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【雨ならではの撮り方講座】-風景と雨- 見た目に近く降雨の軌跡を撮る方法

外出が億劫になるだけでなく、機材がぬれるので撮影をしない人も多いだろう。しかし、雨の日だからこそ、雨上がりだからこそ撮れる写真がある。ここでは雨天ならではの撮り方を、その道のプロに聞こう。

雨にぬれた草花はしっとりとして、艶やかな美しさが出る。晴天の直射光のような華やかさはないが、落ち着いた雰囲気を生かせるのが魅力だ。水滴や雨紋、霧など、雨の日にしか撮れないモチーフも少なくない。普通の降雨だと写真には写りづらいため、本降りか天気雨による逆光で狙いたい。

 

1/40~1/80秒のシャッター速度で降雨を写し取る

1/60 秒前後のシャッター速度を選ぶと、降雨の軌跡を見た目に近いイメージで捉えられる。ただし、明るい背景だと降雨が背景に埋もれてしまうため、暗い背景を選ぶことが重要だ。逆光で背景が暗く、雨に光が当たっているような場面が理想だが、光がないときは本降りを狙う必要がある

158ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/80秒) ISO200 WB:晴天

 

明るい水面を背景にすると降雨は埋もれてしまう。マングローブの濃い緑を背景にすると、降雨の軌跡が描写できた。背景をぼかして単純化することも雨を見せるのに有効だ。

 

雨の日だからこそ撮れる写真がある。6月のこの時期は、ジメジメした日が続きますが、降雨を撮る際は、少し暗い背景でシャッター速度を調整しながら、撮影をしましょう。

 

※あまりにも雨がきつい場合は、水回りや足元などがとても危険になりますので、災害等にご注意ください。

 

写真・解説/深澤 武