伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2024年2月号 アザーショット【後編】
「純正よりも小型軽量で、コスパに優れる」という条件で、「富士フイルム X-S20」にプラスαするのに最適な超広角ズームと超望遠ズームとして、シグマの「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」と「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」をピックアップ。この2本のズームレンズで秋から冬にかけての風景を撮影し、その描写性能をチェックしてみた。
後編では「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2024年2月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary 実写チェック
- SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 実写チェック
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 富士フイルムXマウント
[最大径×長さ] φ86×199.5mm [重さ] 1,135g [レンズ構成] 16群22枚 [最短撮影距離] ワイド時 112cm、テレ時 160cm [最大撮影倍率] 約0.24倍 (テレ時) [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] 67mm
参考価格 118,800円 (税込)
目の周りの羽根がしっかり解像している
多摩動物公園のクマタカ。フィルター径67mmと望遠レンズとしては径は小さめだが、テレ端絞り開放でなんとか檻を消すことができている (背景のボケに檻の影が出ているが、これは大口径レンズでも同じ)。ピントを合わせた目の周りの羽根はしっかり解像できている。
空気の揺らぎが少なく感度を抑えればシャープに写る
南風運用の夕刻時、B滑走路を離陸する旅客機を多摩川土手から撮影。換算600mmでは中小型機は小さめにしか写せないが、空気の揺らぎの影響が少なく、感度を抑えて撮影できればそこそこシャープな写りが得られる。
毛並みがつぶれずに解像できている
多摩動物公園のレッサーパンダ。高画素のフルサイズ機と大口径望遠ズームで撮影した写真のようなエッジ立つほどの解像ではないが、APS-CのISO2000で撮影している割には毛並みのツブレは少なく、白いヒゲはにじみなく再現されている。
口径食は少なく輪郭の色付きは目立たない
レンズ名の「DG]はフルサイズ対応を表しており、富士フイルムXマウント版の場合、フルサイズの光学系をAPS-Cで使うので、周辺減光や口径食は非常に少ないのが特徴。木漏れ日の玉ボケの輪郭にわずかに縁取り感はあるが、軸上色収差による色付きは極めて軽微だ。
軸上色収差が補正されボケに色づきは見られない
並んでいる灯りを望遠ならではの圧縮効果を生かして撮影。軸上色収差が目立つと、このような白い被写体の前後のボケにマゼンタやグリーンが浮いたり、ハイライトにパープルフリンジが生じるが、このズームは白い被写体がちゃんと白いままぼけている。
本記事で紹介した以外の実写作例と詳しい解説は『CAPA』2024年2月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。