2023年1月に開発発表されていた大口径中望遠レンズ「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」と広角レンズ「NIKKOR Z 26mm f/2.8」が発売された。この2本を「Z 7II」と組み合わせて試してみた。
開放F1.2のボケを楽しむSラインの中望遠「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」
85mmは、ニッコールレンズ初の超大口径F1.2の中望遠。非常に大柄だが見た目の印象よりは軽く、街中でも意外と軽快に撮影できた。AFにはSTMを2基搭載したマルチフォーカス方式を採用し、静かで滑らか、かつピントの精度も高い。
描写はF1.2の絞り開放でも解像力はとても高い。それでいてボケは柔らかだ。二線ボケもよく抑えられている。後玉を大口径化することで大きなボケを実現し、画面周辺部でも優れた描写が得られる。EDレンズを使用することで、ボケに色づきもない。85mmとは思えないほど巨大なレンズだが、それだけの描写性能が感じられる。
高い解像力と柔らかなボケで街の雰囲気を描く
ピントを合わせたクルマの窓枠はシャープだが、ボケは柔らかく形も崩れず、街の雰囲気を見事に捉えた。解像力とボケ味を両立したレンズだ。ポートレートに最適な描写性能だが、ボケを生かしたスナップも楽しめる。
画質性能にこだわった大型レンズ
非常に大柄だが、ホールドしやすく意外と扱いやすい。L-Fnボタンやコントロールリングを搭載し、機能の割り当てが可能。50mm F1.2にあったレンズ情報パネルは持たない。
NIKKOR Z 85mm f/1.2 S
発売日 2023年3月24日
参考価格 404,800円 (税込)
SPEC
[マウント] ニコンZマウント [レンズ構成] 10群15枚 [絞り羽根] 11枚 (円形絞り) [最短撮影距離] 0.85m [最大撮影倍率] 0.11倍 [フィルター径] 82mm [最大径×長さ] 約φ102.5×141.5mm [質量] 約1160g
全長わずか23.5mmの広角パンケーキレンズ「NIKKOR Z 26mm f/2.8」
26mmは全長わずか23.5mmのパンケーキレンズ。重さも約125gしかなく、いつでも持ち歩ける。マウントは金属製で、質感の高い仕上がりだ。
26mmはiPhoneのレンズと同じ画角。スマホで気軽に撮る感覚で日常の光景を切り取れる。また、APS-Cサイズ機では39mm相当になり、スナップや風景以外でも使いやすい。「Z fc ブラック」に似合うレンズだ。
キレのある描写で軽快にスナップ
街に差し込む光がマネキンを照らすのを見つけ、路面に歩く人の影が入った瞬間にシャッターを切った。軽快にスナップできるため、こうしたシーンに素早く対応できた。画面周囲まで甘さがなく、キレのある描写が味わえる。
携帯性を損なわない薄型レンズ
「Z 7II」に装着するとレンズ先端がグリップ部分とほぼ同じになるほど薄く、携帯性は抜群。付属のレンズフードも本体の薄さを損なわない一体感があり、52mmのフィルターが装着できる。
NIKKOR Z 26mm f/2.8
発売日 2023年3月3日
参考価格 72,600円 (税込)
SPEC
[マウント] ニコンZマウント [レンズ構成] 6群8枚 [絞り羽根] 7枚 (円形絞り) [最短撮影距離] 0.2m [最大撮影倍率] 0.19倍 [フィルター径] 52mm (専用レンズフード使用時) [最大径×長さ] 約φ70×23.5mm [質量] 約125g
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。