フルサイズ設計の「タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」が、APS-CフォーマットのXマウントに対応。超望遠から接写まで楽しめる新レンズを「富士フイルム X-H2S」と組み合わせ、鉄道写真の現場でその実力を検証した。
コンパクト&高性能な超望遠ズームが富士フイルムXマウントに最適化
2021年6月に発売されたソニーEマウント用の「タムロン 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」が、富士フイルムXマウント用として発売された。APS-CフォーマットのXマウントでは、35mm判換算225〜750mm相当になる。全長は209.9mmで超望遠ズームとは思えないコンパクトさだ。これならカメラバッグに収納して持ち運ぶことができる。
300km超の新幹線を被写体検知AFで捉える
時速300km超で迫ってくる新幹線を望遠端で撮影。「X-H2S」に搭載された被写体検知AF機能「電車」により、確実にAF追従してくれた。フルサイズ用のレンズ設計なので、列車の先頭を画面の隅に置いても良好な画質が得られる。
ワイド端で車輪に迫り金属の質感まで描く
関東鉄道で実施された車両基地工場棟撮影会での1枚。ワイド端の最短撮影距離は60cmで、被写体にかなり寄ったマクロ撮影が可能。光が限られる工場内でも、手ブレ補正機能により手持ちで撮影できた。
フルサイズ用の設計で隅々まで高画質に描写
もともとフルサイズ用に設計されたレンズなので、イメージサークルに余裕がある。実際に撮影してみると、画面の四隅まで、かっちりとした解像感が得られるのを実感した。贅沢な使い方であるが、画面周辺まで高画質に描けるのは嬉しい。
AFはリニアモーターによるVXDを搭載。「X-H2S」との相性も良く、鉄道写真のための超望遠ズームとして活躍しそうだ。
アルカスイス互換の三脚座を標準装備
三脚座はアルカスイス互換タイプ。三脚への着脱が素早くでき、カメラのマウントにかかる負担も軽減できる。ストラップ装着時の重心バランスを考慮したストラップホールを備えている。
リニアモーターによる高速AFを実現
高速・高精度にAF駆動できるリニアモーターフォーカス機構「VXD」を搭載。静粛性が高く、スッと素早くフォーカスしてくれる。コンティニュアスAFによる追従性も高い。
特殊硝材を贅沢に使いクリアな画質を追求
レンズ構成は16群25枚。XLDレンズ1枚、LDレンズ5枚、複合非球面レンズ2枚を使用し色収差を抑制。フレアやゴーストを抑えるBBARG2コーティングも施されている。
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD 富士フイルムXマウント
発売日 2022年10月13日
希望小売価格 209,000円 (税込)
焦点距離 150〜500mm (35mm判換算 225〜750mm相当)
レンズ構成 16群25枚
絞り羽根枚数 7枚 (円形絞り)
最短撮影距離 ワイド端 0.6m、テレ端 1.8m
最大撮影倍率 ワイド端 1:3.1、テレ端 1:3.7
フィルター径 φ82mm
最大径×長さ φ93×209.9mm
質量 レンズ本体 1,710g、三脚座 155g