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【設置物の素敵な撮り方】地味な被写体こそ撮影スキルがぐっと上がるんです!

路上には街灯や標識、カーブミラー、看板など、さまざまな設置物があふれています。普段は被写体としてあまり絵にならないと感じ、見逃しがちでもある設置物。このような設置物にスポットを当てて、魅力的な写真に仕上げる撮影テクニックをご紹介します。

 

撮影:藤井智弘

 

広い光景ばかりに目を向けるのではなく 道路の脇に立っている地味な被写体にも注目

一見、写真の被写体としては撮るのが難しそうな設置物も、撮り方次第で絵になります。都市風景を撮る際は、広い光景ばかりに目を向けるのではなく、道路の脇に立っている設置物にも注目してみましょう。こういった被写体を上手に撮れるようになると、撮影スキルがぐっと上がります。

 

【看板×光】

撮影:藤井智弘

看板に当たる光がアイキャッチ効果を生む

アメリカ、フロリダ州オーランドで見つけた看板。「オーランドにようこそ」と書かれたブルーの看板に光が当たることで、快晴の青空とともにまさにフロリダを感じさせた。広角レンズで看板にぐっと迫って大きく捉えつつ、街の様子も意識して写し込んでいる。

32ミリ相当 プログラムオート(F10 1/250秒) +0.3補正 ISO100 WB:オート

 

撮影:藤井智弘

光の明暗と色の対比で黄色の看板が際立つ

オーストラリア、シドニー。オーストラリアでは、歩行者横断歩道を示す鮮やかな黄色の看板を見かける。朝の光がスポットライトのように看板に当たっていた。背景のビルが暗く落ちて、青空とは補色になるため、看板の黄色が映えてインパクトのある写真になった。

28ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/250秒) ISO200 WB:オート

 

【看板×パンフォーカス】

撮影:藤井智弘

看板の密集感を出すために標準域&奥行きを出すために縦位置で捉える

香港といえば、通りにせり出した看板群が有名だ。路上から撮るのではなく、歩道橋の上から、見下ろすアングルで看板を狙う。広角レンズでは看板の密集感が出ないため、標準域に設定。縦位置で奥行き感を出した。そのうえで、やや絞ってパンフォーカスで捉える。さらに臨場感を盛り込むため、通りを歩く人のタイミングを見てシャッターを切っている。

53ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/60秒) ISO100 WB:オート

 

【街灯×夜】

撮影:藤井智弘

絞り込んで光条を出して街灯の光を強調する

洋風の街灯をメインに神戸らしい夜景を狙った。完全に暗くなると平面的で単調になるため、空に明るさが残っている時間帯に撮影。青みがかった雲が印象的で、街灯や街の明かりを引き立たせている。また、絞り込むことで被写界深度を深くするとともに、街灯に光条を出して光を強調した。

29ミリ相当 絞り優先オート(F16 0.8秒) ISO800 WB:太陽光

 

街には設置物が満ち溢れています。何気なく見過ごしている街灯や、カーブミラー、看板や掲示板など、一つ一つに注目することで、ステキな撮影ができます。光や影を取り入れたり、絞りの調整でできるボケ感など、様々なテクニックを使いながら、日常にありふれている被写体を、魅力あるものに変化させてみましょう!