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【ビルの素敵な撮り方】都市風景らしいビル写真を撮るちょっとしたコツ

都市風景として思い描く写真の多くは、ビルが建ち並ぶ光景ではないでしょうか。高層ビルやシンボリックタワー、坂道や路地といった街の情景、みなさんが学校や仕事に通う日常的な街並みも、ふとカメラを通せば、非日常の世界に変わってしまう。そんな都会ならではの被写体の撮影テクニックやコツをご紹介いたします。

 

撮影:川北茂貴

 

 

広角レンズや魚眼レンズを使って周囲の情景も取り入れながらビルを狙おう

 

ビルを撮るときの問題点は、その大きさにあります。特に都会では建物が密集しているため、引いて撮ることができません。そこで活躍するのが、画角の広い広角レンズや魚眼レンズです。これらを積極的に使って、ビルの全景はもちろんのこと、ときには周囲の情景も取り入れて、都市風景らしいビル写真を目指しましょう。

 

 

【ビル×魚眼レンズ】

撮影:川北茂貴

都庁を画面の中心から外すと動きが生まれる

魚眼レンズを使ったことで、周囲の建物は湾曲した描写で丸く写り、とてもインパクトがある。また、構図の中心から主役である都庁舎を少しずらして配置したのもポイント。構図の中心から主役をずらすと、写真の中に動きが生まれてくる。

15ミリ相当 絞り優先オート(F11 10秒) -1.7補正 ISO200 WB:白色蛍光灯

 

 

撮影:川北茂貴

魚眼レンズを生かした安定したシンメトリー構図

こちらは左右対称にビルを配置して、真ん中に都庁舎を置いたもの。この場所での定番構図である。シンメトリー構図による安定した画面構成で、ストレートに被写体が目に飛び込んでくる。

 

 

【ビル×動く被写体】

撮影:藤井智弘

ビルに飛ぶ鳥を絡めてその街の息遣いを表現する

魚眼レンズを使ってビルを見上げ、街の印象をまるごと写し込むイメージで構えた。そこへ鳥が画面に入ってきたので、とっさに撮影。飛ぶ鳥が入ったことでこの街の息遣いを感じさせ、臨場感のある都市の情景になった。ビルは静止しているので、動きのある被写体を画面にいれるのはとても効果的だ。

16ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/1250秒) ISO200 WB:オート

 

 

【ビル×パンフォーカス】

撮影:川北茂貴

手前の桜と高層ビルを広角で絞り込んでシャープに写す

ライトアップされた夜桜と高層ビルを絡めて捉え、都会の夜景写真にする。このとき、主役である桜をシャープに描写すべく絞り込んでいたので、結果的に被写界深度が深くなり、手前の桜と奥のビルの両方にピントがしっかり合った。広角を使って絞り込むことで、距離の離れた被写体でも、パンフォーカス描写で捉えられる。

16ミリ相当 絞り優先オート(F11 5秒) -0.3補正 ISO200 WB:白色蛍光灯

 

 

 

ビルの大きさや武骨さなどの特徴を撮影するには、様々なテクニックや機材が必要になります。高さや立体感を表現するためにレンズを使い分けたり、周りの情景を取り入れながら、ビルの特徴をしっかり表現できる撮影を心がけたいですね。