機材レポート

縦並びデュアルレンズを搭載した「DJI Osmo Pocket 4P」を使ってみた! ジンバルカメラも望遠ズームの時代に

日常的に、気軽に高品質な動画が撮れるジンバルカメラ。従来は広角単焦点モデルが基本だったが、2026年はInsta360とDJIが相次いで望遠ズームモデルを発売し、新たな段階に入っている。今回は、デュアルレンズを搭載したDJIのジンバルカメラ「Osmo Pocket 4P」を使ってみた。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

望遠ズームが可能なジンバルカメラ

ドローンやアクションカメラ、ジンバルカメラなど、新時代の映像機器メーカーを代表するDJI。なかでも2023年に発売されたジンバルカメラ「Osmo Pocket 3」は、手軽に高画質な映像が撮れることでプロカメラマンからアマチュアまで大人気となった。

そして2026年4月、それを引き継ぐように、107GB内蔵ストレージを搭載した「Osmo Pocket 4」を発売。DJIの進撃は止まることなく、さらに6月29日には、デュアルレンズを搭載し望遠ズーム撮影が可能なジンバルカメラ「Osmo Pocket 4P」がラインアップに加わった。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

縦並びのデュアルレンズを搭載

「Osmo Pocket 4P」最大の特徴が、デュアルレンズ。下側のメイン広角レンズは35mm判換算20mm F2.0。新設計の1インチCMOSセンサー搭載により、17ストップのダイナミックレンジを実現。逆光などコントラストの高い環境や低照度でも、白トビや黒つぶれを極めて抑えた動画撮影が可能となる。

もう一方の上側にある中望遠レンズは、35mm判換60mm F1.8。美しいボケを生かしてポートレート撮影にも向くという。デュアルレンズは3軸メカニカルジンバルに懸架され、手ブレを抑えて安定した映像の撮影が可能だ。

2つのレンズは、「Insta360 Luna Ultra」では横並びなのに対して、「Osmo Pocket 4P」は縦に並んでいる。ズーム時などに発生しやすい画角のわずかなズレを、レンズを上下に重ねることで回避したとのことだ。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

4つのボタンで操作

操作部は4つのボタンが集中して並ぶ。左上のズームボタンを長押しでズームイン、右上のカスタムボタンでズームアウトできる。ズームボタンを1回押すと3倍、2回押すと6倍に素早く切り替え可能。どの焦点距離からでも、1回押すことで1倍に戻る。

カスタムボタンは、初期設定では長押しによるズームアウト以外に、1回押しではジンバルのチルトとジョイスティックによるカメラのズーム操作を切り替え可能。2回押しでジンバルの向きの再センタリング。3回押しでカメラの向きをロック/解除することが可能だ。

左下はジンバルの動きを調整する5Dジョイスティック、右下は録画ボタンとなっている。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

 

「Insta360 Luna Ultra」は8Kに対応するが、「Osmo Pocket 4P」は4K (3840×2160) 60pとなる。ただ、プロユース以外で8K映像を生かす機会はまだ少ないので、よほどのこだわりがない限りは十分だろう。ちなみに、スローモーション撮影では4K240p撮影が可能となる。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

クラシックブラックとパールホワイトの2色展開

カラーはクラシックブラックとパールホワイトの2色。「Osmo Pocket 3」「Osmo Pocket 4」はブラックモデルだけだったので、ホワイトモデルは非常に新鮮に見える。これは人気が出そうだ。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー
クラシックブラック
DJI Osmo Pocket 4P レビュー
パールホワイト

 

容量103GBの内蔵ストレージを搭載。microSDスロットも搭載しているので、カードを挿入すれば手軽に容量を拡張することができる。ちなみに「Osmo Pocket 4」の内蔵ストレージは107GBだが、システムの違いによるもので、ストレージは同一のものだ。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

 

専用の補助ライトが付属する。低照度や逆光時に、セルフィーの強い味方となってくれる。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

 

付属の1/4インチネジ付きハンドルを取り付けることで、よりグリップが安定する。Vlogコンボにはさらにミニ三脚が付属し、より自立しやすくなる。ミニ三脚は単体でも購入可能。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー

 

