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【設置物の撮り方①】絵にならない!?設置物はこうしてインパクトを出す!

路上には街灯や標識、カーブミラー、看板など、さまざまな設置物があふれています。普段は被写体としてあまり絵にならないと感じ、見逃しがちでもある設置物。このような設置物にスポットを当てて、魅力的な写真に仕上げる撮影テクニックをご紹介します。

 

撮影:藤井智弘

 

設置物写真のよくある失敗 ×

ただ街灯を撮っただけで何の面白みもない

おしゃれな街灯を見つけ、それを主役に撮ったのだと思うが、背景の建物に埋もれてしまっておりこれでは目立たない。また周囲がまだ明るいせいか、せっかくの街灯の光も弱い。

ここが残念 ×

  1. 背後の建物が中途半端 → 解決法①
  2. 目を引くポイントがない → 解決法②
  3. 街灯の明かりを生かせていない → 解決法③

 

設置物が周囲に埋もれないようにシンプルな背景を心掛けよう

設置物は、それ自体が主役として目立つように撮らないと周囲に埋もれてしまいます。そのためには、背景を空や壁などのシンプルなものにしましょう。また、広角レンズで迫って撮ると、ダイナミックな表現が可能です。望遠レンズを使う場合は、空間を活用すると空気感のある仕上がりになります。

そして、街灯の明かりを生かすなら、日没直後を狙うとドラマチックになっておすすめです。看板やミラーは光の反射や色調、さらに影を狙ってみると、力強い写真が撮れるでしょう。

 

残念ポイント①背後の建物が中途半端
【解決法①】広角レンズを使って設置物に迫って撮る

広角レンズを使って、ただ設置物を撮ってもインパクトは弱い。広角特有の強い遠近感を生かすには、設置物に大胆に迫ろう。被写体に迫っても広い画角によって周囲の様子が入り、その場の雰囲気を表現できる。この際、ポイントとなる建物も入れると作画しやすい。また、曇り空より青空のほうがメリハリが出る。

 

撮影:藤井智弘

 


周囲を入れればいいわけではなくその取り入れ方も重要

上の写真は、18ミリ相当の超広角レンズで街灯に迫り、周囲の建物のバランスも見ながら構図を決めた。見上げるアングルによって青空が背景になり、街灯が主役として際立っている。下の写真も街灯と街並みのバランスはよいが、迫力がない。曇り空なので光を生かせず、印象が弱いのだ。

 

残念ポイント②目を引くポイントがない
【解決法②】画面にインパクトを出す工夫をする

被写体として印象の薄い設置物は、平凡な写真にならないように、インパクトを意図的に出すように狙うことが大切だ。広角レンズや魚眼レンズを使ったダイナミックな描写はその好例。また、望遠レンズであれば空間を活用すると、設置物の存在感と空気感が表現できる。

 

撮影:藤井智弘

フレーミングで余韻を持たせて空気感を出す

大口径の中望遠レンズを使い、絞りは開放で撮影。背景がわずかにぼけて、街灯が浮き立っている。さらに画面左側に大きく空間を設けたフレーミングにしたことで、その場の空気感が伝わる写真になった。

84ミリ相当 マニュアル露出(F1.2 1/32000秒) ISO200 WB:オート

 

撮影:藤井智弘

雲の表情を生かす

曇りの日は光がフラットになりやすいが、このときは毒々しい黒い雲が印象的だった。18ミリ相当の超広角レンズを使い、空とカーブミラーをシンプルに捉え、ダイナミックでインパクトのある写真を狙った。

 

撮影:藤井智弘

魚眼レンズを使う

魚眼レンズで道路標識に迫る。周囲に建物を入れて日の丸構図で狙うことで、建物が歪んで写り、魚眼レンズらしさを引き出した。標識と建物が重なりすぎないように気をつけてフレーミングしている。

 

残念ポイント③街灯の明かりを生かせていない
【解決法③】街灯は明かりの灯った夜に撮るのがイチバン

街を歩けば必ずあるのが街灯だ。特におしゃれな形の街灯は、つい撮りたくなる被写体。日中でも被写体にはなるが、明かりを生かすならやはり夜に撮りたい。ポイントは日没直後。街灯や周囲の建物に明かりが灯り、空にはまだ光が残っている時間帯がドラマチックに仕上がりやすい。

 

撮影:藤井智弘

空に薄っすらと光が残っている時間帯に撮るのがおすすめ

夜は完全に暗く落ちてしまうと、立体感に乏しくなりやすい。そこで空にはまだ光がある日没直後を狙った。周囲の様子が伝わり、街灯の明かりも強調できる。空の深い青の階調と、温かみのある街の明かりの色調も美しい。

21ミリ相当 絞り優先オート(F4 1/8秒) -0.7補正 ISO400 WB:オート

 

設置物の撮影は、ただ撮るだけでは背景に溶け込んでしまい、印象残すのは難しいです。が、気を付けるポイントとしては、主役はあくまでも“設置物”だということ。背景をシンプルにして、設置物自体を目立たせることができれば、印象に残る撮影が可能になります。