの有機ELタイプ。視野率は100%、倍率は約1.0倍と大きくて見やすい。視度調整も革新的で、カメラのメニューから電子視度調整が行なえる。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

快適なタッチ操作ができるチルト式モニター

3.6型 約236万ドットのタッチモニターを採用。視認性が高く、タッチパネルの感度もいいので、タッチ操作が快適。チルト式モニターが採用され、40°と70°の位置に固定できる。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

トップディスプレーで撮影設定を素早く確認

1.08型のトップディスプレーが搭載された。バッテリーを入れると瞬時にバッテリー残量を表示。シャッター速度やF値、ISO感度、撮影モード、WB、撮影可能枚数などを確認できる。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

目に見えないディテールまで16ビットの色深度で再現

注目すべき点は、手ブレ補正の追加と1億画素だろう。手ブレ補正は7段分の補正効果があり、テストすると1/15秒はほぼ止まる印象。条件によっては1/8秒でも撮影できる。1億画素ともなると、少しでもぶれると解像感が失われるので非常にありがたい。

そして1億画素の世界は、目に見えないようなディテールまでしっかりと描写してくれる。ダイナミックレンジは圧倒的で15段分あり、16ビットRAWで撮影できる。筆者がハッセルブラッドを使い続ける理由も16ビットRAWで撮れるからだ。16ビットの色深度は281兆もの色が表現でき、別格の再現性がある。空のグラデーションや薄暗いシーンなど、ハッセルブラッドらしい色表現ができる。RAW現像で安心して調整できるのも魅力だ。

また、位相差AFが採用され、AFが従来機より約3倍高速化された。1TBのSSDを内蔵したり、大きな等倍EVFを搭載したりとカメラとしての魅力がグッと上がっている。ぜひ一度、1億画素の世界を体感してほしい。

1億画素で廃船のディテールまで緻密に描く

岡山県にある牛窓で撮影した廃船。「X2D 100C」の1億画素による描写は、劣化した船体のひび割れなどのディテールまでしっかりと表現してくれる。新しいXCD 38mmレンズは軽量であるにもかかわらず、とてもシャープな描写だ。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー
ハッセルブラッド X2D 100C XCD 2,5/38V 絞り優先オート F5.6 1/350秒 ISO64 WB : 晴天
ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー
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強力な手ブレ補正で薄暗い場所でも手持ちスナップが可能

1/60秒でスナップ。1億画素にもなると1/60秒の手持ち撮影は厳しいものがあるが、強力な手ブレ補正のおかげでぶれずに撮影できた。暗部からハイライトまでなだらかな階調で、繊細な色まで表現できる。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー
ハッセルブラッド X2D 100C XCD 2,5/55V 絞り優先オート F2.5 1/60秒 -1補正 ISO400 WB : 晴天

大型センサーに強力な手ブレ補正を搭載

1億画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用。43.8×32.9mmの大型センサーで、ピクセルサイズは3.76μm。ボディ内手ブレ補正は5軸で、最大7段の補正効果がある。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

超高速カード&SSDに撮影データを記録

記録メディアはCFexpress Type Bカード。また、中判カメラ初となる1TB SSDを内蔵し、最大書き込み速度2370MB/s、最大読み込み速度2850MB/sで、データ記録やバックアップが快適。

ハッセルブラッド X2D 100C 実写レビュー

HASSELBLAD X2D 100C

発売日 2022年9月9日
参考価格 1,210,000円 (税込)

撮像素子 有効1億画素 43.8×32.9mm 裏面照射型 CMOSセンサー
マウント ハッセルブラッドXマウント
ISO感度 ISO 64〜25600
AFシステム 位相差検出 + コントラスト検出 (位相差検出 : 最大294点)
シャッター速度 XCDレンズ使用時 最速1/4000秒、電子シャッター 最速1/6000秒
手ブレ補正 ボディ内手ブレ補正 5軸7段
ファインダー 約576万ドット 有機EL (倍率約1倍)
液晶モニター 3.6型 約236万ドット (チルト式タッチパネル)、1.08型トップディスプレー
記録メディア 1TB内蔵SSD、CFexpress Type Bカード
幅×高さ×奥行き 148.5×106×74.5mm
質量 約790g (本体のみ) / 約895g (バッテリーを含む)

※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。