本体の質量は230g。動作時間は210分。18分で80%、32分で100%、バッテリーへの充電が可能。「Osmo Pocket 4 バッテリーハンドル」を接続すれば、動作時間をさらに130分延長できる。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー
Osmo Pocket 4 バッテリーハンドル、補助ライト、ミニ三脚の装着イメージ

 

動画作例で機能紹介

■色調

鮮やかすぎるほどの「Insta360 Luna Ultra」に比べると、自然さを残しながら適度に鮮やかな4K60p映像が撮れる。変化をつけたければ6種類の内蔵フィルムトーン (CCフィルム、NCフィルム、パステル、ウォームトーン、ムービー、レトロ) で色調を変えることができる。

■ActiveTrack

安定性がさらに向上したActiveTrack 8.0により、動いている船上から高速のボートを追いかけても映像は安定している。また、常に被写体を画面中央でキープするなど、高度なトラッキングが可能だ。

■ズーム

ズームボタンで瞬時に3倍 / 6倍に切り替えできるのは便利。ただ、右側のカスタムボタンは、割り当てられた機能に少し混乱することがあった。12倍にするはズームボタンの長押しが必要。また、デジタルズームなので、画質がほんのわずかだが低下する。

■マクロ

望遠側の最短撮影距離は20cm。寄れるうえに背景をぼかしやすく、ボケに不自然さもなくきれいに撮れる。クローズアップだけでなく、ポートレート撮影時の強い味方になってくれそうだ。

■低照度

低照度での撮影に定評あるDJI。明るい都市夜景程度なら、気兼ねなく撮影できて失敗することもない。「Osmo Pocket 3」より一段とクリアで、色味もほどよく鮮やかに見える。ちなみに、低照度での動画撮影は最大4K30pとなる。

ポートレート撮影にも活用したい

手軽さ、軽快さが売りの「Osmo Pocket 4」に対し、「Osmo Pocket 4P」はより本格的な映像制作も視野に入れたモデル。何より、単焦点が当たり前だったジンバルカメラで、望遠ズームが可能になったことは画期的。背景ボケを生かして、ポートレート撮影でも活躍してくれそうだ。

DJI Osmo Pocket 4P レビュー
作例 (DJI提供)

Osmo Pocket 4P

スタンダードコンボ

DJI Osmo Pocket 4P レビュー
クラシックブラック (左上)、パールホワイト (右下)

参考価格 99,000円 (税込)
セット内容 本体、Osmo Pocket 4 補助ライト、Osmo Pocket 4 ハンドル (1/4インチネジ穴付き)、キャリーポーチ、リストストラップ、USB-C – USB-C PDケーブル (USB 3.1)

Vlogコンボ

DJI Osmo Pocket 4P レビュー
クラシックブラック (左上)、パールホワイト (右下)

参考価格 113,300円 (税込)
セット内容 本体、Osmo Pocket 4 補助ライト、Osmo Pocket 4 ハンドル (1/4インチネジ穴付き)、Osmo ミニ三脚、DJI Mic Mini 2 トランスミッター、Osmo FrameTap、キャリーポーチ、キャリーバッグ、リストストラップ、USB-C – USB-C PDケーブル (USB 3.1)

主な仕様

カラー
クラシックブラック、パールホワイト

広角レンズ
センサー : 1インチ CMOSセンサーー
焦点距離 : 20mm (35mm判換算)
絞り : F2.0
フォーカス範囲 : 0.09m〜∞
ISO感度 : ISO 100〜25600

中望遠レンズ
センサー : 1/1.28インチ CMOSセンサー
焦点距離 : 60mm (35mm判換算)
絞り : F1.8
フォーカス範囲 : 0.2m〜∞
ISO感度 : ISO 50〜12800

最大静止画サイズ
7680×4320 (16:9)、6144×6144 (1:1)

最大動画サイズ
4K (16:9) 3840×2160 @24/25/30/48/50/60fps

ズーム倍率
写真 : 9×
動画 : 1080p 12×、3K 12×、4K 12×

シャッター速度
写真 : 1/16000〜4秒
動画 : 1/16000秒〜1/4秒

操作可能範囲
パン −235°〜58°、チルト −125°〜58°、ロール −45°〜45°

記録媒体
内蔵ストレージ 103GB、microSDメモリーカード (最大1TB)

長さ×幅×高さ
159.5×63.3×33.5mm

重量
230g

 

〈文・写真〉稲葉利二