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【星と月の撮影の基本⑩】輝く星の軌跡を撮る有効なテクニック

星空のきれいな景色(星景)を見ると撮影したくなるもの。カメラが好きな人にとって、一度は挑戦してみたい!被写体です。星や月、惑星など撮りたい気持ちはあるのだけれど、「難しい!」「真っ暗!」「星が映らない!」など撮影方法の悩みは尽きません。これから流星群や皆既月食、火星の接近など、天体撮影では、イベントも盛りだくさん。カメラを通してきれいに撮る方法やテクニックをご紹介いたしましょう。

 

 

比較明合成とは、元画像と合成する画像とを比較して、明るい部分を仕上がりの画像として表示する合成方法です。超高感度で短時間露光した明るい画像を何枚も合成することで、低感度による長時間露光とは比べものにならない華やかな作品を作ることができます。同じ20分間分の軌跡でも、比較明合成の場合は超高感度で撮影できるので、明るく仕上げられるのです。

 

【 星/月のピント合わせ 】星の軌跡写真に特に有効な手段

星空の写真はISO6400、F2.8、15~30秒前後で適正露出を得られる。 仮にISO6400、 F2.8、15秒で適正露出となったとすると、20分間分の軌跡を得るためには、80枚連続撮影することになる。また、画像を合成したときの隙間を小さくするには高速連写するのがいいので、高速連続撮影モードに切り替えておく。連続撮影した80枚の画像をPhotoshopのような画像編集ソフトで比較明合成すれば、強い星の輝きを捉えた写真に仕上がる。

 

オリンパスの一眼カメラに搭載されている比較明合成「ライブコンポジット」。

 

比較明合成

1枚撮り(20分露光)

比較明合成のほうが星の輝きが強い

比較明合成の写真は、1枚撮りに比べて、星の輝きをより強く捉えることができた。同じ20分間の軌跡だが、比較明合成ではISO6400、1枚撮りはISO400で撮影しているため、感度の差が明るさの差となって現われている。

 

星の軌跡には特に有効な手段で、比較明合成の機能を使えば、星の輝きが増します。華やかさを増したい場合は、こうした比較明合成を活用してみましょう。

 

写真・解説/深澤武